黒田博樹の真骨頂は、「試合を作る能力」という言葉に集約できるだろう。胸のすくような快投はそれほどない。見せ場も作らない。けれども、試合をぶち壊さない。指揮官にとっては、頼りがいのある投手なのだ。
MLBに移籍してからの黒田の全投球を全部一度に眺めてみよう。
黒田は一試合だけ救援登板している。これを青字にした。QSは黒字。赤は、5回未満で降板するか、7回未満で降板して5自責点以上奪われた試合。試合を壊した、という解釈。グレーは、それ以外の試合。QSはできなかったが、それなりの試合をした試合。

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1年目は6月と9月に息切れをした。しかし31回先発。2年目は、開幕投手を務めたが左わき腹痛に加え打球を頭部に受けて、戦線離脱。
3年目以降も安定した成績を上げている。
黒田は4月、5月に成績のブレが大きく、試合を壊すことが多い。しかし6月以降はほぼ安定した投球をする。ただし、シーズン終盤に一二度崩れることがあった。
今期は、6月以降、大崩れをしなかった。特筆すべきは、QS未満だが「試合は壊さない」試合が多かったことだ。
集計する。

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2012年は、QS未満の「粘りの投球」が9試合。8月以降の黒田は中4日ローテーションを守りながら、徐々に投球の精度が落ちている印象があった。
対戦相手はタンパベイ・レイズ=TB、オークランド・アスレチックス=OAKなど、ポストシーズンを目指してしのぎを削っているチームだった。
CCサバシアが離脱する中、こうした強豪を相手に、黒田は死闘を繰り広げたのだ。
NYYの高い評価は、この「粘り」に対して得られたと言っても良いと思う。



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