【2009年1月26日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】
言うまでもないが、得点圏打撃成績とはスコアリングポジション(安打1本で1点入るシチュエーション、二塁以上にランナーがいる状況)でのSTATSである。
これは公式記録ではなく、あくまで参考記録ではあるが、同じ打撃成績ならば、無走者や1塁で良く打つ打者よりも、得点圏で打つ選手の方がチーム貢献度が高い。
イチローは、勝負強いとか、最近弱くなったといわれるが、本当のところどうなのか、調べてみることにした。参考までに、当代MLBの最強打者の一人で、イチローとMLB同期のアルバート・プホルス(セントルイス)の記録も並べてみる。

まず注目すべきは、2001年MLBデビューの年のイチローの得点圏での恐ろしい数字である。打率.445、そして何と、OPSは1.046。プホルスよりも上だったのだ。また、得点圏のOPSは、自身のレギュラーシーズンのOPSよりも24.8%も高い。たった1本塁打でこの数字なのだ。
これは凄まじい。一番バッターでありながら、この年のイチローは、得点圏にランナーを置くと、リーグ最強の打者に豹変したのだ。翌年、四球数が倍増したのは、「イチローは怖い」という定評ができたからだろう。
以後も、イチローは2005年までは、OPS0.850以上の好成績を残している。進境著しいプホルスは、2002年以降凄まじい勢いでチャンスOPSを上げていく。これは本塁打に加え、四球が増えて出塁率が上がったからだ。イチローは、さすがにプホルスには引けを取るものの、屈指のクラッチヒッターとして活躍してきたのだ。
しかし、2006年以降の3年、イチローの得点圏での打撃成績は乱高下している。2006年に限れば、イチローはチャンスに弱い打者だった。打率もOPSも最低だった。これはWBCの影響かもしれない。
2007年は最後までデトロイトのオルドニェスと首位打者争いをした年で、チームも久しぶりに2位となったが、得点圏での打撃成績も再びぐんと上がっている。打点は過去最高だ。
が、2008年、また勝負弱いイチローが出てきた。OPSも低いが、打点は最低だった。モチベーションが維持できなかったのか、とも思えるが。
2009年は、今後のイチローを占う上で、重要な年になるかもしれない。前々回に紹介した守備成績、そして得点圏での不振が、衰えの兆候なのか。それとも単なる「裏年」だったのか。2回目のWBCは、MLBのレギュラーシーズンから考えるとマイナスのファクターになる可能性があるが、何とか乗り越えてほしいと思う。
■後日談:イチローは、まさにマイナスファクターを乗り越えた、プホルスはWBCに出ず、さらにすごいSTATSを残した。2人ともに偉大だと思う。
言うまでもないが、得点圏打撃成績とはスコアリングポジション(安打1本で1点入るシチュエーション、二塁以上にランナーがいる状況)でのSTATSである。
これは公式記録ではなく、あくまで参考記録ではあるが、同じ打撃成績ならば、無走者や1塁で良く打つ打者よりも、得点圏で打つ選手の方がチーム貢献度が高い。
イチローは、勝負強いとか、最近弱くなったといわれるが、本当のところどうなのか、調べてみることにした。参考までに、当代MLBの最強打者の一人で、イチローとMLB同期のアルバート・プホルス(セントルイス)の記録も並べてみる。

まず注目すべきは、2001年MLBデビューの年のイチローの得点圏での恐ろしい数字である。打率.445、そして何と、OPSは1.046。プホルスよりも上だったのだ。また、得点圏のOPSは、自身のレギュラーシーズンのOPSよりも24.8%も高い。たった1本塁打でこの数字なのだ。
これは凄まじい。一番バッターでありながら、この年のイチローは、得点圏にランナーを置くと、リーグ最強の打者に豹変したのだ。翌年、四球数が倍増したのは、「イチローは怖い」という定評ができたからだろう。
以後も、イチローは2005年までは、OPS0.850以上の好成績を残している。進境著しいプホルスは、2002年以降凄まじい勢いでチャンスOPSを上げていく。これは本塁打に加え、四球が増えて出塁率が上がったからだ。イチローは、さすがにプホルスには引けを取るものの、屈指のクラッチヒッターとして活躍してきたのだ。
しかし、2006年以降の3年、イチローの得点圏での打撃成績は乱高下している。2006年に限れば、イチローはチャンスに弱い打者だった。打率もOPSも最低だった。これはWBCの影響かもしれない。
2007年は最後までデトロイトのオルドニェスと首位打者争いをした年で、チームも久しぶりに2位となったが、得点圏での打撃成績も再びぐんと上がっている。打点は過去最高だ。
が、2008年、また勝負弱いイチローが出てきた。OPSも低いが、打点は最低だった。モチベーションが維持できなかったのか、とも思えるが。
2009年は、今後のイチローを占う上で、重要な年になるかもしれない。前々回に紹介した守備成績、そして得点圏での不振が、衰えの兆候なのか。それとも単なる「裏年」だったのか。2回目のWBCは、MLBのレギュラーシーズンから考えるとマイナスのファクターになる可能性があるが、何とか乗り越えてほしいと思う。
■後日談:イチローは、まさにマイナスファクターを乗り越えた、プホルスはWBCに出ず、さらにすごいSTATSを残した。2人ともに偉大だと思う。