これは今WBC最大の朗報かもしれない。オーストラリア戦、日本戦で水際立った好投を見せた王建民が、ニューヨーク・ヤンキース=NYYとマイナー契約をした。
他の要因は考えられない。何しろ王建民は昨シーズン後ワシントン・ナショナルズ=WASとの契約を解除され、FAとなっている。以後、登板の機会はWBCしかなかったのだから。
WBCでの2回の登板の記録。

Chien-Ming Wang01


併せて12回を投げて10安打を打たれながら無失点。三振はわずかに3個、四球も1個、内野ゴロが19個、併殺が3、打たせて取る大エースだったころをほうふつとさせる見事な投球だった。
特に先頭打者を完全におさえているのは試合巧者を感じさせる。

速球は140km/h台前半だった。全盛期の球速には遙かに及ばないが、タイミングを狂わせる投球は復活しているように思えた。まっすぐに見えて微妙に変化するシンカーは見事だった。
キャリアSTATS

Chien-Ming Wang02


連続19勝を挙げたのはもう6年も前の話になった。以後のSTATSを見ていると、本当に苦労してきたのだな、と思う。

ワシントン・ナショナルズに移ってからは2年連続で、Aからピラミッドを這い上がるようにマイナーの各レベルで投げてMLBに上がってきた。

しかし、2011年も12年もMLBでは実績は残せなかった。



厳しいMLBで、そのまま通用するかどうかは微妙なところだが、遅い球でも打ち取るすべを身に付けて、再生したとすればこれは快挙だ。

WBCというショーウィンドウから。スター投手が再び復活したとすれば誠に喜ばしい。
マイナーからの再挑戦を注目していきたい。


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Classic Stats


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