全巻そろえで改めて買ったのだが、うちの子供は読んでくれなかった。








もうこの漫画家が自死して27年になる。ちばてつやの弟で、脂ののった盛りだっただけにショックだった。
『キャプテン』は、野球の名門の青葉学院から墨谷二中に転校してきた中学生の谷口タカオが、弱いチームメイトを励ましながら、強豪校に勝ち抜いていく物語。

谷口は卒業して墨谷高に入る。ここからスピンアウトして『プレイボール』がはじまる。

今から思えば、野球部なのに大人の監督がいなかったり、中学なのに9回まで試合をしたり、子供がフォークを多投するなど、おかしなところもなくはなかった。

しかし、読み進むうちにどんどん感情移入して、漫画が手放せなくなる。青臭く、純粋な話にほだされて、谷口やイガラシなど登場人物が愛おしくなるのだ。

兄のアシスタントをしていただけに、顔などはちばてつやの漫画に少し似ている。そして兄の漫画と同様、まだ貧しさの陰が生活のあちこちにこびりついている。

『プレイボール』は作者が亡くなってしまったため、未完に終わっている。

あらかじめ警告しておくが、この本は一冊読み始めると、絶対に止まらなくなる。夢中になる。

日本がまだ右肩上がりで、幸せな時代だったころの、幸せな野球の本である。

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