野球の記録で話したい

Baseball Stats Lounge

バスケスNYYに出戻り|エピソード2009-18

やはりNYYは、チェンバレンの伸び悩みに手を打った。2004年にNYYのローテーションの一角を担っていたハビア・バスケスを、メルキー・カブレラらとのトレードで獲得した。

Javier 

この投手はカーブを武器とし、非常にタフで故障しないことで知られるが、2008年まで負け越していた。モントリオール・エキスポズという弱小球団に長くいたからだが、NYY、CWSと弱くないチームに移っても勝ち負けがトントンだった、

とにかく被打率が常に高く、四球も出す。特にピンチで打たれるケースが多いために勝敗が拮抗してしまうのだ。2004年のNYYでは14勝を挙げたものの防御率4.91は合格とは言えず、翌年残ることはできなかった。

しかし、2009年はATLでエース級の働きをした。特に被打率が下がり、ピンチを作る回数が減ったことがあらゆるSTATSを上昇させた。(しかしまだ10敗しているが)

NYYは、CC、バーネット、ぺティットに次ぐ4番手をこれで用意した。ジョバは9勝したものの、結局独り立ちしたとはいえない。間に一枚はさむことにしたということだろう。

それはそうと、NYYにずっといるような印象のあったメルキーが移籍したことは、少なからずショックだ。躍動感のある動きと鉄砲肩のセンターの守備は楽しかっただけに、見る機会が減るのはさびしい。仲の良いカノもショックだろう。奮起を促したい。

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イチロー、守備は衰えていないか|日本人MLBプレイヤーの2009-15

最後に守備のSTATSを子細に見てみよう。守備位置についたイニング数(INN)、総守備機会(TC)、守備率(F%)、レンジファクター(RF)、ゾーンレイティング(ZR)は、MLB全体での順位を表示した。

ICHIROF 

守備の評価は、守備範囲の広さと確実さで知ることができる。1つ1つの評価基準は必ずしもその選手の守備能力を正確に表しているとは言えないが、いくつかの指標をトータルで見るときに、おおよその守備力はわかる。

イチローは、どの数字でも常にリーグ上位にいる。ライトでもセンターでもリーグ屈指の存在であるのは間違いがない。ゴールドグラブを9年連続で受賞したのも当然だと思う。

2009年は数字的に見ればやや陰りが見えたように思われるが、この程度の下落では衰えたとまでは言えない。ゴールドグラブはSTATSだけでなく、プレーの姿や相手に対する威圧感なども評価基準になっている。イチローはそうした総合力で選ばれたのだと思う。

ただ気になるのは、昨年ころから集中力を欠いているのではないか、と思えるような失策がごくたまに見られることだ。これが衰えだとは思いたくないが。

数字だけで見れば、ネルソン・クルーズ(TEX)や、秋信守(CLE)は、イチローを上回っている。2010年は数字的にも上回る成績を残してほしいものだ。

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中日が獲得した4人の外国人|エピソード2009-17

「2010年は大幅な補強はしない、選手個々の成長で戦力をアップさせる」落合監督の方針だそうだ。この監督は有言実行で、実績を残してきたから来季も期待できるだろう。

外国人選手の獲得でも、MLB選手を3人獲得した阪神とは対照的に、独自路線を歩んでいる。

今季は、以下の外国人選手を獲得した。

CD-01

セサルはスイッチヒッター。2009年はメキシカンリーグ(AAA)で盗塁王を獲得した。

CD-02
成績を見る限りAAAでは通用していない。

さらに2人と育成枠で契約した。ともに年俸4万ドル。

CD-03

へススは、2年間CLEのルーキーリーグでプレーしたが、2009年はどこにも所属していない。サンタマリアは、ドミニカのMLB参加のルーキーリーグ。PHI、WSN、TB傘下でプレーした。

すべてドミニカにMLBが設けたアカデミー出身の選手だ。2009年40歳になったタイロン・ウッズを放出して獲得したトニ・ブランコは、MLBでの実績は56試合しかなかったが.275 39本110打点とウッズの穴を十分に埋める活躍をした。このブランコがドミニカのアカデミー出身であることから、今回4人の契約を進めたようだ。

最近、このドミニカのアカデミーは、高い評価を受けている。基礎的な体力増強と基本に忠実な野球を教えるからだ。

4人で58万ドル。安い投資である。恐らくはSTATSではなく、人間性や身体能力などを判断して採用したのではないか。「MLBで○○を誇る」みたいな実績はないが、一生懸命のプレーが期待できよう。セサルなどは、シュアなバッティングでいい成績を上げるのではないか。

巨人のオビスポも、ドミニカ出身でMLBのキャリアなし。この春に東京ドームで見たときは、球は速いが非常に不細工なフォームで、通用するはずはないと思ったが、後半ブレークして最後は先発の一角を担うまでになった。前向きで一生懸命な性格が、急速な成長につながったのだろう。

NPBの外国人選手獲得は、MLBでの実績などではなく、選手個々の総合的な「伸びしろ」で判断する時代になったようだ。

 

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イチローの足が気がかりだ|日本人MLBプレイヤーの2009-14

実は、結構気合をいれて、イチローの状況別STATSを表にしていた(表作りは楽しい!)。しかし、出来上がってみると、とても出せるものではないと思った。

結論だけ記しておく(2001年からの通算記録)。

 ナイトゲーム.330 デーゲーム.338

 ホーム.334 アウェイ.331

 右投手.328 左投手.344

 満塁.427 リードされて.328 得点圏.340 2死得点圏.353

 無走者.331 有走者.336

 ライトを守って.332 センターを守って.332

 オールスター前.339 オールスター後.325

まさに金太郎飴状態。どんなシチュエーションでも3割を軽く超す打率。ここから見えるのは、近年ますます穴がなくなってきているということだ。円熟味を増したと言っても良い。

2009年で一番気がかりなのは、8月の故障以降、足が止まっていることだ。復帰した9月1日以降、イチローはSB2CS1、3Bも1本しかない。こと走塁に関しては消極的になっているのだ。

イチローの盗塁に関するSTATSを出す。

 ICHIRO-SB

MLB移籍以来、常に盗塁王をうかがう数字を残してきたイチローだが、2009年ほど盗塁王に水をあけられた年はない。今年はクロフォード、続いてエルズベリーが春先にすごいスタートダッシュをしたために、追いかける意欲が減退したという部分はあるが、やはり秋以降のトーンダウンが響いている。

イチローだけではないが、盗塁と言うSTATSは、選手の意識が大きく影響する。その意欲は盗塁成功率ではなく企図数に表れる。2009年の1試合当たり企図数は.240、MLBに来てから最低だった。NPBでの最後の3年間は恐らくイチロー自身のモチベーションが下がっていたために、企図数は非常に少なかった。MLBに来て1年目に急速に増えるが、以降20%台後半にとどまってきた。2009年は8月に故障するまで.297だったのが、それ以降急落して最低の数字になった。

「これ以上故障してはいけない」と自重する気持ちが働くのは当然のことだ。しかし、多くの大選手は、盗塁や3塁打の数が減るとともにSTATSが下降していったものだ。

内野安打が減るなどの直接的な数字だけでなく、足を気にするあまり、積極性が失われることが大きいのではないか。ひいては、守備の積極性にもつながるのではないか。足の衰えは、モチベーションの減退につながりかねないのだ。

来季のイチローで注目したいのは、春先にどれだけ走ることができるかである。いつもの年同様に、塁上で油断も隙もない姿を見せてくれれば、我々もほっと胸をなでおろすだろう。

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イチローはどのチームに強いのか?|日本人MLB選手の2009‐13

イチローはSEAを除くMLBの全てのチームと対戦している。29チームとの年度別の打撃成績は以下の通り。(大きな表ですいません)

ichiro20091221-01

果たしてどのチームに強いのか、どのチームに抑え込まれているのか。調べてみて、拍子抜けがする思いだ。イチローは毎年対戦するアリーグの全てのチームから通算3割以上打っている。ナリーグの16チームとの対戦でも10チームから3割以上打っている。苦手はほとんどないのだ。通算記録で見れば、アリーグでは弱いチームほど打率が高い。

今年に限れば、NYY戦で打ちまくっていた。これがシルバースラッガー賞を取る上でプラスに働いたのではないだろうか。

ここから見えてくるのは、イチローが特定の投手への攻略法を用意して打席に立っているのではなく、あらゆるチームのすべての投手に対してニュートラルで対峙し(もちろんRHP、LHPなどの対応はしているだろうが)、来た球をはじき返しているということだ。

実は、MLBとNPBの野球の最大の違いはここにあるのではないか、と思っている。これについては、いずれしっかり考えたいと思うが、少なくともイチローは日本的な「対戦相手を研究する」戦略ではなく、純粋にヒットを打つ技術で記録を生み出している。

ところで、ナショナルリーグのSDとSEAは、インターリーグで毎年対戦している。最初はESPNのミス(結構ある)かと思ったのだが、他のデータでも同様だった。この2チームはシリーズを組んでいるのだろうか?ご教示いただければ幸いだ。

 

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プロ野球の企業努力の一端を表すランキング|野球史

全く違う視点から野球の数字を語ってみたい。

IT関係の仕事をしている人は、Alexaというサイトをご存知かと思う。Amazonの子会社だが、サイトのアクセス数を調べて世界と国でのランキングをつける。ネット広告を打つ人には必須の道具だが、これでプロ野球の公式サイトを測定してみた。

http://www.alexa.com/

NPB球団の企業努力ランキング 

率直にいえば、なーんだ、という数字だ。一番高い巨人でも日本で1000位以下。人気稼業にしてはずいぶん低いのである。一般に5000位以上のサイトには、広告出稿価値があるとされるが、日本有数のプロスポーツであるプロ野球チームにしては大した数字ではない。

サイトのアクセス数を上げるためには、SEOなどの努力をするほかに、メルマガやリンクなど小まめな手入れが必要だ。何より、ユーザーのために日々更新し、充実した情報発信をしなければならない。言わば店を切り盛りするような努力が必要なのだ。

ランク下位の球団の顔触れを見ていると、さもありなんという気がする。

参考までにMLB、NPB、KBOの公式サイトも調べてみた。NPBは予想外にランクが高かったが、MLBにははるかに及ばない。

MLBのサイトは、その中に各球団の公式サイトを包括している。そして、ネットTVやEC、メディアなどの様々なビジネスモデルを展開、アメリカで最も成功し、収益を上げているサイトの一つに数えられる。NPB球団の公式サイトの中には、MLBの日本でのランキングよりも下のものがある。これをどう考えるか。

KBOは、まだサイトがあるだけという感じだ。

NPBは資金不足だの、採算制だの言っているが、これだけすごいコンテンツを持っていながら、ほとんど努力をしていないことが分かる。MLBへの人材流出を心配して障壁を作るよりも、このあたりから改善する方が良いと思う。

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マリナーズの捕手は万全か?|エピソード2009-16

ブラッドレーの獲得によって、残るはブラニャンに蹴られた1Bの補強だ、という意見がたくさん出た。間違いないところだが、私はそれ以上の危急の課題が捕手ではないかと思っている。
ロブ・ジョンソンが城島とのポジション争いに勝って、正妻の位置(変な表現だが)を得たことになっているが、そもそもSEAは、ロブ・ジョンソンに2010年のホームベースを託するつもりなのだろうか。不安いっぱいだと思うのだが。
まず、ジョンソンは出場できて110試合だと思う。必ず、力が拮抗したサブが必要だ。そして捕手ほどSTATSが不安定な野手はいない。たかだか1年投手の信頼を得たからと言って、翌年以降も安泰だとはとても言えない。怪我故障も多いうえに、打撃不振が捕手成績に影響を与えることも良くあるのだ。また新加入のクリフ・リーとの相性も未知数だ。
2009年のSEA捕手陣である。

SEA-000

今、ロースターにはジョンソンとムーアの2人しかいない。(マイナーに新加入のアルフォンゾ)。ジョンソン、ムーアともにSEAの生え抜きで、NCAAのエリート捕手として入団(ジョンソンは6順目、ムーアは4順目)。ムーアは、ジョンソンの後を1年遅れで追いかける形で昇進してきている。しかし僅か6試合のマスクでは、何とも言えないのが実際のところだ。

SEA-02
昨年、MLBを通じて最も多くの試合に出た捕手はSTLのYモリーナ(イニング数ではLADのマーティン)。138試合に出ているが、120試合以上は9人しかいない。LAAのナポリ、マシスにように2プラトンのチームも多いのだ。もっとも春先までSEAのレギュラー候補と言われたバークのように、捕手としての能力が低すぎるのはNGだが。
2009年のSEAの捕手陣は、城島自身のモチベーションの問題や年俸格差を考えなければ、決して悪いラインナップではない。バッティングが良くて肩が抜群の捕手と、リードが良く投手の信頼が厚い捕手がいたのだから。
SEAは、経験豊富で打力にもそこそこ実績のある捕手を獲得することになるだろう。動きの鈍いストーブリーグ、決定するのはかなりあとだろうが。

ご指摘があり、12月14日にSDのエルザー・アルフォンゾと契約していたことを見落としていました。STATSを追記します。

SEA-03
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イチローはなぜ早打ちなのか?|日本人MLB選手の2009‐12

1打席あたり投手に投げさせた球数、イチローは2009年3.749。アナ両リーグの規定打席に達した打者152人中で108番目だった(1位はJワース4.506)

相変わらず早打ちの部類に入る打者だ。なぜそうなのか。カウント別のSTATSを調べてみて、ある程度わかったことがある。

イチローの初球と2球目まで(1、2球)を打ったときのSTATS。(2001年のSTATSは入手できず)

20091220ICHIRO-01

驚くべきことに、イチローは、全打席の3割で、2球目までの球を打っている。それでも、2002年当時より少し減っている。初球を打つ率は半減している。さらに驚くのは、2球目までを打った時の打率の高さ。通算で.380を超えているし、2009年は4割超である。

20091220ICHIRO-03

それ以外のSTATSと比べると、イチローの打撃特性は際立ってくる。初球、二球目の成績を差し引くと、イチローは通算打率で3割かつかつの打者になってしまうのだ(それでも立派な記録だが)。

イチローが早打ちなのは、そしてそれをやめないのは、初球、2球目を打ったときに圧倒的に良い結果が出ているからだ。多くの投手はそれを知っているから、初球に好球を投げることはほとんどない。にもかかわらず、打率4割を超しているのはまさに驚異的だ。

なぜそうなのか?我々には全く分からない。ただ、イチローの集中力が投手との緒戦に異様に高まることはうかがえるのだ。

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ヤンキース、マリナーズの?|エピソード2009-15

NYYとSEAが立て続けに野手を買った。偶然にも同期で同い年。しかし、まったくキャラクターは違っている。

Nick20091219

まず、NYYはwsnのニック・ジョンソン。もともとNYY3順目で入った野手で、名手ラリー・ボーワの甥としても知られる。1Bだが、DH含みということらしい。この打者は選球眼がトップクラスで通算で4割に近い。守備も良かったのだが、故障続きでまともにシーズンを働いたことがない。長打力もそれほどないし、通算打率も.269である。実績的には大したことはないが、年俸は今季550万ドル。NYYでも同額のようだ。31歳。一部マスコミは松井の後釜と報道しているが、ちょっと違うように思う。DHに入ることはあると思うが、ニック・ジョンソンはあくまでサブで、タシェアラの保険。調子が良ければ起用回数が増えるという存在ではないか(その割に年俸が高いのは事実だが)。順調に行っている時にけがをすることが多いなど、この選手はあまりにも「運」がなさすぎる。

そしてSEAは、CHCからミルトン・ブラッドレー。

bradley20091219-1
 

ニック・ジョンソンと同じ31歳。MNTの2順目で入った・こちらも出塁率はトップクラス。フルシーズン働けば3割30本塁打は固いところだ。外野手。守備もいいし、足も速い。しかし、この選手はまともにシーズンを全うしたことがほとんどない。しかもMLB10年で8チーム目だ。原因はなにか?ブラッドレーは、シドニー・ポンソンと並ぶ当代屈指のトラブルメーカーなのだ。チームメイト、ファンとの暴力沙汰数知れず。そのうえ、生活が乱れているからコンディション不良のときが多い。こんな選手がイチロー、グリフィ、そしてフィギンスらとラインナップを組む。ちょっと考えられない。シルバ放出の見返りだそうだが、CHCにはほかにも人がいたろうに。SEAはブラッドレーとなんと3年契約。それにシルバの年俸残額のかなりの部分を負担するそうだが、それなら少々高くてもアルフォンソ・ ソリアーノの方が良かったと思う。

フィギンス、クリフ・リーとヒットを飛ばしてきたズエンシックだが、この買物は相当やばいはずだ。

ともあれ、これでジョニー・デーモンの立場はますます苦しくなった(昨日の報道ではデーモンはSEAに移籍の可能性が取りざたされていた)。

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吉村茂夫さんの死|野球史

「よしむら~!お前もダイエーに買うてもらえー!」罵声を背に受けて、南海電鉄社長、南海ホークスオーナーの吉村さんは、大阪球場のグランドに上りスタンドに頭を下げた。白髪が目に焼きつくようだった。
横には監督の杉浦忠はじめナインが帽子をとって頭を垂れた。無念の思いがにじみ出ていた。
当時、南海電鉄は、私のクライアント筋だったが、ホークスを身売りした吉村社長はどうしても許しておけないという気持ちになった。
この人の実家は和歌山の「日本城」という酒蔵だった。この酒だけは絶対に飲むまいと思った。

隣に背の高いホテルが建ち、その仕事もするようになった私は、最上階のレストランから何度も大阪球場を見降ろした。見るたびにひと固まりの切ない思いがこみ上げてくるのを抑えられなかった。
今は使われなくなったグランドは、やがて住宅展示場となり、長くさらしものにされたが、商業施設が建って、跡かたもなくなった。
ずいぶん時間がたってから、ミナミで吉村さんが一人で歩いているのに遭遇したことがある。
ほとんど本気で、私は吉村さんに歩み寄り「なぜ売った」と詰問しようと思ったが、近付くと、見知らぬはずの私に吉村さんは軽く会釈をした。それは小柄な白髪の老人にすぎなかった。

12月9日、吉村茂夫さんは91歳で逝去。「行ってまいります」と大阪を後にした最後の南海監督杉浦忠も今はなく、野村克也も現役を退いた。
20年以上前に、こんなことがあった、と誰かに言っておきたい気がして、昔話を書いてみた。

こんな新聞が出てきた。南海最後の年である。

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イチロー、最多安打の価値|日本人MLBプレイヤーの2009-09

2009年シーズン前も似た表を作ったが、過去12年間のMLB安打数20傑である。

20091219ICHIRO-01

1998年からにしたのは、イチローの登場以前の状況もある程度見ておきたかったからだ。

気がつくのは、最多安打数争いの顔触れは、イチロー以外は毎年ほとんど入れ替わるということだ。辛うじてマイケル・ヤングが少し絡んでいるが、3位以内でイチローと争ったのは3年連続に過ぎない。最近は下位に沈んでいる。

普通の打者は、調子が良くて怪我がなかった年には安打数200本に及ぶが、それが毎年続くことは稀だ。前年の疲労やアクシデントなどで落ちるのが当たり前なのだ。試合数の多いMLBであっても、200本と言う安打数は、実力に加えてコンディションと運が伴わなければ達成不可能。ましてや連続は至難なのだ。

イチローは、2001年のデビュー以来、200本安打を打ち続けているばかりではなく、9年間ランキング3位以下に落ちたことがない。稀有の記録と言うほかはない。

イチローのシリーズの1回目で、ライバルとしてデレック・ジーターをあげたが、それは過去12年間に何度安打数ベスト20に入ったかを見てもわかる。

20091219ICHIRO-02
イチローは9年連続だが、ジーターは12年間に10度ベスト20入りしている。もっともかなり下位のときもあるが。

シーズンを通して元気で、ほとんど欠場せずに安打を量産するという点では、ジーターとイチローが傑出していると言えるだろう。

表にはしていないが、それ以前の安打数の記録も見てみた。ここまで集中的に安打を量産している選手は皆無だった。

毎年、イチローは200安打を打つことを目標としている。個人的な記録達成を目標とする選手は、過去にもまれだと思う。それが「チームではなく個人優先」だとか、「記録優先」だとか批判の的になるのだが、他にこんな高いレベルの目標を掲げて毎年達成している選手はMLB、NPB通じてほとんどいない。

そういえば、昨日の広島東洋カープの入団会見で2位入団の堂林翔太が「右打者での200本安打」を目標として宣言していた。しかし、本人も周囲も、その実現性については本気で考えていないのではないか。シーズン200本を打つには、どんな準備が必要か。体調管理は?投手への対応策は?

オリックス時代、イチローは130試合制で210安打を打ったし、今年も148試合出場で228安打を打っている。「まさか」と思えるような数字を実現してきているのだ。

当たり前のように打っているから大して驚かないが、我々は史上に残る選手と同時代をともにしている。

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クリフ・リーSEAの一員に|エピソード2009-14

今年のSEAは、ストーブリーグでは主役の一人と言ってよい。打のフィギンスに続いて投のクリフ・リー。各チームの財布のひもが固い中で、任天堂マネーがものを言っているのではないか。

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クリフ・リーは、MTLに4順目で入り、マイナー時代にCLEに移籍して順調に出世、5年目からはローテーションの一角を守ったが、勝ち負けが拮抗する投手だった。スタミナはあるものの、被本塁打率が1.5前後。フライを打たせる投手だけに、失投も多かった。それが、大不振だった2007年を契機に大きく投法が変化して、安定感のある投手となった。今季はシーズン途中に移籍したために成績がわかりにくくなっているが、被本塁打率は低いままだ。22勝を挙げた2008年は、打たせてとる技術が光っていた。

現在のSEAの投手陣にリーを入れてみる。

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SEAの投手陣は、昨年、ずいぶん苦労していたことが分かる。リーが入ったところで、先発ローテーションはまだコマ数が全然不足しているが、それでも2枚固まるのは大きい。大きく期待を裏切ったベダードの代わりにもう1枚はどうしてもほしいところだ。

理由はよくわからないが、SEAに入ったとたんに成績が急落する選手が多い。ベダード、シルバ、打で言えばベルトレ。もう少し投手陣が整備されるとして、リーが順調に勝ち星を挙げれば、来季のSEAは大いに期待できるが、そうでなければ厳しい。実力を発揮してもらいたいものだ。

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五十嵐亮太NYMへ|エピソード2009-13

恐らく高橋尚より五十嵐の方が先にMLB移籍が決まるだろうと思っていた。

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五十嵐は2007年にトミー・ジョン手術のために1年を棒に振っているが、その後の2年の成績が良く、安定感がある。その上に30歳と言う若さである。昨年40歳の高橋建を取って、そこそこ使うことができたNYMは、日本でのSTATSは信用できる、戦力として計算できると判断したのだろう。2年300万ドルも好条件ではないだろうか。

NYMの投手陣の現状に五十嵐を当てはめてみる。

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現在NYMの投手陣は先発の3番手以降が不明確なことと、絶対的な押さえであるF-RODへのつなぎ役がコマ不足なのが大きな問題だ。

F-RODのつなぎ役として昨年、大きな期待とともに入団したJ.J プッツは結果を残すことなくFAで出てしまった。五十嵐は、使いべりのしない元ソフトバンクのフェリシアーノとともに左右のセットアッパーとして使われるのだろう。ただ、MLBで一番登板数の多いフェリシアーノほどではないだろうが、五十嵐の登板数も70試合前後にはなるだろう。未知の登板数だ。故障することなくシーズンを全うするのが最大の目標になるだろう。

五十嵐はプロ入り以来、一度も先発に回ったことのない生粋のリリーバーである。中継ぎ投手としてのプロ意識も高いと思う。大変な仕事だが、日本人のセットアッパーとして良い仕事を残してくれるのではないか。

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似合わない!赤松井|エピソード2009-12

は警戒色の代表であり、非日常の色である。膨張色ではないが、モノを引き締めるというよりは、拡張する効果がある。MLBには、をテーマカラーとするチームがいくつかあるが、LAAのように恥ずかしいような真っ赤=印刷でいうキンアカを使うチームは少ない。

松井の顔の上に、その真っ赤な帽子が乗った時に、少し顔が大きくなったような気がした。こんなピザ屋の宅配の兄ちゃんがいたような気もした。


ケビン・メンチに1位の座を譲ったもののMLBでも有数の巨頭の持ち主である。これまで、その巨頭は濃紺のヤンキーブルーで辛うじて抑え込まれていたが、それが一気に解き放たれたような気がした。

このユニフォームが似合うのは、アイドルみたいに細身で軽快な野手くらいだろう。

同様に長大な顔をもつゲレーロだって似合っていたわけではない。しかし、がっくりがっくりと独特の走り方でボールを追い、すさまじいバットスピードでボールをしばきまくっていたその姿は、十分にLAAの名物たり得た。


去年のアブレイユも、全然似合わなかった。中南米の観光地のタクシーの運転手のようだった。しかし、アブレイユは本塁打こそ減ったものの、100打点を挙げ、出塁率も素晴らしかった。そして再び年俸を1000万ドルに上げた。

 

このの色は、松井秀喜に「開き直れ」と命じているのである。「紳士たれ!」の巨人ではなく、エリートのNYYでもなく、明るい日差しのLAAに来たのである。1950年代までMLBのチームがなかった国に来たのである。伝統や格式ではなく、野球をする楽しさを松井なりのスタイルで表現してほしい。

野茂が、あのばね仕掛けの機会のようなフォームで、LADで圧倒的な人気を呼んだように、松井はLAAの「名物」になってほしい。黒松井も、青松井も過去のものだ。赤松井に期待したい。

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イチロー、今年はどうだったか?|日本人MLBプレイヤーの2009-10

毎度おなじみ、イチローのキャリアSTATSである。今回はオリックスのファーム時代の成績まで付けた。(特にテーマとは関係ないが)。またRC、RC27 もつけた。

ICHIROSILVER01 
今年、イチローはいくつかの賞を受けた。注目したいのはシルバー・スラッガー賞である。

この賞はバットメーカーのルイビルが与えている。各ポジションで最も優れた打者に与えられる。日本のベストメンバーに近い。グラブメーカーのローリングスが、ポジション別に最も優秀な野手に贈呈するゴールドグラブと対をなしている。この賞は各チームの監督、選手の投票で決まる。

イチローは2001年のMLB入団以来、9年連続でゴールドグラブを獲得している。しかしシルバー・スラッガーは、2001年、2007年に続き3度目。MLBの安打記録を更新した2004年でさえマニー・ラミレス、ゲレーロ、シェフィールドに阻まれ、獲得していない。

この事実は、イチローの稀有な打撃に疑問を抱く同業者が多いことを暗に示している。

それだけに、2度も欠場を経験した今年、シルバー・スラッガー賞を得たことの意義は大きい。

今年、イチローは例年よりも長打が多かった。OPSが5年ぶりに0.850を超えたのはこのためだ。また、敬遠数もリーグ1だった。打点46は、リーグ規定打者の中で下から2番目だが、これは、2009年のSEAの打線が極端に貧弱だったことが大きい。

同じリーグの選手、監督たちがイチローを「恐るべき打者」だと認めたのだ。それはSTATSだけでなく、実際に対戦した実感をも含めた評価だろう。

来年オフには37歳になるが、イチローは恐らくまだ晩年にはない。OPSが低いだの、大きいのが打てないだの、いろいろ叩かれるイチローだが、このシルバー・スラッガー賞をひそかに誇りに思っているのではないだろうか。

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参照サイト
Puroyakyukiroku
連携しているサイト こちらもごひいきに
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2016タイトルホルダー予想
Title2016
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プロフィール
最近メディアからいろいろお話をブログにいただくようになりました。迂闊なことに、殆ど対応できていませんでした。ご連絡は下記までお願いいたします。

baseballstats2011@gmail.com

広尾晃と申します。

ライター稼業をして、かれこれ34年になります。

2009年1月に、SportsNaviで「MLBをだらだら愛す」というブログを開設、12月には「野球の記録で話したい」を開設。多くの皆様にご愛読いただきました。2011年11月、livedoorに引っ越し。基本的な考え方は変わりません。MLB、NPBの記録を中心に、野球界のことをあれこれ考えていきたいと思います。多くの皆様に読んでいただきたいと思いますが、記録や野球史に興味と尊敬の念を持っていただける方のサイトにしたいと思います。特定の球団のファンの方も大歓迎ですが、「ひいきの引き倒し」的な論調には与しません。

広尾晃はペンネーム。本名は手束卓です。ペンネームは、小学校時代から使っていました。手束仁という同業者がいるので、ややこしいのでこの名前で通しています。ちなみに手束仁はいとこです。顔もよく似ています。
私が本名を隠しているかと勘違いして、恐喝のようなコメントを送ってくる犯罪者まがいがいるので、あえて公表します。


2012年11月「クラシックSTATS鑑賞」を独立したサイトにしました。

Classic Stats


野球以外で書いている、兄弟ブログです。こちらもぜひどうぞ。↓

59Title



常時参照させていただいているサイト

http://mlb.mlb.com/index.jsp
http://www.baseball-reference.com/
http://www.npb.or.jp/
http://espn.go.com/mlb/
http://www.fangraphs.com/
http://www.thebaseballcube.com/
http://ja.wikipedia.org/wiki/

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