【2009年2月7日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】
2008年の松坂は、彼の登板の時に限って味方打線が活発になった、運が良かったのだ。という話をよく聞いた。本当なのか、調べてみた。2日かかった。162試合を一つ一つ集計していった。多少間違いがあるかもしれないが、概ねこの表のとおりだ。
確かに松坂登板時の打率は、他の先発投手よりも高い。本塁打も40本と最多である。ただ、予想していたほどのことはなかった。チーム打率が.280で、松坂の時の打率が.290、他の投手とも大きな差があるわけではない。
松坂の登板と打線の関係をゲームごとに追いかけてみる。
4月から5月にかけて、BOSの打線は非常に好調で、4月は27試合で14試合、5月は22日までの20試合で14試合、チーム打率が3割を超えていた。この時期に松坂は8回も登板している。これが大きかった。チームの打線には確かにバイオリズムのようなものがあって、5/23からの30試合では6回しか3割を超えていない。この時期に松坂はDL入りしていたのだ。運が良いと言えばその通り。松坂の登板と、打線の相関関係はあまりないのではないか。
強いて挙げれば、打ちあいになりがちなインターリーグや、BAL戦など、チームの通算打率が3割を超えている対戦が多かったことが挙げられようか。
こうして全試合のローテーションを調べていて、一番気になったのは、チームの松坂に対する起用方針である。率直に言えば、NYYの登板を回避させていたのではないか。考えすぎかもしれないが、彼は2008年、2回しか登板していない。以下がNYY戦の先発投手と、打線の関係である。
松坂は、4月の最初のシリーズで登板しただけで、あとは最終盤、すでにNYYのポストシーズン進出が絶望的になるまで登板がなかったのである。これは寂しい。チームはNYY戦をベケットとウェークフィールドを軸に組み立てていたようで、松坂はローテンション上巡り合わなかったとか、DLとか、登板回避とかもあったにせよ、積極的には使われていないのだ。
これ、やはりチームが松坂に対してどのように評価していたかの一端を表していると思う。松坂は、強いチーム用の投手と言うより、価値を稼ぐ試合用だったのではないか。松坂の課題は多いと言わざるを得ない。
■後日談:今年のNYYには、松坂は歯が立たなかったであろう。特に左のタシェアラには打ちこまれたように思う。2010年の奮起を期待したい。
2008年の松坂は、彼の登板の時に限って味方打線が活発になった、運が良かったのだ。という話をよく聞いた。本当なのか、調べてみた。2日かかった。162試合を一つ一つ集計していった。多少間違いがあるかもしれないが、概ねこの表のとおりだ。
確かに松坂登板時の打率は、他の先発投手よりも高い。本塁打も40本と最多である。ただ、予想していたほどのことはなかった。チーム打率が.280で、松坂の時の打率が.290、他の投手とも大きな差があるわけではない。
松坂の登板と打線の関係をゲームごとに追いかけてみる。
4月から5月にかけて、BOSの打線は非常に好調で、4月は27試合で14試合、5月は22日までの20試合で14試合、チーム打率が3割を超えていた。この時期に松坂は8回も登板している。これが大きかった。チームの打線には確かにバイオリズムのようなものがあって、5/23からの30試合では6回しか3割を超えていない。この時期に松坂はDL入りしていたのだ。運が良いと言えばその通り。松坂の登板と、打線の相関関係はあまりないのではないか。
強いて挙げれば、打ちあいになりがちなインターリーグや、BAL戦など、チームの通算打率が3割を超えている対戦が多かったことが挙げられようか。
こうして全試合のローテーションを調べていて、一番気になったのは、チームの松坂に対する起用方針である。率直に言えば、NYYの登板を回避させていたのではないか。考えすぎかもしれないが、彼は2008年、2回しか登板していない。以下がNYY戦の先発投手と、打線の関係である。
松坂は、4月の最初のシリーズで登板しただけで、あとは最終盤、すでにNYYのポストシーズン進出が絶望的になるまで登板がなかったのである。これは寂しい。チームはNYY戦をベケットとウェークフィールドを軸に組み立てていたようで、松坂はローテンション上巡り合わなかったとか、DLとか、登板回避とかもあったにせよ、積極的には使われていないのだ。
これ、やはりチームが松坂に対してどのように評価していたかの一端を表していると思う。松坂は、強いチーム用の投手と言うより、価値を稼ぐ試合用だったのではないか。松坂の課題は多いと言わざるを得ない。
■後日談:今年のNYYには、松坂は歯が立たなかったであろう。特に左のタシェアラには打ちこまれたように思う。2010年の奮起を期待したい。