本日、阪神タイガースは中村勝広GMの就任を発表。記者会見が行われた。
「責任の重さに身が引き締まる思い。一日も早い立て直しに尽力できれば」と7年連続でリーグ優勝を逃したチームの再建へ意欲を語った。
それは結構なのだが、このGMは、何から何まで中途半端である。まず、就任時期。まだペナントレースが1か月もある。和田監督が戦っている最中だ。言ってみれば、仕事がまだ進行中なのに、ある日突然、部長の上に取締役がやってきたようなものだ。

もちろん、現場は消化試合になってはいるが、公式戦は続いている。来季を見越した選手起用をしていく必要があるのだが、和田監督はこれからは中村GMにお伺いを立てなければならないのか。そもそも和田豊監督は3年契約の1年目だが、その首が安泰とは言えない。まだ24試合もある公式戦を仕切るのは、いったい誰なのか。

そして中村勝広GMは、名前こそ取締役GMだが「ゼネラルマネージャー」とはとても言えない。上司に高野栄一球団本部長がいる。球団社長だっている。実際のところ編成業務に関しては、高野本部長との相談になるようだ。グランドの中以外の野球に関わる全ての仕事を統括するという本来のGM業務からは程遠い。

さらに、中村勝広GMは1年契約なのだ。GMという仕事は監督と違い、単年度で仕事をするわけではない。編成・育成業務ともども、少なくとも5年程度のスパンでチームを見て行かなければ実効は上がらない。
高野球団本部長の「(1年契約ながら)最低でも3年でお願いしたい」というコメントは、全く意味不明だ。



阪神球団の上層部はだれも退任せず、中村GMが加わっただけのようだ。昨今の阪神の低迷は、明らかにフロントの無為無策の責任が大きい。しかし、彼らはだれも退任しない。

球界屈指の年俸総額でありながら低迷している今の阪神の責任は、だれも取らないつもりらしい。減俸や降格処分はないのだろうか。

率直に言えば、最も首を切りやすい形で中村GMをくっつけただけだ。
チームが低迷しているとき、GMは、思い切った手を打つべきだ。ベテランの放出、若手の抜擢、そして大型トレード、外国人獲得。
大だんびらを振り回して、切りまくるべきところだが、中村GMは、竹光しか与えられていないような感じだ。

ここまで中途半端なGM就任もちょっとない。どうやら阪神お得意のお家騒動は、これから本格化しそうである。

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