打線の補強の目玉は村田修一だったが、期待を裏切った。しかしそうする必要がなかったほどに、既存選手が活躍した。
村田修一はアレックス・ラミレスと結果的に交換トレードのようになった。村田がOPS.690、RC58.7に終わったのに対し、ラミレスはOPS.806、RC68.9。完全に赤字取引だった。もっとも今季ラミレスが残留したとして、原監督がフルで起用することは考えられなかったし、モチベーションも違っていただろうが。
それよりも阿部慎之助、長野久義、坂本勇人の3人が、リーグで別次元の選手のような活躍をした。
3人のRCの合計は2011年に232.9だったのが、2012年には303.8に。ほぼその増加分が積み上げられた形だ。3人のRCがチームに占める割合も46.4%から51.8%となった。
注目すべきは四球数が323から455へ急増したこと。これはNPB史上最も早打ちの打者だったラミレスが移籍し、長野、阿部が前年より62個も多く四球を得たことが大きい。
オフェンス面各データのリーグ順位。
本塁打が減ったのはラミレスと村田の差分だと考えられる。その他の数値は大幅に上昇し、リーグトップとなった。
今季の巨人打線は、長打力ではなく、打率、出塁率など打線の生産性に関わる数値が増えたのだ。
3人ともWBCにフル出場しそうなことが懸念材料だが、働き盛りの3人の打者はしばらくは、高い数字を残し続けるだろう。
来季に向けて巨人は、小笠原、高橋由など力の落ちたベテランの穴埋めをすることと思われる。テキサス・レンジャーズ=TEXのマイク・ナポリの獲得などが噂されているが、そうした上積みがなくても、打線の優位は動かないだろう。
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トータルでは“黒字”だったと断言できるでしょう。
何より昨季はスタメン三塁が
“古城32試合・亀井32試合・ライアル25試合・フィールズ19試合・寺内18試合”
とグダグダだったのが、今季は村田で1年間固定できました。
打撃も慎之助の後の5番としては心許ないですが、6番or7番としてなら十分脅威でしょう。
加えてラミレスの抜けた左翼には、
そろそろ右翼としては厳しくなって来た由伸や佳知を回して外野守備が固められました。
仮にラミレスが残留してたとして、広尾様も仰ってる通り
広い球場では昨季後半のようにスタメンを外れる事が多くなってたでしょうから、
今季の打撃成績は残せなかったでしょう。
そもそも交換の様になったのは結果論に過ぎず、巨人にとっては
『ラミレスが退団し村田も獲得できず』か『ラミレスは退団したが村田を獲得できた』
かの2択だった訳ですから、2人を比較しても余り意味が無いんですけどね。