前日本ハムの田中賢介が、サンフランシスコ・ジャイアンツ=SFとマイナー契約。スプリング・キャンプの招待選手となった。妥当なところだろう。
1年早くMLBに挑戦した川崎宗則が、基準となったはずだ。NPBの成績的に大差ない田中賢介がマイナー契約だったのは致し方ないところだ。

SFは、2012年のワールド・チャンピオン。派手な補強はせず、地道な選手育成とマネジメントの巧みさで実力を蓄えてきた。
また、本拠地のAT&Tパークは、MLB30球団の本拠の中で29番目に本塁打が出にくい。派手な打ち合いではなく、守り勝つ野球が身上のチームだ。

そういう意味では良いチームを選択したと言えるだろう。

昨日時点でのSFの内野手のロースター(田中は未登録だが)。昨年の実績をつける。
色つきは非MLBでの成績。文字のえんじ色は招待選手。

Kensuke Tanaka20120111




一塁のベルトは左打者でややパワー不足だが、田中はこの選手の代役は期待されていない。

二塁のスクータロは、昨シーズン途中にコロラド・ロッキーズから移ってきた。ユーティリティのジャーニーマンだが、このところ打撃が好調で、評価が上がっている。ただ、37歳という年を考えると、田中にもこのポジションを狙う余地はあろう。

三塁はチームの顔の一人、パブロ・サンドバル。昨年のワールドシリーズで、バーランダーを撃破してMVPになった。「太ったイチロー」という異名があり、広角に飛ばす技術に長けている。しかし180cm109kgという肥満体であり、体調管理面で問題があるとされる。ここ2年で99試合欠場。田中がカバーする可能性はあろう。

遊撃は、2年目のブランドン・クロフォード。守備の名手との評価がある。控えは下積みが長かったドミニカ出身のホアキン・アリアスが守った。

このポジションは万全ではないようで、マイナー選手のヌーナン、アドリアンザ、そして元ヤクルトのバルデス、田中にもチャンスが与えられるようだ。

ヌーナンは将来、トッププレイヤーになると目されたプロスペクトだ。2007年のSFのドラフト1順目、デビット・プライスやマット・ウィータースの同期。高卒で大切に育てられてきた感がある。長打はないが身体能力の高い選手だ。彼が本命だろう。

アドリアンザは、ベネズエラ出身。足が速いが打撃は粗っぽい。

そしてバルデスは2008年に少しだけヤクルトにいた。マイナー時代はシュアな打撃が期待されていたが、今は典型的なユーティリティ。便利遣いである。

そして田中。乗り越えるべき選手は多い。ここは守備の確かさと、堅実な打撃でアピールするしかない。ただ、生き残ったとしてもユーティリティだろうが。

スプリング・トレーニングで実績を残してMLBに引き上げられる可能性は高いだろう。AAAクラスの選手に比べれば、力量は抜きんでている。
また、首脳陣がNPBの一流選手を一度も試さないことも考えられない。

ただ西岡剛に抱いたような過大な期待はしていないはずだ。

田中はMLBの試合にちょこっと出るレベルならすぐに実現できるだろう。しかし、レギュラーに定着して2年目の契約をメジャーで結ぶことができるかどうかが問題だ。
特に打撃でいいところを見せなければならない。

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