野球の記録で話したい

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SEA1位アックリーという選手|MLB

【2009年6月19日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

全米最古の公立大学であり、アメリカの指導者層を多く輩出しているノースカロライナ大学から、今年ドラフト1巡目2位でSEAに指名されたダスティン・アックリー(1B、OF)は、ノースフォーサイス高校時代から期待された逸材、大学1年目から4割を打ち、注目された。

アックリー

1年目打率2位、2年目2位、3年目の今年首位打者に輝いた。ドラフト前はストラスバーグとアックリー、どちらが指名1位を獲得するかと噂されたのもうなずける。

レポートによれば確実性とパワーを兼ね備えた打撃に加え、走塁にも見るべきものがある。トミー・ジョン手術をしているが、肩もある。1塁手よりはセンターでいくべきだということだ。

ノースカロライナ大学が所属するアトランティックコーストカンファレンスは、NCAAでも有力なリーグの一つ。打高投低で最近は毎年4割打者が2~3人は出るが、3年連続の4割は傑出している。ちなみにアックリーの前年に首位打者になったフロリダ州立大のバスター・ポージーは2008年のSFに1巡目5位で指名され入団している。

2009年度のアトランティックコーストカンファレンスの打率ベスト10を紹介しておこう。なお大学のSTATSと異なっているのは、大学がリーグ戦以外の試合も公式記録に入れているためだと思われる。

アックリー2

アトランティックコーストカンファレンス(ACC)で上位の成績を上げれば、かなりの指名順位でMLBアマチュアドラフトに指名されることが分かる。

 さて、強欲ボラスは、このアックリーにも5000万ドル近い契約金を要求するようである。しかしSEAは、年俸合計1億ドルを超える金満球団だから(無駄遣いも多いし)、条件次第では支払う可能性もあるだろう。Kグリフィ、A-RODに続くスーパースターを作りたいSEAには、魅力的な話かもしれない。左打者でもあるし、アックリーは入団すれば早いうちにMLBに上がってくるだろう。

■後日談:アックリー5000万ドルは私の完全な勘違い。500万ドル以下での契約だった。


MLBドラフト1位ストラスバーグの価値|MLB

【2009年6月19日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

今年のMLBアマチュアドラフトは、えらの張った男の強欲が全面的にさらけだされたことで注目を集めた。例のスコット・ボラスが、ドラフト1500人中の第1位ステファン(スティーブン?)・ストラスバーグを小脇に抱えて銭闘をはじめたのである。

サンディエゴ州立大のストラスバーグは2008年、リリーフから先発に回って頭角を現した選手である。2008年の成績だけでも3巡目150位以内で指名されるのは確実だったが、今シーズンつまり2/20から5/23までの大学野球のシーズンで凄い成績を上げたのだ。

 ストラスバーグ01

13勝の中には、シャットアウトが2つある。被打率は.164、四球も少ないし圧倒的な数字である。今年7月に21歳になるが、これは即戦力に近い。103マイル(166キロ)ともいわれる球速も信憑性がある。

 ちなみに、サンディエゴ州立大のOBにはトニー・グウィンがいる。関係ないがグレゴリー・ペックも卒業生だ。

サンディエゴ州立大学の所属するNCAAの野球のレベルは全米トップクラス。そして、どちらかと言えば打高投低なのだ。そこでこの成績は飛び抜けている。同大でストラスバーグとローテーションを組んだ投手成績を並べてみよう。

ストラスバーグ02

MLBでの大学野球に対する評価が良く分かる。防御率5点台のバーガーでもドラフトにかかるのだ。日本よりもドラフトの裾野が広いことも分かる。

 今季の活躍で、一躍金の卵になったストラスバーグだが、ボラスは契約金5000万ドルを要求するそうだ。WASはMONが破たんした時にチーム数を減らさないために救済措置的に作られたチームだ。今は独立しているが、こんな金を払うとも思えない。ボラスはWASが金を出さないなら、日本でプレーさせるといっている。これまでドリューなどは独立リーグで1年浪人させたりしたが、それでは十分なトレーニングにならず、アピールも出来ないので、こんどはNPBに目を付けたのだ。1年だけの在籍を容認するNPBのチームなどないとは思うが、日本もなめられたものである。

ボラスは今年、1位のストラスバーグだけでなく、2位SEAのアックリー、3位SDのテートまで抑え込んでいる。そこでも強欲な駆け引きを開始したようだ。貴重な選手生命を1年棒に振らせても金額を釣り上げようというボラスの思惑、今のMLBの影の部分だと思う。

■後日談:5000万ドルをぶち上げたが、結局ストラスバーグは750万ドルで妥結。交渉が遅れたため、2009年はプロで投げていない。

RBIイーターの変遷|MLB

【2009年6月18日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

RBI=打点というSTATSは、最近のセイバーメトリクス信者からは「偶然の要素が強すぎ意味がない」といわれているが、打撃3部門の1つであり、やはりRBIイーターは心強いという印象がある。打点率というのは勝手に作ったものだが、打点/打数、打数の割に打点の多い選手を仮にRBIイーターと呼ぶことにする。2008年と2009年昨日までの両リーグ合わせての30傑は以下の通り。

RBI EATER

タイトルホルダーなどそうそうたる強打者が並ぶ中で、派手な成績は残していないが、打点率が高いという選手が何人かいる。ジェーコブス、ホウプなどがそれだ。また今季はブランドン・インジ、マーク・デロ―サというユーティリティな選手が勝負強さでも貢献しているのがわかる。そして何より今年はジェイソン・ベイとイバニエスが際立っている。

ベイの昨年の打点率は.175だから、今年は大進化を遂げたといってよい。オルティーズ大不振の中でBOSの打線を地味ながら支えている。そしてイバニエスは本塁打が目立つが、それ以外の打点も増えている。SEAからPHIへ、心機一転した効果が出ているのだろうか。

Mラミレス、オルティーズ、A-RODなど常連の名前が消え、フィルダー、モルノー、ティシェラ、ロンゴリアなど20代の若手の進出が目立つ。世代交代が進んでいるのだ。

松井秀喜は打点率が.200を超えたことはないが、常にベスト30の20位前後にいた。A-RODを主軸とするときに5番の役割は果たしてきたと思う。打率、本塁打よりもRBIに特化して残るチャンスをものにすべきだと思う。

■後日談:強打者たちの勢力図に変化が現れた年として、2009年は記憶されるべきだろう。

松坂の抱えているもの2|MLB

【2009年6月17日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

松坂の今季、これまでの7回の登板を細かく見てみたい。

matsuzaka0616 

4/9TB戦 この日は球速が91マイルまでしか上がらない。速球が決まらないためにウィニングショットは80マイル前後のカッター、88マイル前後のスライダー。90マイル前後の4シームを打ち込まれる。

 4/14OAK戦 この日も最高速度が91マイル。変化球も全く通用せず、打ちこまれる。

 5/22NYM戦 第1球から93マイルの4S。球が走っている。最高速は94マイルの4S。しかしウィニングショットは、88マイル前後のカッター、4Sは見せ球になる。シェフィールドの本塁打は92マイル4S。5回頃から90マイル前後の2Sで2死を取る。

 5/27MIN戦 93マイルの4Sが最高。速球の切れ味が良いようで、92マイル前後の4Sと88マイル前後のカッターがウィニングショットとなる。しかし、同じ球を打ちこまれる。

 6/2DET戦 93マイルの4Sが最高。この日のアウトはほとんどが、92マイル前後の4S。変化球は少ない。ときにスライダーも効果的に使う。

 6/7TEX戦 今季最速の95マイルを記録。この日は速球ではなくスライダーでアウトを取る。しかし、4Sを打ち込まれる。

 6/13PHI戦 93マイルの4Sが最高。この日は4Sでアウトカウントを稼ぐ。しかし、80マイル前後のスライダーを連打される。

 こうして見てみると、試合のたびに松坂の投球が変化しているのが分かる。実は、松坂の持ち味はまさにそこにあったのだが、今は、速球がめったに150km/hを超えないために他のボールが生きてこない。WBCのときから松坂の速球は152km/hがせいぜいだったのだが、このときは同じくらいの速球をそろえることが出来た。今の松坂は、150km/hの球は1試合に10球前後しかない。そして今季はスライダーが全く駄目である。多くはボールになっているし、ストライクゾーンに入れば打ち込まれている。ウィニングショットが定まらないのは、このためだと思われる。まだ手探りなのである。

 

さらに、今季の松坂は2巡目で必ず捉えられている。巡目ごとの打率を見ると、

 

 1巡目 .344 2巡目 .449 3巡目 .290

1巡目でKOされた4/14の試合を除外すると、

 1巡目 .294 2巡目 .449 3巡目 .290

 

対戦する打者は、1巡目で松坂の球筋を見極め、狙い球を決めて、次の打席で打ちこんでいるのである。今年は荒れ球が少ない分、的が絞りやすくなっているのだ。

 

球速が上がらず、キレも悪く、使える変化球も減っている。しかも四球に対するプレッシャーが大きい。松坂は苦しいだろうなと思う。

ある意味で開き直らないと打破できないだろう。四球を恐れることなく打者と勝負する。ランナーが出ても平然と相手を打ち取る。そういう持ち味を取り戻さないと。幸い、少しずつ150km/h以上の速球の数は増えている。緩急をつけることができるようになってきた。それから、チーム首脳と話し合うことが必要ではないだろうか。今は本当に委縮している感じだ。

 

松坂と言う投手は、高校時代から並の投手ではなかった。「松坂世代」という言葉ができるような、群を抜いた存在だった。彼なら今の状況を打破できるはずだ、と信じるほかはない。

■後日談:球速とともに、球のキレの問題ではあったろうと思う。

松坂の抱えているもの1|MLB

【2009年6月15日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

4~5日おきに先発する松坂の登板を、生活のリズムにしていた人間として、今年の松坂の不振はさびしい。6/13の登板も結局、結果を出さずに終わった。この時点で松坂は1勝4敗ERA7.55。ベケットやレスターらなども本調子でないが、松坂は完全に落第点である。今のBOSは頼りない先発が降りてからが勝負なのだ。

この時点で何かわかることはないか、STATSを見てみた。

matsuzaka0615-1

どの数字も目を覆うばかりだが、中で目につくのは死四球率(死四球/打者数)が、14%台から9%台に減っていることだ。それでも悪い数字だが、確かに、今年の松坂は四球を連発してランナーを背負うことは減っている。これは、首脳陣に相当プレッシャーをかけられているのだと思う。しかし、四球が減ったことは好成績に全く結びついていない。

昨年まで松坂は最も安打を打たれにくい投手だったが、今年の被打率は.372。これは四球を出したくないがために、ストライクを揃えて狙い撃ちされているのだと思う。

多くのボールを投げて、打者をじっくりと打ちとるスタイルできた松坂にとって、その投法を封印されたことは死活問題だ。コンディションの維持の問題や疲労などの影響も大きかっただろうが、数字で見る限りは、松坂はチームが課した投球スタイルの変更に適応できず、もがき苦しんでいるような印象だ。ワイルドピッチの急増も、そうした動揺を反映しているのではないだろうか。

■後日談:シーズン後半の姿に比べれば、このころの松坂は太い。手投げになっている

「JFKの今」から見えるもの 2

【2009年6月14日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

2003年にJFKが揃ってからの3投手のSTATSは以下のとおりである。

kubota02

3人揃っての登板数は、2003年95、2004年95、2005年223、2006年157、2007年231、2008年187。ばらばらである。各投手の登板数もばらばら、そして3人の役どころも変化している。率直に言えば、そのとき使える投手を使っているという感じだ。1年単位の方針はあるだろうが、将来を見据えた計画は感じられない。
登板数が急速に増えた2005年以降、藤川は全試合数の48.1%、久保田は47.6%、ウィリアムスは41.1%に登板している。
似て非なるSTATSが、現代のMLBを代表するリリーバー2人のそれである。

kubota03いずれも毎年60~70試合に登板しているが、例年、ほぼ同じ登板数、投球回数である。K-RODは2008年に76試合に登板、62セーブと言うMLB記録を樹立したが、投球回数は前年より1イニングしか増えていない。彼らに代表されるMLBのクローザーは、自分の限界を知り、その情報を監督やコーチと共有しているのだ。トレバー・ホフマンの569を頂点としてMLBには200セーブ以上が38人いる。すでにクローザーは一つの仕事として確立しているのだ。

NPBでは、長い間クローザーは使いべりのしない若手投手が潰れるまで使われるか、ベテランが最後のご奉公で勤めるかのどちらかだった。10年以上ずっとクローザーの地位を保つ選手はまれだったが、ようやくそうではない投手が出てきた。


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この二人に高津を加えた3人は、本当のクローザーと言うことができよう。ことに岩瀬は、年間60試合60回という上限を厳格に守ることで、安定した成績を保っているように思う。日本でも一部にこうした考え方が取り入れられている。
クローザーは、強い肩、タフな心身という才能に恵まれた投手を、自己と球団の厳格な管理の下で起用することで成立するポジションなのだと思う。いけいけどんどんで投手を使うのとは次元が違うと思う。

短くとも大車輪の活躍で人々の印象に残ればそれでいいじゃないか、という人もいるかもしれないが、それは、短命に終わった選手にかける慰めの言葉であって、前途洋々たる若手投手に与える言葉ではない。阪神という球団は、選手の才能や可能性を勝手に浪費していると思う。

今年、41歳のホフマンは18試合に登板して未だ無失点。15セーブを挙げている。クローザー生活17年目である。


■後日談:ホフマンの存在を見ていると、クローザーはつぶれるまで使うという日本の後進性が浮き彫りになる。

  

「JFKの今」から見えるもの 1|NPB

【2009年6月13日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

「ランディ・ジョンソン300勝に寄せて」で、藤川、久保田について言い及んだところ、いろいろコメントをいただいた。もう一昨年から、私はJFKことに久保田の登板過多が気になって仕方がなかった。日本記録のシーズン90試合登板は、ある意味では「狙ってとったもの」ではあったが、同時に監督の岡田は久保田を無定見に酷使していたと思うのだ。

以下は、2007、2008年のJFKの登板を日を追って記録したものである。

kubota 

2007年の前半は、JFKがまだ十分に機能していた。先発投手が不調だった分、この3人がそろい踏みして勝利を得る方程式がたびたび実行された。ただ、その時期から久保田だけはJFが出ない日も登板した。僅差での負け試合や同点の終盤、さらには2番手での登板も多かった。こうして一人登板数を増やしていったのだが、5月頃からウィリアムスがコンディション不調で登板回避をすることがあり、その分久保田の登板機会がさらに増えるようになった。100試合の段階で、62試合に登板。これまでのシーズン登板試合数の記録は2005年の藤川の80だったが、岡田は「この記録を抜いてみるか」と言ったように記憶している。久保田は残る44試合で28試合に登板し、見事記録を作った訳だ。しかし、JFKは後半に失速し、阪神は3位に終わった。チーム全体の完投がわずか3度、規定投球回数に達した選手が皆無、阪神の投手陣はJFKを中核とする中継ぎ陣が支えていたのだ。

2008年は、開幕直後からウィリアムスが戦線離脱。JFがフル回転した。5月にウィリアムスが復帰してからも、久保田の登板回数は減らなかった。北京オリンピックで藤川が抜けた分も久保田がかぶる格好だった。結局、この年の終盤に久保田は潰れるのである。100試合時点での登板数は55試合、このままいけばまた80試合以上は投げることになっただろうが、9月に入って明らかに変調をきたし、69試合にとどまったのである。しかしこの数字でも2008年の最多登板だった。

 

久保田はこの2年で159試合に登板した。NPBでは2年間で150試合以上登板した投手は過去に久保田と2004~5年の藤川しかいない。監督の星野、岡田や幹部はこの数字がいかに異常であるかを認識していなかったのだろうか。「今、何ともない」というだけで、無定見に投手を使っていくうちに消耗していくことがわからなかったのだろうか。JFKの方程式以外の投手起用策をなぜ真剣に考えなかったのだろうか。捨てゲームを作らずに、すべてのチャンスをJFKでものにしようとする、それは作戦とも言えないだろう。今の真弓阪神は、星野、岡田阪神の負の遺産を受け継いでいるようなものである。

NPBでも現在の阪神のこのやり方は非常識ではあろうが「登板することで肩は鍛えられる」という信仰は根強いようである。

シーズンオフに久保田は「先発投手に転向したい」との意向を洩らしたが、悲痛な感じがした。ようやくファームで投げ始めたようだが、彼はもう中継ぎは望んでいないように思えるのだが。

■後日談:今年をもってJFKは終わりを告げた。偉業と言うより悲惨と言いたい気がする酷使ぶりである。日本の投手用兵の問題点が個々にある。

デーモンDH松井スタメン外れる|MLB

【2009年6月10日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

今日からのBOS-NYY戦。DHは2番デーモン、5試合18打席無安打の松井秀喜はやはりというべきか、スタメン落ちである。

デーモンがDHに入るのは今季初。これまではDHは松井の指定席であり、A-RODが守備に就かないときだけ先発を外れていたが、ポサダに続きデーモンもDHに座るようになった。松井がスタメンに入る回数はいよいよ減るだろう。

追い詰められた中で結果を出していく勁さ、したたかさは、イチローではしばしば見たが、松井の場合どうなのだろうか。順風満帆なエリート街道を歩んできただけに、その点が弱いのではないか。

地元紙の「松井とは来季契約の可能性なし」報道は、球団側のリークかもしれない。〝日本代表MLB選手〟の放出のショックを和らげるための、予防線ではないだろうか。

松井秀喜は、一野球選手にもどって、次の道を選択すればいいと思う。過去の栄光やキャリアは忘れて、もちろん年俸へのこだわりも捨てて、新たな道を選択すべきだろう。願わくば、現役を続けていただきたい。ま、伊良部みたいになれ、とは言わないが。

■後日談:ここ1、2年、松井は首になりやせんか、ひやひやしながら見る日々が続いているのである。これも楽しみ方の一つではあるが。

ランディ・ジョンソン300勝に寄せて その2|MLB

【2009年6月6日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

以下は、NPB,MLB1960年以降の200勝以上投手をその達成年別に一覧にしたものである。

200-2

例えば、1980年代初頭の時点に立ってこの表を見れば、「先発ローテーションの確立や、リリーフ投手の整備などによって、NPB,MLBともに300勝投手は幻の存在となった」という論調になっただろう。

しかし、MLBでは1984年にWスパーン以来23年ぶりにスティーブ・カールトンが300勝に達したのを皮切りに以後、Rジョンソンまで10人もの投手が300勝に達している。対するNPBは、84年の鈴木を最後に300勝投手は姿を消し、200勝投手でさえ90年代以降は4人にすぎない(野茂を除き)。

MLBでは長年、300勝投手は、1920年代までの投手に限られていた。この時代は、1人の大エースが八面六臂の活躍をして30勝、40勝を挙げていた。以後、半世紀近く300勝投手がほとんど現れない時代を経て、80年代半ば以降、突如として草創期以来の「大投手の時代」が出現したのだ。その原因は何なのか。

恐らくは、300勝投手たちがデビューした1960年代初頭以降、MLBの投手起用法、管理法が大きく変わったことが大きいのだろう。それは前述のローテーションの堅持や先発とリリーフの分業だけでなく、投球数の制限や、調整方法等の管理も含まれる。MLB球団は「投手の肩」という有限の経営資源を最大限に有効活用する方法論を、ここ50年ほどで確立したのではないか。

(もう一つの要因として、非常に有効な変化球であるナックルが使われだしたこともあるだろう。200勝以上の投手の中にナックルボーラーがかなりいる)

日本式の調整法にこだわる松坂とBOS首脳との対立は、なかなか決着がつかないようだが、BOS側が松坂に譲歩することはないだろう。それは、こうした背景があるからだ。

NPBは、MLBほど徹底した投手管理を行っていない。だから、200勝投手はしばらく出そうにない。阪神の久保田や藤川など、酷使の果てに燃え尽きそうになっている投手を見るたびに、これでいいのかと思ってしまう。

■後日談:大投手の時代がなぜ終わってしまったか、もう少し追求したい。

ランディ・ジョンソン300勝に寄せて その1|MLB

【2009年6月6日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

J-SPORTSのATLvsCHC戦中継が雨で延期(結局中止)になったために、ダイジェストだがランディ・ジョンソンの300勝ピッチを見ることができた。確かに往年の威圧感はやや衰えたが、3クオーターに近い位置から横の角度をつけて投げ込まれる球は迫力がある。それにコントロールもよくなったような。

この300勝の値打ちを知るために、日米の200勝以上投手のランキングを見てみたい。毎度長い表で恐縮である。

Rジョンソンは歴代で22位タイ、現役2位。300勝挙げればほぼ殿堂入りは当確といわれる。大記録である。

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MLBで300勝以上は24人、NPBでは200勝以上が同じ24人。MLBの球団数は30、NPBは12、試合数はMLBが162、NPBは144、歴史はMLBが130年、NPBが73年とスケールが違うから、200勝以上の投手数が違うのはやむを得ない。

しかしながら、NPBは、超長寿投手の工藤と山本を除くと、150勝以上でさえ西口しかいない。当面200勝投手は出てきそうにない。MLBに8人もの200勝投手がいるのとは好対照である。

MLBではここ50年の間に投手の起用法、メンテナンスの方法に大きな革命が起こっている。これが、この差を生んだと思う。

■後日談:今日時点でRジョンソンは、FAになっている。工藤と同様、現役にこだわっているのだ。注目したい。

日本人MLB選手の5月|MLB

【2009年6月2日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

期待のかかる選手が次々とDL入りし、日本人MLB選手の評価は下がったような気がする。しかし地味だがしっかり働いている選手がいるのも事実だ。

5月の投手陣。

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松坂は、次の試合で勝負は別として100球を投げて、QS程度の成績を上げないと、ローテが危うくなるかもしれない。突然1回だけ崩れる習性をどこまで治すことができるか。皆さんご指摘の通り、私も大輔は太いと思う。

BOSの他の2投手は非常に好調だ。岡島が「ここぞ」というピンチに投入するリリーバーなのに対し、斎藤は1回をきっちり抑えることを求められるセットアッパーだ。使い分けが明確だ。

今日は黒田が5回を投げてまずまずだったが、ダントツ地区トップのLADは黒田に無理をさせる気はないだろう。

地味だが高橋建さんは、しっかり役どころができたという印象だ。大家ともども、ローテの穴に先発の可能性があろう。

野手は憂鬱である。

200905-bat

今日のSEAは、1回のイチローの三進を返せなかったへぼ野球がすべてだが、イチロー本人は好調を維持している。バットの芯に当たっている。そんな音がしている。松井秀は、はっきりした悪いところがないのにぱっとしない。ホームランは出ているが、信頼感があるとはとてもいえない。7番が定位置なら、後半戦は若手にとって代わられる可能性があるだろう。デーモンが下り坂になり、A-RODがまだ爆発していないから、今、打つと目立つのだが。

ピネラは、福留の使い方を考えているようだ。スタミナ切れして段々に下降線を描くのを見越して、起用回数を絞っている。左投手のときだけでなく意識して休ませているのではないか。大したもんだと思うのは、そんな中で15も四球を選んでいることだ。

今月末には、城島、松井稼もそろってほしい。そしてイチローは2か月100本を目指してほしい。切に願う。

■後日談:来年、どれだけの選手がロースターに載るだろうか。高橋尚の顔を見ることはあるだろうか。

SEAもイチローも切ないなあ|MLB

【2009年6月2日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

今日は外に出ていて、ケータイでイチローの成績を追いかけていた。4の3から8回に1安打して5の4、でも2点リードして9回だから、万事休すか。アーズマは14試合連続で無失点だから、打席はまわらない、と思った。SEAファンには怒られるかもしれないが、9回裏LAAが同点に追いついて、延長でイチローに回ったら、彼は必ず本塁打で50本を記録するだろうと思っていたが・・・、9回3点取られてサヨナラ負け。

これが、今の調子に乗れないSEAの限界を表している。

マスコミの注目度は小さかったが、イチローは、絶対に月間50本を意識していたと思う。ここまで肉薄するイチローは、本当に大したものだ。

前に出した表だが、昨日のSTATSを入れて、改めて記しておきたい。

ichiro hits20090601

イチローは6月も50本を目指してほしい。そして、自身三度目の2か月合計100安打も視野に入れてほしい。

すでにこの時点で、68安打。昨年を上回っている。イチローのこの強烈なモチベーションは、どこから来ているのか、あきれるばかりだ。前途多難だが、イチローの復活をまずは喜びたい。

■後日談:50本はもう4年も出ていない。2010年こそ、再度50安打を記録してほしい。

日本人マイナー選手の5月|MLB

200961日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

昨日、大家が2年ぶりにMLBのマウンドを踏んだ。5回を投げて自責点3、防御率5.40。日本では「好投」という記事もあったが、さてどうだろうか。松井秀に2安打をプレゼントしたのは気前がよすぎるし、Cリー以外の先発が苦しい投手事情で、単に長く投げさせられただけのような気もする。目も覚めるような投球を見せないと、長くMLBにはいられないのではないか。

さて、5月の日本人マイナーリーガーのSTATSである。投手。

200905minor-pitch 

AAAでは大家は先発としてまずまずの成績を残している。この安定感が評価されたのだ。とくに5月からは安定していた。それ以上のSTATSを残していたのが井川である。5/29も好投した。それでもNYYでは上に声はかからない。蛇の生殺しという感がある。

薮田も最近AAA初勝利。藪は5/11以来投げていない。本人のブログを見たが、何が起こったのか分からない。前川は先発からブルペンに変わった。

田澤はAAでは通用することを証明しつつある。54.1回で54三振が光っている。日本人を母に持つブースは、セットアッパーとして投げている。

なお、春先までMLB目指して頑張っていた門倉健は韓国リーグSKワイバーンズで9試合に投げて3勝1敗、3.47。ローテに定着したようである。

野手はほとんど動きがない。

200905minor-bat

田口は4/16以来出場なし。故障ということだが、チームと帯同して動いている。これは何を意味するのだろうか?コーチ転向の話でもあるのだろうか?

角盈男の長男の一晃は5/13、AAのアーカンサスに落ちた。その試合で捕手として先発したが、以後は出場していない。お父さんのブログでは、一塁に転向しスイッチヒッターとして活路を見出すようである。左打席でホームランを打ったと書いているが、エキシビションだろうか?

6月からはルーキーリーグがはじまる。また独立リーグで伊良部や三沢も投げるはずだ。データを追いかけていきたい。

■後日談:アメリカ生活が2年目以上になる選手の多くは、息切れが見えていた。

先発投手の台所事情 各論|MLB

2009531日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

さて、先ほどお出しした表を作るために集めた各チームの先発投手のSTATS、眺めていると各チームの状況が浮き彫りになって面白いので紹介することにした。

長々とした表で誠に恐縮です。

MLBROTE02

この表を見れば、日本人先発投手の各チームでのステイタスがわかる。上原は早くも先発二本柱の一人だ。DL明けをBAL首脳は首を長くして待っている。川上は4本柱の一角になることを期待されている。6月に復帰が決まった黒田は、快調に首位を走るLADにとって、さらに勝ち星を上乗せする切り札である。そして、松坂は41歳のウェークフィールドがエースというBOSの状況で完全復活が切に期待されていることが分かる。

この他にも、SEAは三本柱が健在なのに4番目のシルバに固執しすぎたことが低迷の一因になっていること、NYYは投ではなく打で勝ち進んでいること、NYMはサンタナと他の先発が極端に差があること、などがわかる。

1コーナーをまわったペナントレースの状況が見えてくる表だと思うが、いかがだろうか。
■後日談:ずいぶん時間をかけて作ったデータがが労多くして反応少なかった。工夫が必要だ。

先発投手の台所事情 総論|MLB

2009531日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

シーズンの1/4強が終わって、そろそろ各チームの今年のトレンドがはっきりしてきた。MLBのみならず、NPBでもそうだが、先発投手はチームの成績を左右する大きなファクターだ。各チームの先発投手の状況がどうなっているか、チームスタンディングと関連付けて並べて見た。

MLBROTE01

MLBのローテーションはほぼ例外なく5人で回している。各チーム50試合前後を戦っているから、10回ほど先発し、50イニング以上を投げている。これで防御率3点台以下なら合格といえよう。

各チームが何人先発投手を起用しているか、規定投球回数に何人達しているか、その上で防御率3点台以下の投手が何人いるか、完投、完封は、という指標をならべてみた。

もちろん、野球には「打」のファクターも多いから、一面の数字ではあるが、起用した先発投手数が少ないチームが上位に来ている。ただ1チーム今まで5人で回しているMILは、NCの首位にいる。反対に先発投手が開幕からDL入りしたLAAやFLAは、10人の先発投手を起用、大苦戦しながら態勢を立て直してつつあることが分かる。

ナリーグとアリーグを比較すると、アリーグの方が打高投低だという傾向もわかる。

完投、完封の数字は、今のMLBではあまり意味をなさない。投手起用が、QS、100球を目途にしているからだ。ただKcの5完投2完封は、ザック・グレインキー一人の数字だ。またTEXは、ミルウッド、ハーリソン、マッカシーが完投を記録している。それだけの力量がある投手がいれば、チームは好調だ。

CLEでは大家が久しぶりにMLBに昇格したが、そこにはCリー以外に頼れる先発がいないというCLEの先発投手事情がある。先発に起用されないとしても、ロングリリーフでふがいない先発のフォローに回ってほしい、という考えがあるのだ。

6月からの活躍が期待される。

■後日談:ローテーションは、こういう形で見えるようにしていきたい。

岩村を2009年シーズンから弾き飛ばした男。|MLB

2009528日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

2006年のアマチュアドラフトで注目されたのは、投手でLホチェバーやBモロー、野手ではE・ロンゴリアだったが、5/25に岩村の今シーズンを終わらせてしまったクリス・コグランは、ロンゴリアに次ぐプロスペクトとして高い評価を得ていた。彼はドラフト1巡目、36位でFLAに入団した。


ロンゴリアとコグランはともに1985年生まれ、NCAAを代表する野手であり、同年にMLB機構に入団した。


ロンゴリアが並はずれたパワーで注目されたのに対し、コグランの持ち味はスピードだった。ただし、コグランはプロ入りしてから少し足踏みをしている。もともと捕手だったのが、俊足を生かすべく3塁、続いて2塁にコンバートされた。ややパワー不足が目立ち、昨年の時点ではAAにとどまっていたが、今年に入ってAAAで数字を残し、MLBに昇格した。FLAは貧打に苦しんでおり、コグランは外野を守ることになった。


ルーキーで、MLBに昇進したばかりで、しかもスピードを期待されている。ラフな走塁をする条件は揃っていたといえよう。MLBのニュースを見ても、直後には「岩村を2009年シーズンから弾き飛ばした」的な論調が目立った。しかし、コグランのプレーがそれ以上非難されることはない。プレーを見る限りでは、岩村のよけかたに問題があったとも思えない。交通事故のようなものだ。


マツドンやチームメイトの「岩村の代わりはいない」というコメントが唯一の慰めだ。今シーズンの楽しみが一つ減ってしまった。



■後日談:岩村は3ヶ月後には帰ってきた。幸運なことだった。コグラン(コフランと呼称してますね)は、162安打、.321、9本、47打点で見事なリーグ新人王になった。

岩村の悲劇、言葉もない・・・|MLB

2009528日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

TBは今年2月、アナハイム・エンゼルスやSTLのスター二塁手だったアダム・ケネディとマイナー契約をした。ケネディは開幕後もTBのAAAダーラムで23試合に出場したが、5/8OAKに移籍した。これはTBの二塁手は岩村でいく、という既定路線がさらに確固たるものになったことを意味していると思う。

しかし悲劇はそれから間もない5/25に起こった。FLO戦の8回、Cコグランの強いスライディングを受けて左膝前十字靱帯断裂で手術。順調に言っても全治8カ月だそうである。

岩村は、MLBに来てからも進化の後が著しい珍しい選手だった。今季でいえば、昨年よりも積極的な走塁が目立ち、すでに昨年と並ぶ8盗塁を記録していた。打率も3割を超え、BJアプトンに奪われた1番をうかがおうかという勢いだった。好事魔多しというが、あまりにも残酷だ。

短期的なDLであれば、ユーティリティのアイバーやブリニャックで二塁を間に合わせるだろうが、今季いっぱいとなると新たに二塁手を作らなければいけない。

TB傘下には以下の塁手がいる

 

AAA ダーラム 

■E・ジョンソン(ドラフト外)25歳

マイナー通算 668試合 52本塁打 140盗塁 .249

■M・ホール(2008ドラフト9巡293位)22歳

マイナー通算 107試合 5本塁打 10盗塁 .239

AA モンゴメリー

■D・アンダーソン(2004ドラフト13巡378位)26歳

マイナー通算 547試合 30本塁打 52盗塁 .259

■C・スアレス(ドラフト外)25歳

マイナー通算 426試合 23本塁打 60盗塁 .275

A+ シャーロッテ

■D・ルイス(ドラフト外)22歳

  マイナー通算 48試合 0本塁打 11盗塁 .215

プロスペクトと呼べる選手はいないが、マット・ホールあたりが呼ばれて穴埋めをするのだろう。通用しなければ、他チームから持ってくる。いずれにしても腰かけではない選手が二塁を我が物とするはずだ。

来季、岩村が復帰したとしてもTBの二塁が空いているとは限らない。チーム事情に合わせて水準以上の仕事を積み重ねてきた岩村だが、代わりの選手がいないというほどの成績は残してこなかったから、一からポジション争いをしなければならない事態も考えられる。最悪は、井口のようにジャーニーマンになってしまうことだ。

折角、こつこつと築いてきた実績=信頼が、自分では何ともできないアクシデントで失われてしまった。わがことのように残念である。

以後も城島、上原とDL入りの選手が続いている。今年は、日本人MLB選手にとって大きな転機になっている気がする。

■後日談:もう昔話になってしまった。TBのセカンドはユーティリティのゾブリストが大躍進して埋め、岩村は乞われてPITに移った。幸あれと願う。

剛腕クルーンの晴れ姿|NPB、MLB

2009525日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

クルーンは一度見たら忘れられない投手である。今年3月の台湾戦では、エキシビションマッチにもかかわらず、入れ込み方が半端ではなくワンバウンドを連発していた。台湾の打者はそんな速い球を見たこともなかっただろうが、そういう相手にでも全力投球する投手なのだ。

STATSを見てみると、クルーンは相当苦労していることが分かる。

kroon

1991年のアマチュアドラフト2順目全体順位72番目でのNYM入りだから、それなりに期待された人材だったことは分かる。同期にはマニー・ラミレスがいる。ノマー・ガルシアパーラも同期だが5巡目131番目である。

当初は先発一本だったが、速球を生かせない投球が続いた。それでも4年目にはMLBに昇格し、短いイニングを投げるも通用せず、以後はセットアッパー、クローザーに転向するが、MLBに定着できない日々が続いた。当初はそれなりにコマンドが利いた球を投げていたのだが、次第に四球も増えてくる。一度は肘を痛め手術をしているが、それでも球速は衰えず、しばしば100マイル近くを投げたため、多くの球団からお呼びがかかった。NYM-SD-SEA-LA-ANA-COL。しかし結局MLBでは実績が残せず14年の歳月が経った。2004年にはAAAでクローザーとして実績を残すものの、MLBでは通用しなかった。ハイスクールを出たばかりの少年は32歳になっていた。

そのクルーンにとって、NPB行きが大きな転機となった。YBの牛島監督や最晩年の佐々木主浩の指導で速球を活かす投球術を身に付け、クルーンはクローザーとして自己を確立したのだ。以後のSTATSは、まさに一級品である。クルーンは日本へ来て完成した投手だと言っていいだろう。彼の公式サイトには日本への感謝の気持ちが表れている。

NPBでもクルーンは依然欠点が多く見える投手である。しかし、その一方で名前がアナウンスされると球場がどよめく数少ない投手でもある。打者が来るとわかっていて打てない球を投げる稀有な投手である。おそらくは今のクルーンならMLBでもそれなりに通用するのではないか。

ここにもNPBとMLBが単なる上下関係ではなく、相対的で複雑なものになっていることが見て取れる。

■後日談:クルーンこそは、一見の価値のある投手だ。まるで高見盛のように、入れ込んでマウンドに上がって、とにかく思いきり投げようとする。捕手は「どーどー」となだめるのだ。こういう熱い投手、日本に少ない。

松坂はシェフにやられた|MLB

2009522日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

NYMの監督ジェリー・マニエルは、松坂先発が決まった時点でシェフィールド4番を決めたのではないだろうか。5/13~16まで4試合連続でマルチヒットを打って打率を.250台に上げたものの、衰えが目立ち、前日は先発を外れていたシェフだが、とにかく日本人先発投手にはめっぽう強い。松坂との対戦も、この試合の前までで12打数6安打。

松坂は、相変わらずの大雑把なコントロールだったが、速球が速かったのと適度に荒れていたので、対戦数の少ないNYMの打者は攻めあぐねていた感じだった。

しかし、昨年までアリーグにいて松坂をカモにしていたシェフは違った。甘く入った初球を思い切って振りぬいて、グリーンモンスターの上まで運んだ。バットの先っぽだが、スイングの速さで持っていった感じ。爽快な一発だった。

NYMの面々は、比較的早打ちでもあったので、3回まではシェフの一発以外は無難に抑えていた松坂だが、二巡目につかまる。4回1死後ベルトランに二塁打を打たれてシェフ。歩かせるような状況ではないのだが、相変わらずフルスイングをするシェフィールドを過度に警戒して歩かせてしまった。この対戦、松坂は攻めていなかった。こうしてランナーがたまって大量失点をした。併殺崩れの不運はあったがこの回4点。いつもの松坂である。

対照的だったのがサンタナだ。何度も対戦しているBOSは毎回のように好機を作った。打てない投手ではない。しかしサンタナは状況がどうであれ基本的に動じない投手だ。セットからでも同じように球威のある球を、コマンドを利かしてずばずば投げ込んでくる。ランナーを背負っても攻めの姿勢は小揺るぎもしない。これが、MLBトップに君臨する投手の真価だと思った。

松坂の敗戦は残念だったが、シェフィールド、サンタナといいものを見せてもらった。それからリードはいい選手だなあと思った。

今季初登板と同じ5回で降りたが、松坂の状態ははるかに良くなっているように思った。あとは失っている自信を取り戻して、攻める姿勢を取り戻せばV字回復は可能ではないかと思う。

■後日談:これ、名勝負だと思うのだ。情念の男、日本人に異様な敵愾心をもつ男シェフィールドが、松坂の再起を阻んだのだ。

アブレイユまだ0本!|MLB

2009522日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

昨日、ようやくオルティーズに今季初本塁打が出た。昨日のMLB公式サイトではトップで報じられていた。数年前までのリーグ最強打者だっただけに、みんなで固唾をのんでいるような感じだった。

ところで、もう一人本塁打が出ずに悩んでいる大ものがいる。今季NYYからLAAに移籍したボビー・アブレイユである。昨年9/18に2本塁打を放って以来、40試合165打席にわたって一発が出ていない。この打者はクレバーさが売り物で、一発を狙わずに状況に応じたバッティングをすることで知られる。しかし、2005年のオールスターの本塁打競争を新記録で勝ち抜いたことでもわかるように、飛ばす力はトップクラスである。

今、両リーグ規定打席以内の0本塁打、1本塁打の打者を挙げてみる。

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アブレイユの本塁打率は松井秀とほぼ同じ。ハワードは8%、A-RODやプホルスは7%だからそれよりはかなり低いが、それにしても0本塁打は深刻である。他の多くの0本打者は短距離打者なだけに、その不発ぶりが際立つ。

アブレイユの打率は.300を超えているが、打点は物足りない。往々にしてこういうケースでは、1発が出ないとシーズンの深まりとともに打率も下降して、大不振に陥るパターンが多い。本来なら中軸を組むゲレーロも4/15以来出場していない。LAAは投手だけでなく打撃も半身不随状態なのだ。

今日は欠場したアブレイユだが、明日のSEA戦で何とか第一号を、と考えているのは間違いがない。

■後日談:アブレイユは、本塁打は松井の半分だったが100打点を挙げて地区優勝に貢献し、年俸をアップさせてさっさと契約した。体型に似ずスマートな男である。
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最近メディアからいろいろお話をブログにいただくようになりました。迂闊なことに、殆ど対応できていませんでした。ご連絡は下記までお願いいたします。

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広尾晃と申します。

ライター稼業をして、かれこれ34年になります。

2009年1月に、SportsNaviで「MLBをだらだら愛す」というブログを開設、12月には「野球の記録で話したい」を開設。多くの皆様にご愛読いただきました。2011年11月、livedoorに引っ越し。基本的な考え方は変わりません。MLB、NPBの記録を中心に、野球界のことをあれこれ考えていきたいと思います。多くの皆様に読んでいただきたいと思いますが、記録や野球史に興味と尊敬の念を持っていただける方のサイトにしたいと思います。特定の球団のファンの方も大歓迎ですが、「ひいきの引き倒し」的な論調には与しません。

広尾晃はペンネーム。本名は手束卓です。ペンネームは、小学校時代から使っていました。手束仁という同業者がいるので、ややこしいのでこの名前で通しています。ちなみに手束仁はいとこです。顔もよく似ています。
私が本名を隠しているかと勘違いして、恐喝のようなコメントを送ってくる犯罪者まがいがいるので、あえて公表します。


2012年11月「クラシックSTATS鑑賞」を独立したサイトにしました。

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