チェンは、日本育ちの投手である。まだ台湾の大学生のときに大豊泰昭にスカウトされ、中日にやってきた。エース級の投手となってMLBへ渡った。彼の活躍は、NPBの投手のレベルの高さの一端を示した。かれもMLB日本人選手の中で紹介したい。
キャリアSTATS

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NPB時代のチェンは、当初中継ぎ投手だったが、台湾時代の腕の酷使もあって左ひじを疲労骨折。2年間を棒に振った。
故障がいえてからは先発投手として安定感のある活躍をした。球速は150km/h前後だったが球質は重く、被安打が少なかった。コントロールは標準だったが、塁に走者を出しても球威が変わらなかった。抜群の投球は見せないものの、ローテーションを安定して維持することができた。

MLBに移籍して、打者のレベルが上がったために被安打は増え、被本塁打は激増した。しかし、キャリアで最も多くの投球回を投げた。1年目にしてチェンは、ボルチモア・オリオールズ=BALの先発の柱となったのだ。

戦績を見て行こう。えんじ色はQS。

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シーズン通して「100球」という目安が設けられたようだ。デビュー当初のチェンは、コントロールが良くなかった。四球をよく出した。これはNPB流の「臭いところを突く」投球が、MLBでは通用しなかったことを表す。ストライク率=S%60%は、よくない数字だ。

しかしS%は、毎月上昇していった。ここにチェンがMLBに適応していく過程を見ることができる。

チェンの球質はNPBでは重いほうだったが、MLBでは簡単に打ち返された。被本塁打が大幅に増えたのはこのためだろう。チェンは本塁打で崩されることが多かったのだ。

しかしチェンは好不調の波を繰り返しながらも、ローテーションを維持し、ダルビッシュより3試合多い、32試合に登板した。このことは評価されてよいと思う。

首脳陣にとっては計算できるスターターとなったのだ。

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