すでに来年3月2日に試合をすることが決まっている「侍ジャパン」ことWBC日本代表だが、まだ選手はおろか、監督も決まっていない。昨日はソフトバンクの秋山幸二監督が、上司であり師匠である王貞治球団会長から代表監督を打診されて、断ったことが分かった。
そもそも、「侍ジャパン」の人選は、加藤良三コミッショナーに一任されたはずだ。加藤コミッショナーは独自に監督候補に打診をしていたはずだが、いつから王貞治氏がその任を託されたのだろうか。

少し前には、山本浩二氏の名前が挙がっていたが、いつの間にか立ち消えになってしまった(適任とは全く思えなかったが)。そして現役監督に絞って人選する方向になって、秋山監督という名前が挙がったのだ。

これまで2回のWBCでは、現役のNPB監督が監督を兼務している。だから「兼務は可能だ」ともいえるが、やってみたから「兼務はやらない方がいい」という見方もできる。

2006年に采配を振るった王貞治監督は、日本に凱旋してソフトバンクの指揮を執った。王監督がいない間、チームは森脇浩二コーチが預かった。この年の7月に胃がんが見つかり手術を受けた。この年はレギュラーシーズン3位、クライマックスシリーズは第2ステージで敗退した。

2009年の原辰徳監督は、不在中は伊原春樹コーチにチームを預けたが、復帰後ペナントレースも独走し、優勝。日本シリーズも勝利し、完勝した。しかしながら原監督は、WBCの監督をしたから以後も良かったというよりは、WBCの采配を取ったにもかかわらず、勝利したというべきではないかと思う。
原監督は、今回打診されても、WBC監督は受託しないと語っている。

一般的に考えれば、3月というチーム作りに大切な時期に現場の指揮官がいないというのは、非常に大きな問題だ。その上に、WBCでは一心同体で力を合わせて戦った選手たちと、開幕後は敵味方に分かれてしまう。そのことも理不尽に感じられる。

反対に球団の監督が兼務することのメリットは何なのか?「現役監督の勝負勘」だといわれているが、説得力はない。

なぜそんなに無理をしてまで、兼任をさせたがるのがわからない。

人材がいないというのならともかく、前任監督、前々任監督まで考慮すればこれだけの顔ぶれがいる。

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玉石混交ではあるにしても、伊東勤、梨田昌孝、落合博満、古田敦也などの顔ぶれを考慮しても良いと思われる。

自軍のことを考えれば、王貞治会長は秋山監督に兼任監督を依頼するのはふつう考えられない。誠実な人柄だけに、王貞治氏は、コミッショナー特別補佐として、侍ジャパンの人事に大変な責任を感じているのではないかとは思う。

しかし、秋山監督にしてみれば、チームは今日時点で残り7試合。3位、ポストシーズン確定にラストスパートをかけている最中である。ペナントレースの厳しさをだれよりも知る王会長が、今、なぜそれを言うのか、という思いもあろう。
二人の人間関係に亀裂が入らないように、切に願う。

内部でどのようなことが起こっているのかはわからないが、非常に不細工なマネージメントが行われていることだけはわかる。

2013年WBC、そして侍ジャパンをベストの顔ぶれにするために、もう少し知恵を働かせてほしいと思う

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