予想されたことではあったが、川崎宗則がシアトル・マリナーズ=SEAからFAとなった。おそらくNPBに復帰するものと思われる。
今年のMLB日本人選手の検証は、この川崎から始めたい。
川崎にとって2012年はセンチメンタルジャーニーだっただろう。尊敬するイチローの後を追って、SEAに押しかけ入団。何とかメジャーの座を勝ち取ったものの、7月にはイチローがニューヨーク・ヤンキース=NYYに移籍。つっかえ棒を外されたようになって、残りシーズンを送った。
キャリアSTATS

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61試合しか出ていない。川崎はスプリングトレーニングに招待選手として参加してから、一度もマイナー落ちを経験していない。半年間チームに帯同したが、三分の一強しか試合に出ることができなかった。
月間成績。

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先発出場は29試合のみ。ほぼ、コンスタントに「控え選手」として使われていることがわかる。NPBではこういう選手は珍しくないが、MLBではこのクラスの選手はマイナーとよく取り替えられる。試合にも出ず、落ちもせず、シーズンを過ごすというのは比較的珍しい。

なぜ、こういう成績に終わったか?
正遊撃手のブレンダン・ライアンを抜けなかったからである。この選手はセントルイス・カーディナルスの正遊撃手だった。守備には定評がある。
守備成績での比較。

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守備率というのは守備の実力を反映する数字ではない。不完全ながらもRFがその指標となる。守備範囲の広さでは川崎は大きく後れを取っている。併殺参加数は、途中出場や交代が多い川崎が見劣りするのは致し方ないにしても、RFの差は明らかだ。また、見た目の印象でいえば肩の強さでもかなりの差があった。ライアンの送球は時として目を見張るものがあった。
遊撃手として川崎はMLBの水準にはあったと思うが、ライアンとは差があったと思う。
それを補う打撃があればよかったのだが。

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川崎は二塁打1本しか打てなかった。ライアンより守備で見劣りがし、打撃でも見るべきものがなければ、ポジションは奪えない。

ただ、川崎は故障したわけでもないし、衰えも見られなかった。NPBでは十分にレギュラー遊撃手はつとまるだろう。
新戦力として、各球団の注目の的になるのではないか。

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