今年に入ってシアトル・マリナーズ=SEAは、昨年売り出した右腕マイケル・ピネダとマイナー投手ホセ・カンポス(18歳 マイナーで14勝10敗ERA3.26)をニューヨーク・ヤンキース=NYYに放出し、トレードで捕手のへスス・モンテロと右腕ヘクター・ノエシを獲得した。
SEAの目玉はへスス・モンテロだ。

Jesus Montero2012-0117







ベネズエラ出身。ドラフト外で入団。強打の捕手として頭角を現した。ベースボール・アメリカのプロスペクト・レイティングでは2009年38位、2010年4位、2011年3位と評価はうなぎのぼりだった。

魅力は何と言っても長打。AAAでも20本前後の本塁打を放っていたが、昨年9月1日、ロースターが40人枠になるとともにMLBに昇格したモンテロは5日のボルチモア・オリオールズ戦で5回、ジム・ジョンソンから右翼へメジャー初本塁打。続く7回も同じ投手から右翼へ連発。9日のロサンゼルス・エンゼルス戦では3回、ジャレッド・ウィーバーから今度は左翼に一発。さらに24日のボストン・レッドソックス戦では6回、田澤純一から右翼へ特大の一発を放り込んだ。シーズン終盤の4発で一気に名前を挙げた。

モンテロは捕手として登録されているが、マイナーでは346試合で48個ものパスボールを記録。また盗塁阻止率は21%に過ぎない。NYYでは捕手としては3試合にマスクをかぶっただけだが、4つもパスボールをしている。巨漢でもあるし、守備の動きは鈍そうだ。

正捕手としてミゲル・オリーボがいるSEAはDHとしての活躍を期待しているのだろう。30球団一弱体な打線の軸になることが求められているのだ。

まあ、意図はわからないではないが、過去にSEAは長距離打者と前評判の高い選手を獲得しては失敗を続けてきた。リッチー・セクソン、エイドリアン・ベルトレ、ラッセル・ブラニャン、若手では一昨年夏に獲得したジャスティン・スモーク。彼らは「本塁打をたくさん打つ」と期待して獲得されたのだが、広いセーフコ・フィールドでは本塁打は当然ながら減る。打者としての粗さだけが目立つようになる。

SEAに必要なのは、振り回す打者ではなくアベレージが取れるシュアな打者ではないか。

後半には息切れしたものの、昨年9勝を挙げ、フェリックス・ヘルナンデスに次いでローテーションの柱になることが確実視されたピネダを放出してまで獲得すべき選手だったかどうか。疑問を抱かざるを得ない。

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