故海老沢泰久さんは、投手の勝率を重要視される方だった。1995年頃だったと思うが、当時ロッテの小宮山悟が待遇改善のようなことを言い出した時に、「デビューから5年連続で負け越している投手が」と怒っておられた。確かに小宮山はデビューから5年で39勝64敗と勝率4割を切っていた。
私は、投手の勝敗はバックスの援護や運に左右される部分が多いので、ほとんど気にしていなかった。セイバーメトリクスの考え方でも勝敗は等閑視されている。しかし、考えてみれば野球は勝敗で順位を争うゲームだから、意味がないとはいえないのだ。一度調べてみることにした。

日本の投手成績は、規定投球回数が年によって違う。これを基準にできないので荒っぽいが130回以上投げた投手にした。勝率8割以上の投手。えんじ色は昨年時点でNPBの現役選手。

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1981年に間柴茂有が勝率10割を記録。大洋、日本ハム、ダイエーで投げた。スリークオーターの細身の投手だと記憶している。81年のこの記録には、宇佐美徹也さんが「狙って取ったもので価値は低い」とかみついていた。宇佐美さんにしてみれば杉浦忠の38勝4敗こそが神聖な勝率の記録であり、間柴はそれを冒涜するものだ、という思いだったと思う。間柴は通算81勝83敗と負け越している。この年がフロックだと言われても仕方がないところだ。

最高勝率は、パリーグでは今もタイトルだが、セリーグでは1973年以降表彰から外れている。実力よりも運が左右する要素が多いと思われたからだろう。

しかし21世紀以降、間柴に迫る勝率を記録する投手が何人か出てきている。2005年の斉藤和巳と2007年の成瀬善久だ。パリーグが勝率を表彰対象にしていたことが大きいのかもしれない。

内容的には2007年の成瀬の方が良い。ERAもWHIPもSO/BBも素晴らしい。
肩を痛めて2008年以降投げていないが、斉藤和巳は2003年にも.870。通算でも79勝23敗.775とすごい成績を残している。杉内など同僚からは投げられないのに優遇され過ぎとの批判があるようだが、チームが彼の功績に報いたいという気持ちはわかる気がする。

勝率8割以上を3度記録したのがスタルヒン(巨人)、2度は西村幸生(阪神)、若林忠志(阪神)、大友工司(巨人)、堀内恒夫(巨人)、山田久志(阪急)、斎藤雅樹(巨人)、工藤公康(西武)、斉藤和巳(ダイエー、ソフトバンク)岩隈久志(近鉄、楽天)。

こうして見ると、高い勝率を上げるためには、実力に加えてバックスが強くないとだめだということが分かる。
一部にラッキーな投手がいるにしても、この顔触れはそうそうたるエースぞろい。意味が全くないということはないと思う。

※2004年の楽天岩隈が抜けていました。修正しました。

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