7月1日以来の登板となったダルビッシュの肩は軽かったに違いない。立ち上がり、96マイルの速球を連発していた。しかし、肩が軽すぎるときの投手は危険なのだ。捕手はトレアルバ。
Dar-20120715





1回、アクリーには眼のさめるような速球を見せつけた。しかし各球団は、立ち上がりのダルビッシュの球は見ていけという指示が徹底しているから、手を出さない。アクリーが歩くと、苦手のイチロー。少し球速を押さえた4シームをライト前に運ばれる。嫌な雰囲気である。キャスパー・ウェルズには死球。

どうやら今日は“悪い方のダルビッシュ”のようだ。マウンドに上がったマダックスコーチはそう思ったに違いない。

悪い流れを切ることはできず、ジェイソにはストレートで押し出し。ソーンダースはマイケル・ヤングのエラーで出塁。7番のシーガーのタイムリーで4点が入る。わずか2安打。失策が絡んだとはいえ、完全な独り相撲である。

以後は何事もなかったかのよう後続打者を抑えていく。いつものパターンだ。

しかし4回に先頭のシーガーを歩かせて、アクリーにタイムリー。5回にはジェイソに外角高めの球を左中間スタンドに運ばれる。この球は球威が大きく落ちていた。

ダルビッシュは、気落ちすると球の威力も半減してしまうのだ。

7回にはイチローを打ち取った後、3連打に四球。立ち往生してマウンドを降りた。今日の投球で、首脳陣の信頼は大きく失われたように思う。

相手は、同い年のフェリックス・ヘルナンデス。彼もオールスターに選ばれて投げなかった投手だ。しかし、彼はダルとは異質の投球をした。自分自身を知っているピッチングとでもいうべきか。無四球で12奪三振である。格が違う。

確かに投球感覚が空きすぎたことは、大きな原因だったろうが、プロとして調整法に大きな問題があったと言われても仕方がない投球だった。

防御率は4点近くにまで悪化した。次回に汚名をそそいでもらいたい。

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