一昨日、野球の本のフェアでいろいろな方とお目にかかった時も「統一球どう思いますか」という話題が出た。私としては「統一球がMLBの使用球とほとんど同じなのなら、今後も使用するべきだが、一部に言われるようにMLBの球より飛ばないのなら、改善すべきだ。いずれにせよ、検証したほうがいい」という考えだ。NPBの野球は2年間で大きく変わった。
その傍証として、統一球使用前の2010年に規定打席に達していた打者の3年間の推移を見てみる。オフェンス面の総合的なポイントであるRC27がどう変化したかを見る。
参考までにRCもつけた。%は2010年のRC27の数値と比較して、2011年2012年の数字がどう変化したか。えんじ色は規定打席未満。
伸長率順に並べた。

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2010年と比較してRC27が伸びた選手は8人だけだ。
昨年の総括でも紹介したが、ソフトバンクは2011年12球団で唯一、前年よりも打撃の数値が向上したチームだった。それを反映してトップに松田、2位に長谷川とソフトバンク勢が並ぶ。この表にはないが、松中信彦は昨年、統一球によって逆に息を吹き返した打者である。松田は負傷したのが残念だ。

特筆すべきは巨人の3選手。3人ともに2010年よりも成績が上がっている。長野は順調だが、坂本と阿部は昨年数字が落ち込んだが今年は大きくアップ。少なくともこの2人は統一球を克服したといってよいのではないか。

ソフトバンク、巨人ともに統一球に対して何らかの対策をしていたのかもしれない。

中村紀洋は昨年出場機会が減っていたが、移籍し、レギュラーに定着した今年、大きく数字をアップしている。
上位には日本ハムの選手も多い。

2010年時点でRCが100を超えていたベテラン選手の多くは、現在大きく数字を落としている。加齢による衰えに、統一球への対応力不足が追い打ちをかけた感がある。
和田は今年やや復調したが、森野、新井兄、多村、小谷野らは「スラッガー」の看板を下ろすべきだろう。
マートン、ブラゼルの阪神両外国人も大きく数字を落とした。阪神には統一球に対応できた選手がいない。これも不振の一因だろう。

小笠原は統一球によって、引退に追い込まれた大打者として記憶されるかもしれない。今の小笠原は打席に立っても「打つ気配」が全くしない。



統一球を克服した選手たちは、「秘訣」を披露してはどうだろうか。WBCで中軸を打ちそうな選手が非常に少ないことを考えても、球界全体の「打力アップ」は必要だと思う。

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