少し前まで、振り回すばかりだった陽岱鋼だが、WBCでは素早くバットを振っている。若い頃の松井稼を思わせる風貌で、油断も隙もない選手になった。
陽岱鋼は、1回には凡退したが、3回、先頭で三遊間の深いところに内野安打を打って橋頭保を築き、4番林智勝の安打、センターがもたつく間に先制点を挙げた。
昼の試合でオランダが勝ったため、韓国は6点差以上をつけて勝たなければならない。ここに詰みあがる1点はあまりにも大きい。
場内は一塁側の一部を除いて。台湾一色。完全なアウェー。
4回には2死からイェン・ウェン・クオが二塁打。これを陽岱鋼が中前へ抜けるしぶとい当たりで返した。
どんな状況でも仕事をする男になった。
場内は鳴り物と大応援のるつぼ。韓国も、台湾も似たようなもので、試合そっちのけに大騒ぎをしている。これは、はたから見ると実に格好が悪い。日本の大応援も海外からは同じように映っているのだと思う。
6点差をつけて勝つためには8回までにそれを成し遂げなければならない。5回には李大浩の安打で李容圭が本塁に突入して憤死。焦るが点が取れないままに、じりじりと追い詰められていく韓国。0-2のまま。
8回、この回で8点以上を取らなければ負けの韓国。立ちはだかるのは郭泓志。李スンヨプが二塁打。なかなかの名勝負。続く李大浩のときにPBでスンヨプ三進、李大浩タイムリー。さすがの二人だ。
金賢洙は三振、田埈玗は四直、しかし姜正浩は逆転2ラン。韓国の根性はえらいものである。しかしまだ5点差、これは理不尽だ。得失点差は野球にはそぐわない。
最終回、韓国はただ意地とプライドのために野球を続ける。台湾は1位通過にモチベーションを切り替える。変な試合だ。
一死から陽岱鋼、このプールのMVPが決まった。しかし三振。抑えの呉 昇桓は無表情に最終打者林哲センを二飛に切って取った。
最終成績
オランダ戦での不覚が最後まで祟った。韓国では明日から責任論が喧しくなることだろう。
クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。1971年の救援投手陣 パリーグ
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!
↓
なかなか連打が出ない、打球が正面を突くなど、運が向いてないと思わせる場面も何度かありましたね。
先発投手も前評判よりは良かったし、リリーフはほぼ完璧でした。
にも関わらず勝てないということは、韓国代表チームは、ロースコアで僅差のゲームでしか勝ちきれないというチーム構成なのか。打者のパワーでは日本を上回っているように思いましたが、出塁能力や一つ先を狙う走塁能力の上積みがないため、相手のスキにいま一歩つけ込めない嫌いがあるかも知れない。
全体としてはそう悪いチーム編成ではなかったように思います。今回に関してはオランダと台湾が好調で、「相手が悪かった」ということではないでしょうか。
しかし最も実績のある郭泓志だけが打ち込まれるとは・・・
球速も147kmは出ていたのに、各打者が狙い球を絞っていたようだったので、事前にしっかりと研究して郭対策を練っていたんでしょうか。