5年ほど前まで、MLBを代表するスラッガーだった選手に次々と黄昏が訪れている。この秋、ひときわそれが目立ったのはA-RODだった。彼はグランド外では元気なところを見せて却って顰蹙を買ったようだが。
大物選手は、大型契約を終わると一気に評価が変わってしまう。ジーターのようにそこをうまく乗り越えて成績を上げる選手は稀有だ(骨折という試練が見舞ったが)。A-RODは長期契約があだとなって生き腐れのようになる可能性がある。イチローもこのオフは大幅減俸が待っていよう。
大型契約後のダンピングにも関わらず、居場所が定まらない選手も多い。松井秀喜がその代表格。残念だがめっきり実力が落ちたことを周囲に知らしめたために、買い手がつかなくなった。
昨年まではうまく立ち回っていた、ボビー・アブレイユや、ジョニー・デーモンも苦しそうだ。
私が大好きだったゲーリー・シェフィールド、そしてイヴァン・ロドリゲスも現役をあきらめている。
ジェイソン・ジアンビもジャーニーマンとして苦労をしていたが、このオフは何とコロラド・ロッキーズ監督就任の話が持ち上がっている。
今まで書いた顔ぶれ、みんなニューヨーク・ヤンキース=NYYにいた。これは凄いことだ。みんなひとりで客が呼べるスーパースターばかりだ。

NYYには在籍したことがないが、同じように黄昏ているスーパースターにウラディミール・ゲレーロがいる。
彼は昨年、ボルチモア・オリオールズで規定打席に達し.290をマークしたが長打力が衰えて戦力外となり、トロント・ブルージェイズとマイナー契約したもののMLBに上がることなく契約解除された。

guerrero-20121023





この選手は基本的にアベレージヒッターである。MLBでレギュラーに定着してから.290以下の数字を挙げたことがない。その実力はおそらく健在。ただ、膝が悪いために外野守備が難しくなっている。

もともとゲレーロは、守備も売り物だった。独特のがっくりがっくりした走りで球に追いつくや否や、すさまじい送球をしたものだが、今はそれは期待できない。
ただ、あのすべてを薙ぎ払うようなスイングは健在ではないか。素手でバットを振り回す野人ぶりは強烈だった。

その上、ゲレーロは黄昏スーパースターの中では若いのだ。イチローよりも2歳、ジーター、松井よりも1歳下、A-RODと同い年だ。

1975年生まれといえば上原浩治、松井稼頭央、デビッド・オルティーズなどと同い年。学年でいえば(日本だけだが)黒田博樹より1歳下だ(まあ、あちらの国は年齢詐称の可能性はあるけれど)。

私は、NPBでゲレーロを見てみたい。DHが相当だから、パリーグだろうが、どこかの球団でゲレーロに声をかけてくれないだろうか。
まだ、やれるのではないかと思う。長打だって日本の投手相手なら少し数字が伸びそうだし。
200万ドル程度。打撃練習はおそらく見ものだ。今年、遊びがてらやってきたブラッド何たらとかいう肩痛男よりも、はるかに見せ場の多い選手だと思う。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!