5月14日に二軍落ちを命じられた浅尾拓也。成績不振と、本人のメンタル面での問題もあっての再調整だった。今、浅尾はどんな状況なのか。
二軍での戦績

takuya-Asao20120628




二軍落ちして9日後の5/23、広島戦に7番手として登板するが、1四球1安打で1失点。続いて5/26ソフトバンク戦に8回5番手として登板するが、長谷川に本塁打を打たれる。

この試合のあと、浅尾は右肩の痛みを訴えた。診断の結果、「右肩関節腱板損傷」と診断された。これは、肩甲骨と上腕骨頭を覆うような形で安定させる「腱板」という部位の損傷。「腱板」は4つの筋肉からなっているが、この筋肉が繰り返し同じ運動をする中で、骨や靭帯などに当たって擦れて損傷したり、炎症をおこしたりするものだ。

いろいろな原因があるとされるが、基本的にはオーバーユースによって引き起こされる。損傷程度によるが、治療法は「ノースロー」が基本。

5/26以降、浅尾もノースローを中心に調整を行ってきたものと思われる。

6/19のスポーツ紙によると、前日にブルペンで35球を投げたが、本来の球威には程遠く「いいとも悪いとも言えない」だった。

6/25には、浅尾は福岡へ移動。6/27、鷹巣球場で行われるソフトバンク戦での登板も予定された。実際には投げなかったが、今日明日の試合に投げる可能性も残されている。

スポーツ紙によれば、首脳陣は球宴明けの1軍復帰も目指していると言う。

関節腱板の損傷は、外見からは判断がつきにくい。本人が痛みなく投げられると言えば、それを信じるしかないのだが、少し投げて痛みが再発することもある。痛みを押して投球を続けると、腱を断裂する可能性もある。わずか半月余りのノースロー調整で完全に治ったと言えるのかどうか、疑問が残るところだ。

中日は、浅尾とともに新人の田島慎二がセットアッパーとして起用され、23試合35.2回を投げて自責点2という神がかった成績をあげていた。しかし、田島は6/12に右肩痛を訴え、軽度の右肩関節炎と診断されて二軍落ち。巨人が大攻勢をかけている中で、中継ぎ投手の絶対数が不足するため、浅尾を急きょ呼び戻そうとしているのだ。

チーム事情が、個人のコンディションに優先すると言う、NPBではお決まりの図式で、浅尾は7月中にも復帰するのだろう。

しかし、浅尾拓也というまだ27歳の若い投手の将来を考えると、本当は徹底的にメディカルチェックを行い、時間を取って肩を治していく必要があると思う。特に浅尾の場合、まるで内野手のような小さなフォームで強い球を投げている。肩への負担をかけないフォームへの改造など、根本的な解決策も必要ではないかと思う。

野戦病院で応急措置をして、また戦場に戻っていくようなやり方では、投手は消耗するばかりではないかと思う。

投手と言う球団の大事な資産を長く、有効に使うためにも、球団は浅尾の復帰を慎重に考えてほしいと思う。

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