高卒新人の完封は、どれほどの価値があるのか、歴代記録を調べて見た。
昔の学制は複雑なので、高卒新人と同格に扱うことが出来るかどうか微妙だが、NPBが始まって以来、高卒新人、それに準ずる年齢でデビューした年に完封を記録した投手は数えた限り釜田で56人目。2リーグ分立後は42人。えんじ色のWは通算勝利数。

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戦前では川上哲治や藤村隆男(弟)の名前もある。神田武夫は新人で7完封。結核を患いながら19歳で獅子奮迅の活躍だった。

2リーグ分立後の一番手は金田正一。金田は享栄商業を中退して国鉄に入っているから17歳だ。

2リーグ分立から昭和40年代(1960~70年代)くらいまでは、高卒の有望投手は新人で一度や二度の完封はしていた。珍しいことではなかった。プロ野球に歴史を残すような高卒の大投手は、ほぼここに含まれている。65年の堀内恒夫の7完封も神田と並ぶタイ記録だ。



一方で、その完封勝利が生涯唯一の勝利になった投手も浮州重紀、中島孝司と二人いる。
本当の実力が無くとも、まぐれで完封してしまう投手も少数ながらいたのだ。

近藤真市の新人ノーヒットノーランは強烈な印象だったが、その後は故障がちで数字を伸ばすことが出来なかった。

1989年の川崎憲次郎を最後に高卒完封投手は10年出なかった。この時期に、NPBのレベルは上がったのではないか。

1999年、10年ぶりに松坂大輔が登場して2完封。いかにこの投手がすごかったかがわかる。
松坂以後の高卒完封投手は5人。NPBの野球のレベルが上がる中で、高卒すぐの投手が通用するケースは稀有になっているのだ。

ダルビッシュ、田中将大などは文字通り超高校級だったのだ。

釜田が大投手になるか、まぐれで終わるかは全く分からないが、昨日の投球は。調子の良さで押しまくったのではなく、それなりに考えた内容だったようにも思う。

田中将大に続く楽天のエースになる可能性もあると思う(もっとも、そうなればMLBに転出するかもしれないが)。

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