日刊ゲンダイによれば、巨人を除く球団が、WBC山本監督に「いい加減にしろ!」と怒っているのだそうだ。
同誌によると、WBCに最多の8人が代表候補入りし、原監督がシニアアドバイザーに収まる巨人に山本監督が気を遣いまくっているという。
本戦では坂本が遊撃にまわるので阪神の鳥谷は二塁にコンバートされるだろうし、故障もちの杉内は先発でも救援でも希望するポジションをあてがわれるだろう。さらに、巨人の橋上コーチがWBCでもコーチを務め、阿部が捕手だからライバル球団のサインや作戦は丸裸になる、で「いい加減にしろ!」と怒っているという。

例によって 某セ球団の「関係者」の発言。

誠に不思議な記事だと思う。過去2回のWBCを見ても、WBC後、レギュラーシーズンで成績を下げた代表選手がたくさんいる。あのイチローでさえも、胃潰瘍などで休場を余儀なくされたし、当時横浜の村田修一はWBCの故障でシーズンを棒に振った。松坂大輔が不振に陥ったのもWBCからだ。
どう考えても、巨人が一番負担が重いと思うのだが。

巨人にしてみれば、日本ラウンドのプロモートを読売グループがする手前、膝元からたくさん出場させざるを得ないが、リスクが多すぎると感じているはずだ。特に故障持ちの阿部慎之助、杉内俊哉など、できれば外してもらいたいのではないか。
ゲンダイは文末で、『「巨人はWBCに根こそぎ持っていかれて、公式戦に不利になる」という声も聞こえてくるが、』とは書いてはいる。ふつうに考えれば、巨人の方が大きなリスクを背負っていると思うのだが。

日刊ゲンダイは、新聞ではなくて「日刊雑誌」なのだそうだ。だから運動記者クラブに入っていないのかもしれないが、憶測記事が多い。それもお粗末すぎるものが散見される。
2011年の前半には、不振をかこつイチローが、「シーズン中に放出されるかもしれない」と書いた。契約を1年残して放出することなどあり得ないが、センセーショナルな表現を使ったのだ。

昔の大阪人の言い方でいえば「口の端に交番がないと思て、言いたいこと言うてる」という感じがする。

こうしたセンセーショナルな見出しを立てれば、ネットやマスコミは食いついてくる。ひとしきりアクセスは稼げる。ただ、それによって、いらざるトラブルの種をまいたり、世間の偏見を醸成することもしばしばある。

私たちブロガーは取材の権限を有していない。だから憶測で書かざるを得ないのだが、それだけに「まとも」な憶測をしようと思っている(にもかかわらず、批判をいただくことがままあるが)。



率直に言って山本浩二監督の手腕には、疑問を感じている部分もあるが、功成り名遂げて殿堂入りの大選手の山本が、選手の待遇に極端な差をつけるとは思えない。
「WBCで三連覇する」という重責の上に「巨人は特別扱いする」というミッションを上乗せすることはありえないと思うのだ。
現場を離れて久しい分、おそらくは腫れ物に触るように選手を使うはずだ。そこに問題があるとは思う。

いやしくもマスコミの一翼を担うメディアが、話題欲しさに「揣摩臆測の類」で記事を書くのはいかがなものかと思う。しかも、その「憶測」に無理がありすぎる。稚拙すぎる。
火のないところに煙を立たせるためには、無理に火を起こす必要があるのかもしれないが、それにも「程」というものがあるだろう。

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