ネットのコラムで江本孟紀氏が、「弱者救済の美談じみたシステムやキレイ事は止めろ!!」という見出しで、NPB各球団でばらばらになっている育成制度を批判していた。育成選手を取るチームと取らないチームがあるのは意味が解らないとし、それなら独立したマイナーリーグを作る方がましだとの意見だ。
【エモやんのワイルドピッチ】




NPBでは、2軍の試合でさえほとんど出場できない選手が何人かいる。育成選手の中には、公式戦に一度も出ないままに契約を解除される選手さえいる。江本氏は見込みもないのに育成選手を取ることを問題視しているのだ。

NPBは各球団70人もの支配下選手がいて、さらに育成選手もいる。しかしその大所帯が1年に消化する試合数は1軍144、2軍110前後でしかないのだ。

MLB各球団はマイナーチームをそれぞれ7球団前後持っている。メジャー、マイナーは合わせて210人前後の選手が在籍するが、試合数はメジャー162、マイナーは合わせて900前後の公式戦を消化する。多くの選手は力量に合わせて試合に出場し、評価されて昇格していくのだ。

日本の野球は、もっと公式戦が必要だと思う。その観点からファーム、マイナーリーグを整備する必要があると思う。
現在、日本で、プロ野球のリーグは以下の通り。球団名の横の数字は2011年の試合数。

farm-20120113-01


関西独立リーグは無給であり、レベル的にも運営面でもBCリーグや四国アイランドリーグよりも見劣りするが、一応アマチュアではないと考える。

もともと私は、独立リーグを含めたマイナーリーグの再編をすべきだと思っている。プロ野球のすそ野を広げるためにも、成長途上の選手の試合数を確保するためにも、独立リーグを取り込んだマイナーリーグの創設が必要ではないかと思う。
たとえば、こんなイメージである。

farm-20120113-02


Dはディビジョン。NPBの1軍も再編する余地があるとは思うが、それは他日に譲る。NPBの2軍、3軍(育成枠含む)をD2、D3とし、ここに独立リーグのチームも加えてマイナーリーグを作るという考え。移動の経費を考慮して地域別にリーグをつくる。試合数はせめて100試合はほしい。

表ではNPBのファームチームも球団名を名乗っているが、静岡ドラゴンズとか、尼崎タイガースとか、チーム名は親チームと変わっても良い(むしろ変わるべきだ)。2軍ではなくて独立したマイナーチームという形だ。
全体の運営は、NPBが統括して行うが、個々のチームは原則として独立採算とする。マイナーチームの運営を通じて、フロントのスタッフも育成すればよいと思う。

「こんなにたくさんチームを作っても、お客が来ないんじゃないか」と思われるかもしれないが、四国アイランドリーグやBCリーグは、地道な取り組みによって毎試合1000人前後は入るようになっている。NPB機構がマイナーリーグの広告、広報を支援することで、観客数を確保することは可能ではないか。

D2、D3選手の年俸は、現在のNPBの2軍選手よりも少なくても良いと思う。D1との格差が大きければ大きいほど、上昇志向は高まると思う。D1チームの下部球団はドラフトで獲得した選手を割り振る。独立リーグ系の球団は独自に選手を獲得する。当然、トレードや移籍もある。

景気低迷によって社会人野球が細っていく中で、マイナーリーグが受け皿となれば裾野を確保することもできると思うのだが。いかがだろうか。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!