NPBでもMLBでも、戦力補強をしなかった球団は、確実に没落する。阪神はその好例となった。
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昨年1軍の試合に出た野手は一人もチームを出なかった。戦力外になったのは、ファーム暮らしだった桜井広大ら。そして新戦力も補強しなかった。

現状維持を図ったチームで、翌年成績が上がった例は非常に少ない(近年のアトランタ・ブレーブスは例外だが)。選手は確実に1歳年を取るし、主力選手が2年連続で好成績を上げる保証はどこにもないからだ。ベテランが多い打線はなおさらだ。

フロントが何もしなかった結果、今季の成績大下落を招いたのだ。

統一球1年目の昨年、比較的対応できた阪神野手陣だが、今季は大不振に陥った。ブラゼル、マートンの両外国人が不振、そして打点王をとった新井兄も全く打てなくなった。

さらに平野、鳥谷も成績を落とした。まだ金本が頼もしく見えたくらいである。

捕手は城島が使えず、藤井も負傷。この二人は同級生であり、これに続く選手を育成していなかったためにシーズン開幕後今成亮太を日本ハムから獲得した。まさに不作為を象徴するような動きだった。

オフェンス面各データのリーグ順位。

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リーグ上位だった打線は、最下位に近いレベルまで下落した。ここまで落ちるのも珍しい。

阪神のレギュラー選手たちは、安心しきって野球をしてきたのだ。自分の地位を脅かすライバルも若手もいない。人気球団でもあり、弛緩した空気が漂っていたのだろう。マートンをめぐるトラブルもこうした空気の中で生まれたと思われる。

シーズン終盤に中村勝広GMが就任。金本、城島という高額所得者が引退し、ブラゼルを解雇、平野もFA。西岡剛を争奪戦の末に獲得。大ナタを振るい始めた。
その動きは派手派手しいが、地に足がついた感じがしない。

個人的には、トラブルメーカーになりつつあるマートンを残してブラゼルを放出したのが理解できない。打席数は少なかったが、本塁打率は今季もチーム1位だったのだ。新井兄を控えに回しても、一塁に固定すべきだったと思う。

若手の伸び悩みがあるため、外部からの補強は不可欠だ。昨年の藤井彰人の獲得のような、しっかりした根拠のある補強をしてほしいと思う。



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