わずか1年でMLBの野球を理解し、「答え」を出したダルビッシュ。来季、先発の柱になるのは間違いがない。
テキサス・レンジャーズ=TEXの先発投手陣の成績。

Darvish2012-09


トータルの数字で見れば、ダルビッシュはハリソンに次ぐ2番手投手ということになる。勝ち星でも、ERAでも投球回数でも2位だ。貢献度も2位だと考えてよい。
ただ、刹三振の多さ、被打率、被本塁打の低さを見ると、好調時のダルビッシュはエースにふさわしい投球をしていたことが分かる。
今期は、ダルビッシュを含め5人の先発投手が確立していたTEXだったが、元広島の子ルビー・ルイスが7/18を最後に戦線離脱、フェルドマンが不振。そしてホランドとダルビッシュは合わせて6回先発を外れた。

来季、ダルビッシュが目指すべきはまず32回先発、200回登板の二つの数字だろう。これができれば、他の数字は自ずとついてくる。与四球89は、リーグ4位だった。しかし制球難はすでに克服されたとみるべきだろう。

ハリソンは4度完投している。これはバーランダー(6)、ヘルナンデス(4)に次ぐリーグ2位タイの記録だ。ダルにも完投、完封を期待したくなるところだ。ただ、その優先順位は高くない。それよりもシーズン通して投げることの方が価値が高い。

ダルビッシュはNPB史上で稀に見る数字をいくつも叩き出してMLBに来た。「俺が試合を作ってやる。決めてやる」という自負心は人一倍高かったと思うが、MLBの打者はNPBよりもはるかに強力で、狡猾だった。また、スケジュールもはるかに苛酷だった。チームの勝利を考えれば、ときには打線や救援投手の援護を受けることも必要となった。
クレバーなダルビッシュはシーズンを通して、そのことを理解したのだと思う。彼にとってMLBに「適応する」とはこういうことだったと思う。

9月のTEXの投手陣の成績。

Darvish2012-10




何と日本人投手3人がERAの上位に立っている。オークランド・アスレチックス=OAKが追いかけてくる中、投手陣の中で最後まで踏ん張ったのは日本人投手だった(TEXは、今日、建山に対してオプションを行使せず、FAにしたと発表。上原はすでに昨日FAとなっている)。我々はこのクオリティの高さを誇りに思うべきだろう。

来季のダルビッシュは、シーズンを通してローテーションを維持することが第一目標となる。そして少なくともQSをキープすること。
この二つで、ダルビッシュはさらに飛躍するだろう。

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