これだけいい投手がそろうと、確かに壮観だ。しかし、それでも懸念材料があるのが巨人というチームだ。
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パリーグのエース級を2人取ったうえに、新外国人マシソンを獲得したために、全投手の昨年の先発(GS)試合数を合計すると190になった。144試合だから、46回も多い。明らかに先発投手がだぶついている。巨人はこういう状態が大好きだが、いいことは思えない。

まずローテから削られる投手が出てくる。昨年の東野のように、抑えや救援に回される投手も出てくるだろう。彼らのモチベーションは上がるはずがない。その上に、ローテの間隔が開きすぎる。これまでNPBで6人のローテーションを実現した球団はないが、本当に6人で回して休みが1日入れば、8日に1度しか先発がまわってこない。これでは調整が難しすぎる。ローテを維持しても規定投球回数に届かない投手も出てこよう。そして、若い先発投手が育たないことも深刻だ。菅野をドラフトで獲得していたら、どうするつもりだったのだろう。

新外国人のマシソン。カナダ人だ。

G-2012Pitch-2


2002年フィラデルフィア・フィリーズ=PHIの17順目。同期にプリンス・フィルダー、ザック・グレインキ、スコット・カズミアなど。2度のトミージョン手術をしているが、28歳と若い。昨年はAAAで先発投手だった。球威はあるが制球に難あり。救援投手としてのキャリアは浅いが、ローテで使われる可能性は低いだろう。

先発の充実ぶりとは対照的に、救援投手陣は手つかずだ。他チームが、セットアッパーやクローザーにエッジの立った精鋭を投入する中、巨人は“先発失格組”を投げさせているという感がある。首脳陣は「先発と救援は違う職種」ということが未だに理解できないように思える。

昨年、セットアッパーとして無難なマウンドを見せたアルバラデホを解雇したのは、外国人枠を開ける意味があったのかもしれないが、これも不可解だ。

松井秀喜獲得か、というニュースが流れたニューヨーク・ヤンキース、キャッシュマンGMは「FA選手獲得よりも余剰気味の投手のトレードが先決だ」と話した。MLBでは、戦力不足を補うことも大事だが、選手のだぶつきも問題視するのだ。「他球団のレギュラークラスが控えでごろごろしている」と喜ぶのは時代錯誤だ。

大きなアクシデントがない限り、ポストシーズンに進むのは間違いないだろうが、去年のソフトバンクのような「圧勝」ではないと思う。

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