野球の記録で話したい

Baseball Stats Lounge

イチローがいる幸せ|WBC2009

【2009年3月6日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

昼、京都の錦市場を歩いていたら、八百屋の店先で「強化試合も含めて28打数3安打やで、どないなっとんねん」という声が聞こえた、京都のおっさんがイチローの話をしてもおかしくはないが、最高視聴率40%近い盛り上がりを実感した。

イチローは、日米の単年度最多安打のレコードホルダーだ。これはまさに空前絶後。我々は凄い選手と同時代を生きているのだ。

一人の選手が打たないことが、市井の話題になるというのも王貞治の756号以来ではないかと思う。

その上、イチローは美しさでも群を抜いている。強化試合で遠目から見ただけだが、キャッチボールをして右翼に向かうそのはつらつとした姿や、守備位置でのストレッチ、そしてスローイング。打席での機能的な流れるような動作など、すべてがイチローだけのものだ。

安打は出なくても、すでにイチローを目にするだけでもう満足。そう思わせる存在だ。

「至宝」とはまさにこういう選手を言うのだろう。故デビット・ハルバースタムの「男たちの大リーグ」は、年齢による体力の衰えを感じさせつつも華麗なプレーを続けるジョー・ディマジオを描いている(そのときディマジオはわずか34歳だが)。この場面は一巻の白眉だ。名選手は、晩年に差し掛かった時に一番美しいのではないか。

我々はこの選手に異様なまでの期待をかけている。そのことを思うとき、居住まいを正したい気持ちがする。

少々打てなくても、イチローは日本のリードオフマンとして、打席に立ち続けてほしい。限りあるイチローの「現役の時間」をじっくりと楽しみたいと思う。

ichi-0306

■後日談:記録よりも記憶で永く残る選手だろう。2009年の活躍を見て、まだ晩年と言うには早かったのだと実感した。

残念ながらいい試合だった|WBC2009

【2009年3月5日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

中国:日本戦

中国の投手はだらしないほど四球を出したが、日本はそれに乗じることはできなかった。四球と安打で13回も出塁して4点である。

確かに孫国強のような変則アンダースローは日本にはいない。打ちにくいのはわかるが、結局打線に「俺が決める」という気迫がなかった。点差以上に実力差があることを日本の打者全員が実感していて、危機感がなかったこともあっただろう。

JC-1

対照的に投手陣は、着実に収穫を得ていった。ダルビッシュは140キロ台後半の球で料理した。やはりボールはしっくりきていなかったようだが、とにかく抑えたという実績が大事だ。続く投手陣も、WBCの空気を体験したという点で、収穫があった。

打線に戻れば、やはり中軸に長距離打者を置くべきだろう。村田の一発がなければ、勝ったとしてもチームの空気は全然違ったはずだ。

中国に目を転じれば、通用する投手は陳と前述の孫くらいか。相変わらずバットがふれている楊洋は大きな仕事をするかもしれない。

J-C02

余談だが、強化試合では聞かなかった例のコンバットマーチや鉦太鼓が中途半端に響いていた。いいかげんに田舎のちんどん応援、やめないかな。世界中に恥ずかしいし。

 ■後日談:日本も固くなっていたが、中国も力をつけていたのである。台湾を相手に勝利を挙げるまでになった。

WBC鑑定団その17 全球団の成分分析|2009WBC

200935日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

ここまで長々とロースターを書き連ねたのは、これがやりたかったからだ。

各チームに、どの組織(リーグ)に所属している選手がどれだけ含まれているか、成分分析をして戦力を見てみたかったのだ。

本当は、各選手のSTATSに、リーグごとに設定した係数をかけて、精度のよい戦力データを出したかったのだが、MLB以外の組織は、NPBも含めてSTATSの精度が良くないのだ。だからRC27とかOPSとかWHIPとか、もっとすごいセイバーメトリクスとかは出しようもない。大雑把なようだが、この形しか出しようがない。

考え方は以下のとおりである。

MLBに所属する選手の実力を1とし、他のリーグを以下のように設定する。

元MLB0.80、メキシカンリーグ0.85、AAA0.80、AA0.70、それ以下のマイナー0.6、

NPB0.88、韓国野球0.85、キューバ0.88、オランダリーグ0.70、中国リーグ0.50

台湾リーグ0.70、その他0.50。

この数字を個々の選手にあてはめて和を求め、これを選手数で割るのである。

さらにその数値に9を乗じて数値を求めた。(9をかける意味はそれほどありません)。

投打別に数字を設定したので、全員が大リーガーならば18という数字になる。

1試合しか出ていない選手と大選手を同じ扱いにするのはおかしい、という考えは分かるが、個々に数字をつけていくと恣意的なものが入るし、細かすぎてわかりにくくなる。

まずは見ていただきたい。

WBC-1

この数字、各国の戦力をわりと公平にはじき出していないだろうか。オールMLBのアメリカがNo.1、続いてドミニカ、さらにプエルトリコ、ベネズエラ、メキシコ、日本、韓国。

 そして、私はここにWBCという特殊なイベントならではの要因を加味したいと思うのだ。

それは、寄り合い所帯をまとめてチームにしていくマネージメント力と、大舞台で実力以上の力を発揮するモチベーション力。それぞれの振幅を上下0.5%ずつ加味する。つまり0.95~1.05の間だ。この数値は全くの直観によるものだが、これをかけて見た。

WBC-2

マネージメント力、モチベーション共に1.05をつけたのは韓国。反対に南米や台湾はマネージメント力で0.95、USAは、この時期になっても観客が集まらず辞退者が相次いでいるのでモチベーションに0.95をつけた。

いかがだろうか。

これは、異論があることを前提とした表である。あれこれ考えを述べていただきたい。それが楽しみなのだから。ただし、非難めいたコメントは野暮です。

■後日談:この成分分析は比較的当たっていたのではないか。こういう手法はこれからも使っていきたい。

WBC鑑定団その18 そして予測|2009WBC

200935日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

前回のDATAをもとにしつつ、WBCの複雑なブラケットにあてはめたのが下図である。

間違っていたら指摘していただきたい。

あえてファイナルラウンドは予測していない。私のストーリーでは韓国には4戦して1つしか勝てないことになっている。

WBC-3

 本日、17時に京都で商談があったのだが、相手から「30分ほど新幹線が遅れる」との連絡が入ったので「先約があるので別の日にしませんか?」と延期してしまった。何を隠そう、先約とはWBCである。

あと2時間足らず。いい年をして、何を入れ込んでいるのか。

■後日談:この表は最後まで追加で記入した。あのときのわくわくがよみがえってくる。

侍ジャパンは、風邪ひいてるみたいだった|2009WBC

【2009年2月28日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

2月28日の西武:日本戦の所感、

まず、西武の意気込みやよし。ワズディンに岸、グラマンと今季を左右する投手をどんどんぶつけていき、さらにはスクイズを強行するなど、日本代表に全く臆することなく勝ちに行った。渡辺の手腕が光った。

遠慮していたのは日本の方じゃないかと思えた。深刻なのは、ここ3試合、本塁打が出ないこと。つなぐつなぐというが、つなぐばかりで誰が返すのだ、という感じ。サッカーの日本代表にも似た、決定力不足だ。

イチローは、自分で自分にプレッシャーをかけて鼓舞するつもりが、快音が聞かれないために、かえって萎縮しているように思えた。二塁ベースの何十センチも手前でアウトになるイチローなんて、初めて見た。

ダルビッシュも結局、一人相撲をとり続けている。抑制の利いた速球は威力十分だが、相手を考えていない。配球の考えがないという感じだ。小松もむきになって打たれていた。

さらに言えば、福留は2008年からの不調を引きずっているように思えた。

肩の力の抜けた、自分の仕事に徹するという田中の賢さが、投手の中では光っていた。

一言でいえば、互いにどんな役割をするのかが見えていないチーム。配役が決まってない劇団のようなものだ。実戦でまとまりを作っていくしかないが、もう、時間はない。

3/5のWBC第一戦、中国戦は、萎縮した代表に喝を与える一戦になるのではないか。よもや負けることはないだろうが、相当攻め込まれるように思う。

■後日談:まだ煮えていない鍋のように、最初は味も何もなかったが、最後は最高の妙味を出したのだ。

 

ブライス君の憂鬱|2009WBC

【2009年2月26日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

2月24日のオーストラリア:日本戦の所感、続き。

昨日の試合は、松坂をはじめとする原ジャパンが、まだまだチームとしては熟成されていないことを示した。

とにかく、相手が弱すぎた。フライが取れない外野手がいるのだから。

ブライス君は、何回かフライを万歳して落としていた。J-Sportsでは、何度も落ち込む顔が大映しになっていたが、気の毒な感じもした。

28歳の彼は素人ではない。2005年にはマイナーのAクラスで20試合に出ているし、今もオーストラリアのメジャーリーグで活躍している。ただ、こんな大観衆とまばゆいドーム球場ははじめての経験だったのだろう。

京セラドーム大阪は、一般市民でも使える。特に真夜中は格安料金になる。私は何度かこの球場で草野球をしたが、外野は本当に広かった。素人の打った打球は、どんだけバウンドしても外野の塀に届かないのだから。こんなに広い外野を守るには、すごい脚力がいるなあ、と思ったが、まあ、これは素人の話である。

ブライス君にしてみれば、北半球くんだりまでやってきて、恥をかかされたという感じだろう。彼は一次ロースターの45人には入っていたが、最終メンバーからは外れた。

オーストラリアへの帰路が安からんことを祈る。

■後日談:ブライス君が、ぽろぽろやったのは、今にしてみれば何か夢のような気がする。そんなチームでも、強豪にそこそこ通用するのだ。チーム競技の面白さである。

WBC鑑定団その16 Pool-A 日本|2009WBC

200934日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

日本代表の印象を率直に語るならば、ミニUSAという感じである。投手も野手もそつのない選手がそろい、引き締まった印象。パワーもスピード感もある。マネージメント力も申し分がない。

投手陣。

JP-P

 

日本で最も優秀な投手が選ばれている。先発投手の勝率の高さにそれが表れている。味方打線や敵の好不調にかかわらず、自分で勝利をもぎ取ることのできる投手が揃っているのだ。ただ、ダルビッシュ、松坂の二人は独り相撲を取るタイプなので、不振な場合は強く先発を希望している涌井を起用することもあるだろう。

問題は、セットアッパーとクローザーの手薄さである。このシリーズでは継投は絶対条件なので、セットアッパーは大きなポイントだ。その専門家がほとんどいない。強化試合を見る限りでは、田中将が非常に良い働きをしていた。田中と山口がキーマンだと思う。

クローザーは実質的に藤川1人。彼が通用しなかったときにあとがない。馬原は全盛期の力がないと見る。

野手。

JP-F

 

誰が何番を打ってもおかしくない、粒のそろった優秀なメンバーである。レギュラーと控えの差はほとんどない。

ただ、懸念材料はある。不動の4番の不在だ。ピンチやチャンスの時に「あの選手まで回そう」と思えるような存在だ。4番が不在だと攻撃のストーリーができない。チームリーダーは確かにイチローだが、それとは別の打線の支柱が必要だと思うのだ。これは何十本ホームランを打っているとかいう数字とは別次元の話である。強化試合で4番に入った稲葉までが「つなぐ野球」を強調していたが、それはおかしいと思う。

日本の4番に座ることができるのは、今は松井秀か松中しかいない。松中は前回のWBCでも打率こそ残したが不発だったし、日本シリーズなどの大舞台で度々勝負弱いところを見せてはいるが、現役で唯一の三冠王であり、最高の実績を残している。その意味で、レギュラーシーズンで規定打席にも達していない亀井を残して、松中を外した理由がよくわからない。松中にしてもこれが最後の国際試合だと公言していたのだから、期するところはあったはずだ。

サッカーでいう「決定力不足」のような状況が続いている。これを打破するには、今のメンバーで中軸を決定する必要があると思う。実績でいえば村田か小笠原。このどちらかを4番で固定する方が良いと思う。

USAのジョンソン監督が最大のライバルとして日韓を挙げていた。組織力と戦略、そして選手のレベルの高さを見れば、パワー一辺倒の中南米陣よりも上だと評価したのだろう。

日本は「韓国の呪縛」から抜け出さなければならない。北京では日本は「恨の野球」の前に委縮し、力を出せなかった。Pool-Aの戦いで韓国を破るか、破らないまでも好勝負を演じ、それを契機としてチームを一体化してほしいと思う。

■後日談:2009年シーズンが終わってみて、まさに死屍累々と言う感がある。WBC優勝の代償として、いかに多くの選手が不満足なシーズンを送ったか。成果も大きかったが、失ったものも同じくらいあったように思う。韓国とは、新しいステージに入ったように思われる。

 

 

WBC鑑定団その15 Pool-A チャイニーズタイペイ|2009WBC

200934日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

台湾プロ野球はチームの離合集散が激しい上に、八百長問題なども深刻で、国民の支持をしっかり得られていない感がある。そのために、国外への人材流出が多い。またアマとプロの力量の差があまりないのも特色だ。

台湾最大のスターである王建民(NYY)や郭ホン志、胡金龍(いずれもLAD)は出場していない。また西武の許銘傑は、強化試合で台湾と対戦したが、代表としては出場していない。中日の陳偉殷も、北京五輪には出たが不参加。その結果、代表は台湾リーグの選手とMLBのマイナー、そしてNPB(1人)で構成されている。

投手を見てみよう。

TAIPEI-P

 

北京五輪のメンバーで選ばれているのは倪福徳、鄭凱文、李振昌、羅嘉仁の4人。倪福徳は台湾リーグでの奪三振王。台湾リーグでは防御率一位の廖于誠、セーブ二位の林岳平、奪三振一位の倪福徳が出てはいる。(同リーグの最多勝はMike Johnson)

とはいえ、本当に優秀な投手は国外で活躍しているので、この顔触れはベストとは言い難い。強化試合でもNPBには通用していない。

続いて野手。

TAIPEI-F

 

日本へ来てから大いに気を吐いた林益全は、驚くべきことにまだプロ選手ではない。台湾電力からドラフト一位で昨年興農ブルズと契約、少しだけ二軍の試合に出ただけだ。詹智堯もラニューのドラフト一位。林瀚は中信の二位だ。(年末に中信が解散してしまったために、統一に入団)。

その他は、北京五輪の出場選手が中心だ。台湾リーグのタイトルホルダーとしては、首位打者の彭政閔、3位の潘武雄などが入っている。捕手は高志綱だが、強化試合を見ている限りでは、肩も守備もいまいちである。守備も不安定で連携プレーは難しい。

台湾の打者は非常に積極的で、待球をせずどんどん打っていく印象だ。力の差はあるが、日本の投手も不用意な投球は禁物だ。

 

強化試合を見る限り、今回のチームは、野球の体をなしていない。台湾代表は、今、若がえりを図っているところなのだろう。

しかしながら、この国にはプロスペクトを国内にとどめておく力がない。プロとアマの差がそれほどない上に、プロの機構が不安定で、若い才能が将来を託す気になれないからだ。MLBやNPBへの流出が止まらない。(鄭凱文は日本に来てから阪神と契約を結んだ)WBCとは関係がないが、NPBの将来を見る気がしてちょっと心配になった。 

■後日談:性懲りもなく台湾は今年も八百長事件を起こした。プロ野球どころではない。気になるのは、NPBがそんな台湾でアジアアップを開催することを認めたことだ。何を考えているのか、と思う。

 

WBC鑑定団その14 Pool-A 韓国|2009WBC

200934日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

韓国野球の伝道師と言えば、室井昌也さん。韓国野球ガイドは必携だ。そろそろ出るかなと思っていたら、何と3/5の発売。だから、このロースターはいろいろな資料をかき集めて作った。これも室井さんの本を買って完璧なものにしたい。

まずは投手。

KOR-P

 

北京を制した柳賢振、金広鉉の2枚看板は健在。金広鉉は強化試合に出てきて打たれていたが、本番と練習では集中力が違うはずだから問題ないはずだ。この2枚とベテランの孫敏漢あたりに注目したい。クローザーは、ヤクルトの林昌勇で決定かと思ったが、最後になって呉昇桓が入ってきた。韓国ナンバーワンである。北京での救援失敗の雪辱をかけているのだろうが、ちょっと精神的に弱そうなエピソードが入ってきている。怪我をした林との二枚体制だろうが、首脳陣としてはまだ林に期待をかけているのではないか。鄭大炫も達者な投手である。

実績でいえば、NPBの投手たちが上だと言いたいが、一番の試合にかける気力、日本に対する対抗心などを考えればイーブンか、少し韓国の方が上だと思う。

野手を見る。

KOR-F

 

北京の時は鄭根宇、李承燁、金東柱が3、4、5番を組んだ。今回は3人ともいない。強化試合を見ていても、李承燁は確かにすごい打者だなあと思うことしきりだが、彼がいなくても、大きな穴があくわけではない。本塁打王の金泰均や李大浩を中心にした打線は、強力な上にスピードがある。つなぐ野球もできるし、日本と違って中軸打者がぶれない分、強いのではないか。1番を打つであろう李鍾旭もパワーアップしている印象だ。

昨年、MLBで月間MVPを受賞した秋信守は、日本での強化試合には出てきていない。体調が万全ではないようだ。この選手は“秘密兵器”ではないだろうか。30歳代はわずか一人と言う、元気あふれる野手陣だ。

STATSよりも下の力しか発揮できない日本に対し、韓国はSTATS以上の力を出してくる。それはサッカーでも証明済みである。今のところ、韓国は本来の力を表してはいないが、日本戦の韓国は別のチームだと思った方が良い。日本は勝つためには、トラウマを払しょくしなければならないし、作戦的には1人の投手に頼るのは難しいだろう。WBCの各試合の中でも、最もヒートアップする試合になるのは必定だ。

 ■後日談:2010年、ロッテに金泰均が来ることになった。楽しみである。日本人にない熱さを存分に見せてほしい。韓国野球は、恐らくWBCを経てまた少し変質するだろう。いずれにせよ、日本とは僅差にいる。



 

WBC鑑定団その13 Pool-A 中国|2009WBC

200934日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

中国のプロリーグは、以前に比べると体制が整ってきているようで、STATSも公開し始めた。まだ試合数が少ないので、実力のほどはうかがえない。

また、ベスト10までの選手しか通算成績を出していない。個々のボックススコアはあるので、ここから通算成績を出すことは可能である。今のロースター表はほとんど埋まっていないが、追いかけて数字を埋めていきます。

CHIN-P

 

ほとんどが北京オリンピックの投手で占められる。ということは、それなりに働くということなのだ。やや新鮮味にかけるというきらいはあるが。これに、横浜と西武の支配下で実力を養っている朱大衛、陳瑋が入った。まだ両投手とも公式戦には出場していない。中国は北京五輪でチャイニーズタイペイに勝ったが、両者の差は縮まっているのだろう。

野手は以下の通り。

CHIN-F

 

中国のメンバーで特徴的なのは、レギュラーシーズンで打撃、投手成績ベスト10に入った選手がほとんど含まれていないこと。野手でいえば王靖超だけである。意図はわからないが、おそらくは将来を見据えた若手中心の起用なのだろう。(←左は間違い。りくらむ様のご指摘の通り、五輪会期中代表選手が試合に欠場し、規定回数、打席に達しなかったため)

何せ国家の力で強化してくるから、数年後には侮れない存在になるはずだ。MLBも、中国を市場としてはっきり意識している。本土から初めてMLBに指名されたNYYの張振旺もロースターにはいっている。

強化試合を見た限りでは、投打ともにNPBの二軍より少し下と言うレベルだろうか。アジアでは4~5番目のレベル。150kmのボールは打てないクラスだ。ただ、強化試合でも楊洋がホームランを打ったように、日本のエンジンがかからないうちに得点されるケースはありそうだ。

日本としては3/5の試合で、完勝することで調子を整えていきたいところだ。

 ■後日談:ほぼ間違いなく、次回のWBCでは日本の強敵になっているだろう。MLBが今、最も力を入れて選手を育成している国だ。その片鱗は、今回も少しずつ見えていた。台湾を抜くのは時間の問題だ。

WBC鑑定団その12 Pool-D プエルトリコ|2009WBC

200934日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

おそらくはベネズエラとほぼ互角、メキシコよりやや上という感じの陣容である。中南米の国にしては、追加補強もないし、きっちりと選手を選んできたという印象だ。

投手陣から。

PUER-P



 

先発投手はMLB現役の3人が柱だろうが、防御率が4点代後半から5点。いずれも3番手程度のスターターだ。バスケスはスタミナ十分だが、常に勝ち負けが拮抗する投手。逆にサンチェスは5回以降につかまる傾向が強い。球数制限を考えればサンチェスの方が使えるかもしれない。スネルは球がどこへ行くかわからないタイプ。いずれも不安材料があるので、投手は早めの継投が前提になるだろう。

そうなると2005年にソフトバンクにいたフェリシアーノが大活躍しそうだ。86試合登板はMLB最多。左殺しのロメロ、BOSでよく見たロペス、いろいろな場面に使われるリベラと、70試合登板以上の投手が4枚揃っているのは壮観。投手陣は中継ぎが引っ張ることになるだろう。

 

野手も特徴的だ。PUER-F

 

プエルトリコの野球少年は、草野球をするとき、我さきにキャッチャーになりたがるのではないか。ロースターを見ると、そう思いたくなる。

I-ROD、Yモリーナ、そして新人王ソトに選に洩れたBモリーナ、さらにはJモリーナやポサダもこの国の捕手なのだ。昨年のヤンキースにはそのうち3枚が揃っていたことになる。

捕手だけでなく、内外野共に非常に強力。派手さはないが、ベルトラン、デルガド、リオスという顔ぶれは、スピードもパワーも一級品だ。ベルトラン、デルガドがNYMのチームメイトで実際に打線を組んでいるのもプラス要因だ。西武のボカチカは力の見せどころだ。

そして、ロースターにバーニーの名前があるのだ。怪我で出場が危ぶまれたが、名前は残っている。背番号は、イチローがあこがれた「51」。本当に出場するのだとすれば、これは伝説のはじまりだ。

このチーム、うまく回ればUSAのライバルになるのではないか。期待できるチームだと思う。

■後日談:中南米最上位の座をベネズエラに譲った。このチームもまとまりを欠いたという印象だ。I-RODことイヴァン・ロドリゲスが、ただ一人点を稼いでいた。

 

WBC鑑定団その11 Pool-D パナマ|2009WBC

200933日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

パナマは、前回、オランダに大敗している。大物選手が何人かはいるのだが、その他の選手との力量の差が大きく、チームとしてはまとまりがなかった、という印象だった。今回もその印象は変わらない。

PANA-P

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セットアッパーに人材はいるが、先発は人がいない。立ち上がりからつなぎでしのぐ作戦だろうか。一次ロースターからの落選者に大物はいないので、これがいっぱいいっぱいなのだろう。オランダより落ちるかもしれない。

続いて野手。

PANA-F

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワールドチャンピオンフィリーズのホームベースを守ったルィーズが心強い。Cリーは、一時辞退が報じられたが、二次ロースターに入っていた。このスラッガーがいるといないでは大違いだ。これにNPBのズレータ、MLB64本塁打のリベラ、MLB実績も少しあるチャベスあたりが主力になるのだろう。

打線としてはオランダよりは上だと思うが、投手陣が覚束ないので、今回もPool-D最下位の恐れがある。今のメンバーがそのまま出場できるのかにも不安があるし。マイナーの若手の奮起が期待されるところだ。

■後日談:マリアノ・リベラの今期の大活躍は、WBCのベンチに座りながら一度もマウンドに立たなかったことと関係があるかもしれない。影の薄いチームだった。

WBC鑑定団その10 Pool-D ドミニカ|2009WBC

200932日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

ラテンアメリカの野球事情を知りたいなら、鉄矢多美子さんのブログは必読だが、ドミニカは恐ろしいほどの盛り上がりのようだ。毎年盛り上がるカリビアンリーグが、今年はそれほどでもなく、国中がWBCで沸騰している。

しかし、それとナショナルチームのマネージメントは別なのだ。国際大会のたびにトラブルが起きている。ビザの発給や移動の手配、選手のサポートなどなど。また、メンバーの決定も二転三転する。ラテンアメリカ特有とでもいうべきか。プホルスは保険がきかないことを理由に辞退したが、ひょっとするとこのマネージメントに嫌気がさしたのかもしれない。

投手陣から。

DOM-P

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボルケス、ヒメネスは働くだろう。注目は、WBCで再起を目指すペドロだ。2008年はめっきりと力の衰えを感じさせたが、復活できるだろうか。セットアッパーは今やMLB屈指のスプリッターのアレドンド。Jクルーズがクローザーか。投手陣は、USAに次ぐ布陣だ。ただ、先発の3枚目以下の不安とブルペンの手薄さがやや気になる。

投手陣にとってそれ以上に問題なのは、捕手の問題だ。

野手を見てみよう。

DOM-F

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もともと捕手は手薄だったのだが、若手のパウリーノ、ウィリキン・カスティーヨが外れて、実質的にオリーボ一人。これではあんまりだということで、アルベルト・カスティーヨを引っ張ってきた。このおっさんは、一昨年までBALにいた。

オリーボはSEAの正捕手だった時から肩には定評があった。2008年は33回走られて14回阻止。阻止率.424、トップクラスだ。しかし捕手防御率が4.42。いまいち信頼感がないのだ。ただこのままでは投手との相性が悪くても、代えようがないという状態だ。

前回大会で当たっていたのはベルトレ(出場は微妙な情勢だが)。プホルスのバットは湿っていた。どうやらWBCに向く選手とそうでない選手があるようで、今回も伏兵が活躍するかもしれない。A-RODはこの手の短期決戦で良かった記憶がないのだが。このロースター発表後にテハダが「1Bを守るのはやだ!」と辞退したが、薬物事件以後、めっきり衰えが見えるテハダの穴はそれほど大きくないだろう。むしろ、2008年春に絶不調だったオルティーズの仕上がりが気になるところだ。(2月27日テハダは前言翻し出場と報じられる)

外野陣はやや迫力不足。しかし、MLB1,2位の盗塁数のタベラス、レイエスの1、2番もすごいと思う。この打線では、監督の倅のモーゼス・アルーの出番はないだろう。親父さんのアシスタントではないか。

昨日、USAの外野陣からサイズモア、ホウプが抜けることがわかった。スピードではドミニカが一枚上になった感がある。確かに有力な候補には違いないが、ドミニカの場合、この陣容のままで本当に試合に臨めるのか?捕手は大丈夫なのか?また、このタレントたちをアルーのお父さんはちゃんと采配できるのか、などのマネージメントの問題があると思う。USAのDジョンソン監督が、ライバルにドミニカではなく、日韓を挙げたのも、そういう側面を見ているからではないか。

 3/7A-RODが正式に辞退。かわってユーティリティのタティスを補充。

 ■後日談:ベンチで呆然とするオルティーズの顔が忘れられない。元気だったのはペドロだけだ。そのペドロもワールドシリーズで轟沈。良くも悪くもドラマチックな国ではある。

WBC鑑定団その9 Pool-D オランダ|2009WBC

200931日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

オランダの国内最高峰リーグ、オランダメジャーリーグ(NM)は8チームで行われているが、そのうち1チームはコニカミノルタがスポンサーのコニカミノルタ・ピオニアーズである。実力はヨーロッパ1。WBC前回では。キューバに6-9と食い下がったパナマを10-0で降している。このときには、NMのデヨングが先発マルティスのあとをつないで好投した。

このチーム、そこそこやると思うのだ。リーグのSTATSを見ていると、それなりに機能分化がされているし、引き締まった試合が行われているように思えるからだ。また、HPを見ても組織がしっかりしていて、リーグがちゃんと運営されていることが分かる。マネージメントは、少なくともドミニカよりも上だと思う。

まずは投手。

NL-P

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ATLの主軸に育ったジャージェンスが辞退したのは大きい。昨年、TEXのマイケル・ヤングを骨折させたSポンソンがエース格。体重は130kgオーバーか。球速と体重とどちらのキロ数が上だろうか?

NM選手の実力は、前回でも証明されたが、AAクラスより上ではないかと思う。今回も2008年シーズンの防御率1位のコルデマンス、2位のバーグマン、4位のボイドが名前を連ねているが、パナマやプエルトリコには通用するのではないか。

バンカンベン、ワルスマというセットアッパーも計算できるかもしれない。

野手は以下の通り。

NL-F

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

捕手はマイナーの2人ではなくデヨングではないか。オランダを代表する強打者である。内野のリーダーは今は独立リーグだが、MLB8年、通算49本塁打のシモンか。外野で期待したいのは、強打で台頭しつつあるAAのハルマン。中心となる強打者がいないために、打線の迫力がないが、NMの外野手4人は、これまたリーグ最強の4人である。

オランダチームは、すでにMLBマイナーや大学チームと強化試合を行っているが、結構健闘している。リーグを挙げて、WBCに参加しているという感じもある。Pool-Dではパナマとどっこい。最弱とみなされるかもしれないが、大番狂わせを演じる可能性があると思う。

 ■後日談:ずいぶん沢山のオランダ選手を覚えた。WBC前半戦を盛り上げた、最大の功労者である。組織力が個人力に勝ることを証明してくれた。

WBC鑑定団その8 Pool-B 南アフリカ|2009WBC

2009228日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

この国での野球の歴史は100年を超している。イギリスの影響の強い国だから、サッカーやテニスなどに比べるとマイナーではあるが、全国大会が開催されている。ただし、個人技が中心で、チームプレーはまだまだ。またアパルトヘイトの影響が残り、一流選手はほとんどが白人である。

これは、日本から南アフリカの隣国、ジンバブエで野球指導をしている伊藤益朗さんのブログからの引用である。http://www.geocities.jp/zzyykai0110/new/

南アフリカからMLB機構へは10年くらい前から選手が行っている。しかしメジャーまで昇進した選手はいない。マイナーでの経験を積んだのちに、帰国して国内リーグで活躍する選手が多い。アメリカの大学で野球をする選手も散見されるが、ドラフトにかかる選手はいない。

投打ともにあげよう。SA-PSA-F

南アフリカ野球プレミアリーグの情報はほとんどない。アフリカでは最強だが、その実力は未知数だ。(投手で登録されているエカーマンスは、The Baseball Cubeでは、打者のSTATSが載っていた)

前のWBCでの成績は、アメリカ(クレメンスが登板)に0-17、メキシコに4-10、しかしカナダには8-10だった。野球と言うゲームは、一発勝負では波乱が起こる可能性が大きい。今回でいえば、オーストラリアを食う可能性は十分にある。

絶対的なエースは、AAまで行ったバリー・アーミテージ。さらに、アメリカを1回無失点に抑えたエラリオもいる。今大会最年少のロブも興味がある。

ロースターを見ると、ヨーロッパ系の名前ばかりで、黒人らしき名前は内野手のンゴベだけだ。白人中心なんだろうか。

前回大会で、私はこうしたマイナーな国には関心がなかった。しかし、今年はそういう国もじっくり見たい。J-SPORTSのライブに注目だ。



■後日談:南アフリカは、予想通り弱かった。ワールドカップを開催するのを見てもわかるとおり、ヨーロッパ圏の影響が強いのだ。しかし、参加することに意義はあったと思われる。
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2009年1月に、SportsNaviで「MLBをだらだら愛す」というブログを開設、12月には「野球の記録で話したい」を開設。多くの皆様にご愛読いただきました。2011年11月、livedoorに引っ越し。基本的な考え方は変わりません。MLB、NPBの記録を中心に、野球界のことをあれこれ考えていきたいと思います。多くの皆様に読んでいただきたいと思いますが、記録や野球史に興味と尊敬の念を持っていただける方のサイトにしたいと思います。特定の球団のファンの方も大歓迎ですが、「ひいきの引き倒し」的な論調には与しません。

広尾晃はペンネーム。本名は手束卓です。ペンネームは、小学校時代から使っていました。手束仁という同業者がいるので、ややこしいのでこの名前で通しています。ちなみに手束仁はいとこです。顔もよく似ています。
私が本名を隠しているかと勘違いして、恐喝のようなコメントを送ってくる犯罪者まがいがいるので、あえて公表します。


2012年11月「クラシックSTATS鑑賞」を独立したサイトにしました。

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