会社の業績を見る上で「昨対」というのは重たい数字だ。企業は成長し続けるのが前提だから、去年からどれだけ成長したかを見る「昨対」は、企業評価の最も重要な指標の一つだ(「昨比」「年比」ともいう)。これが100%を割り込むと、会議には重苦しい空気が漂う。
統一球が導入された今年、各チームは大幅に打撃力を減退させた。これを「昨対」で見るとどうなるのか。さまざまな指標があるが、RC27で比べてみたい。

何度もご紹介しているが、安打、本塁打、盗塁、四球、犠打、犠飛など攻撃面の総合的な積み上げ型の指標がRC(Run Create)。そしてRC27は、あるRCの数値を持つ選手が1人で27アウト(1試合)になる間に平均何点入るかという数値。生産性を表している。
セパ両リーグのトータル

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セパ両リーグともに、打撃力は四分の一ほど減ったことがわかる。セリーグの方が落ち込みが激しい。
意外なことに、セリーグで一番ましだったのは横浜。巨人、阪神は60%台まで落ち込んでいる。この2チームはリーグで最強打線の座を争っていたのだが、そろいもそろって統一球に適応できない打者ばかりだったのだ。

パリーグでは、驚異的な数字のチームがある。日本一になったソフトバンク。97%。NPBを一変させたような大異変の中で、ほとんど戦力を落とさなかったのだ。圧勝して当然だと言えよう。パリーグの下落がセリーグよりも5ポイントも小幅なのは、ソフトバンクによるものだ。西武がこれに次ぐ。おそらくは中村剛也一人の力ではないかと思われる。

ではソフトバンクの驚異的な「昨対」は、内川の加入によるものだったのか?調べてみたら、驚くべきことがわかった。

以下、稿を改め、打者個々の「昨対」について見てみる。

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