ダルビッシュのMLBデビューは、決して鮮やかとは言えなかった。NPB時代の無敵の表情は消し飛び、苦しいスタートだった。それからの登板にも物語があった。
今期の戦績 えんじ色はQS

Darvish2012-03




4月、打ち込まれながらも味方の援護で勝ち星を重ねたダルビッシュは、5月に差し掛かる頃にはQSを上げ、成績は安定した。
しかし、話はこれで終わらなかった。ここからダルビッシュの成績は、徐々に落ち込んでいくのだ。
押さえきる登板もあるが、数試合に1度、試合をぶち壊した。そのほとんどが、四球をきっかけとしての大崩れだった。

5月、6月はそれでもリーグ水準程度のERAだったが、7月に入ると大量失点が目立つようになった。
そして8月には、ストライクが意のままにならなくなった。

8/6がどん底。「四球10個出してもチームが勝てればいい」と開き直ったのはこのときだが、ダルはこの地獄から這い上がった。まさにV字回復したのだ。
そのカギがコントロールだったことはこの表のS%の推移でもわかる。

きっかけとなったのは、直接的には捕手がジオバニー・ソトに変わったことだが、それだけではない。質的にも大きく変化している。

面白いのがHOME&AWAYの数字。

Darvish2012-04


ダルビッシュは、投球内容としてはアウェイの方が良い。QS数もERAも被打率も、被本塁打も。
しかしながら、勝ち星は圧倒的にホームで上げている。つまり、ヒッターズパークでダルビッシュはそれなりに打ち込まれるのだが、味方がそれ以上に打ってくれるのだ。ホームのアドバンテージとはこういうものだろう。
小さな数字だが、ホームの方がBB9が低くなっていることにも注目したい。やはりホームの方が安心感があるのではないだろうか。

左右打者別の数字。

Darvish2012-05


確かに左打者に打たれているが、その差はそれほど大きくない。ダルと対戦するチームはずらっと左打者を並べてきたが、それと対戦するうちに克服した印象がある。

ダルは環境に適応したのだと思う。このクレバーさ、柔軟さがダルと松坂大輔の大きな違いだと思う。具体的には、投球の組み立てが変わっていくのだが、これは明日説明したい。

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