MLBの公式サイト、ESPNなどはプリンス・フィルダーがデトロイト・タイガース=DETと9年、2.14億ドル(164億円)で契約したと報じている。MLBストーブリーグというパズルの、大きなピースの最後の一枚がはまったということだ。
P-Fielder-20120125





日本では阪神にいたセシル・フィルダーの倅として知られているが、MLBでは早熟の長距離打者として知られる。父親のセシルは190cm、125kgの巨漢だったが、プリンスは180cm125kg。父親をぎゅっと押しつぶしたような体型だ。

豆タンクのような体型ながら、手首が非常に柔らかく、左右に本塁打を打ち分けることが出来る。230本の本塁打のうち、左翼、左中間に44本、センターに38本、右翼、右中間に148本打っている。ただし、一塁の守備はうまいとは言えない。

短躯で本塁打を量産するという意味では、左右の打席の差はあるが、おかわりこと中村剛也とイメージが重なる。バットにボールを載せて運ぶ術の確かさ、インパクトの直前まで体の力を抜いて、飛距離を伸ばす技術などは共通しているのではないか。

昨年は38本塁打とやや物足りない本数だったが、二塁打が増え四球も107。敬遠四球32はリーグ最多。まだ今年で28歳だが円熟味が増したように思える。

DETは、DHに予定していたビクター・マルチネスが前十字じん帯断裂で、今季絶望となった。中地区の連覇を目指すDETはこれで獲得を決意したようだ。代理人スコット・ボラスにはずいぶんぼられたのだろう。MLBで最強の打者になろうとしているミゲル・カブレラとのコンビは楽しみだ。ぶくぶく太ってきたカブレラだが、プリンスとならべば幾分スリムに見えよう。

しかし、これでプホルス、フィルダーとナリーグの看板打者が二人もアリーグに移籍。去年のエイドリアン・ゴンザレスの移籍もあり、アナの打撃の格差はますます大きくなろう。反対にいえば一昨年のロイ・ハラデー、昨年のクリフ・リーなど好投手は強力打線を避けてナリーグに移籍するのかもしれない。

これで松井秀喜のDETへの目はなくなった。ニューヨーク・ヤンキース=NYY復帰か、オークランド・アスレチックス=OAK残留か。いずれにせよ年俸は大幅に下がるうえに、出場機会も保証されないだろう。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひ、コメントもお寄せください!