NPBもシーズン最終盤に差し掛かっているが、閉幕間際に大記録が生まれる可能性が高まってきた。外国人選手初の2000本安打だ。言うまでもなく、DeNAのアレックス・ラミレスである。
今季開幕時点で、シーズン中に2000本安打に届く可能性のあった選手が6人いた。
ヤクルトの宮本慎也(開幕時41歳 1985安打)、日本ハムの稲葉篤紀(39歳 1966安打)、ソフトバンクの小久保裕紀(40歳 1962安打)、中日の谷繁元信(41歳 1881安打)、DeNAのアレックス・ラミレス(37歳 1850安打)、同じく中村紀洋(38歳 1847安打)だ。
シーズン前半に達成しそうな選手が3人、終盤に達成の可能性がある選手が3人。

これまで同一シーズンの2000本安打達成者数は、1983年の4人(藤田平、衣笠祥雄、福本豊、山崎裕之)が最高だった。シーズン6人は、新記録。大いに期待したものだ。

稲葉篤紀が4月28日、宮本慎也が5月4日、小久保裕紀が6月24日に達成した。小久保がややもたついたものの前半組は予定通り達成、後半の3人に期待がかかった。

谷繁は昨年よりも出場機会が増えたが打率の低い選手ではあり、残り119安打はもともと厳しい数字ではあった。アレックス・ラミレスと中村紀洋は、新生DeNAの主軸として大活躍をしていたのだが、中村は、8月に監督批判とも受け取れる言動によってファームに落とされた。9月4日に復帰したが、15試合の欠場はあまりにも痛すぎた。

3人の9月以降の成績。

2000-Rami




残り試合数が7試合となった谷繁の達成はほぼなくなった。ただ、この選手は来季も現役続行が確実だから、来年前半には捕手として3人目、そして史上最低打率での2000本安打を達成することだろう。

中村紀洋は、2軍謹慎さえなければカウントダウンが始まっていたかもしれない。イチロー世代では小笠原道大に次ぐ2人目の2000本安打だったが、今季中の達成は絶望的。来季の契約も微妙であり、中村にとっては8月の舌禍は痛恨のミステイクになった。

そしてアレックス・ラミレス。外国人(身分上は今日本人枠だが)選手としては、タフィ・ローズの1792安打を抜く1850安打で開幕を迎えたラミレスは、昨年を上回る好成績を上げ続けて終盤を迎えた。

今日の時点で残り13試合で15安打。達成の可能性は大いにあると言えよう。

ラミレスは、NPB史上最も早打ちの選手の一人であり、出塁率は極めて低い。そして外野守備は平均以下ではある。
しかし、安打を打つ能力、好機での勝負強さはリーグ屈指だ。最近は三振数が減り、打ち取りにくい打者になりつつある。

ラミレスの2000本安打は、日本人打者の記録以上に意義がある。NPBにここまで順応し、長く人々を楽しませた外国人打者はいない。

特別表彰をしてほしいと思うし、引退後は殿堂入りも検討すべきだと思う。

ともあれ、10月初旬の2000本安打達成を心待ちにしたい。今年達成した3人以上に大きく取り上げてほしい。

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