変わったSTATSを紹介しよう。今季NPBの投手の打撃成績30傑。10打席以上。
Pitch-Bat2012


今季、NPBで打席に立った投手はセパ併せて124人いるが、安打を打ったのは57人。10打席以上で打率1割以上は19人。2割以上は5人である。

パリーグの岸がトップ。といっても9打数3安打。パで安打を打った投手は岸を含め10人いる。岸は5/17のDeNA戦で4-1、5/30の広島戦で1-0、そして6/11のヤクルト戦で4-2を記録している。岸はキャリアで5安打(34打数)。

打数が少ないので比較は難しいが、現役の投手で一番打撃が良いのは、ヤクルトの石川雅規ではないか。最多の10安打に加え、最多タイの9犠打も記録している。今期は8勝11敗とやや不振だった石川だが、打席では良い仕事をしたと言えよう。

石川の打撃、キャリアSTATS。

Pitch-Bat2012-2


90安打は現役では山本昌の133安打、三浦大輔の107安打に次ぐ記録だ。長打は少ないが塁に出ようとする努力が見て取れる。また犠打数も83に上る。
NPBでも最も小柄な部類に属する石川だが2002年以来115勝を挙げ、常にローテーションを担っている。投球に加えて打撃でも「何とかしよう」と積極的に考えていることが、こうした成績につながっているのではないか。



今季の投手の本塁打は、8/11のヤクルト戦での巨人ホールトンの1本だけ(昨年は巨人・東野、オリックス・フィガロの2本)。盗塁は0。
折角打席を与えられながら、投手の「やる気の無さ」は年々ひどくなるような気がする。

以前に投手史上最強の打者を紹介したが、かつての投手の打席での覇気は、今やどこを探してもみられない。

今年の日本シリーズ、日本ハムの栗山英樹監督は、巨人の原辰徳監督に「全試合DHで行きましょう」という提案をした。原監督は断った。戦術的には理解できるが、わざわざ打線に「穴」を作るだけという現状では、芸がないという感じもする。
投手が打席に立つ魅力は「10%の意外性」にあると思う。今日の日本シリーズ第2戦では、投手の打席にも注目したい。

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