【2009年1月27日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

さて、2008年のSTATSを1試合ごとに見ていくうちに、面白いことが見えてきた。盗塁というプレーは、塁を1つ進めるということ以上に、バッテリーやチームに与える影響が大きい。

それだけに、守備側は、やられっぱなしになることを恐れるようだ。
エルズベリーは、実質、2008年のデビュー。その印象を鮮烈にしたのが、4月のヤンキース戦である。4/12、13と連続で強肩のホセ・モリーナから盗塁を奪った。続く4/17のヤンキース戦では、今度は3番手のモ―ラーから2盗塁。ヤンキースはこの3戦共に接戦で落とした。

首脳陣は、同地区のライバルチームの先頭打者であるこの男を調子づかせてはならないと痛感したのだろう。次の対戦以降は徹底的にマークするのだ。シーズン中盤、6月以降は完ぺきにエルズベリーを封じ、同時に対戦成績も優位に転じたのである。

以下がその戦歴だ。ヤンキースにとって、エルズベリー封じが対ボストン戦略の重要な部分を占めていたことがうかがえる。これが捕手対走者の個人的な戦いでないことは、弱肩のポサダも一度刺していることでうかがえる。

ichiro08-03-01





イチローで興味深いのは、イヴァン・ロドリゲスとの勝負である。今季の盗塁阻止率は32.47%とやや衰えの見えるI-RODだが、イチローとの対戦では燃えているようなのだ。今季、イチローは、二桁の連続盗塁を16、15と2回しているが、その2回ともに記録を止めたのがI-RODなのだ。イチローもおそらくはライバル意識がある。だから5/30、1回に刺されたイチローは、6回、すでに10点差がついていたにもかかわらず、再度I-RODに挑み、盗塁をもぎ取っている。

ichiro08-03-02


I-ROD37歳、イチロー35歳。ともにMVP受賞歴のある大スターの意地のぶつかりあいだ。来期の行き先の見えないI-RODだが、ぜひ、来年も名勝負を繰り広げてほしい。

STATSは、選手の実力だけでなく、選手同士のプライドや様々な心理も読むことができる。イチローは、MLBという舞台で、偉大な選手たちとレベルの高い「技」を競い合っているのだ。