2012年の岩隈久志の成績を振り返っておこう。ざっくり表すなら雨のち晴れ、というところだろうか。
キャリアSTATS

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岩隈に関して、最大の懸念材料はコンディションではなかったか。2010年まで200回を投げる体力を有していたが、2011年は右肩を負傷、長期的な戦線離脱もあり、成績は大きく下落した。

シアトルの懸念もその部分だっただろう。そのキャリアを見れば、先発投手として起用すべきなのは明らかだったが、スタミナ、肩の状態には疑問符が付く。
スプリングトレーニング、そして日本でのオープン戦での成績から、開幕時は中継ぎ投手に回された。
ロングリリーフではあったが、使われ方に法則性がなく、岩隈自身も調整に苦しんだことと思われる。
しかし、6月に入って成績が安定、また先発投手のヘクター・ノエシの不振に伴って7月から先発投手に転向。以後、月間5試合ずつを投げて8勝を挙げた。
先発、リリーフ別の成績。

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まるで二人の別の投手がいるようである。岩隈はやはり先発投手だったのだ。
日本人ファンにしてみれば、「ウェッジは最初から先発で使っておけばよかったのだ」ということになろうが、指揮官としては慎重にならざるを得なかったのだろう。

一昨年のポスティングでの失敗を経て海を渡った岩隈は、周囲の不安視を自らの腕で払拭して見せたといって良いだろう。



もう一度キャリアSTATSを見ていただきたい。岩隈はNPB時代よりもK9の数値が上がっている。彼のタイミングを微妙に外す投球は、MLBの各打者をほんろうしたのだ。
しかしBB9も大きく上がっている。日本型の「くさいところを突く」投球に、各打者は乗ってこなかった。このあたりが来季の課題になるだろう。

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