山井のノーヒットノーラン、誰もが思い出すのは6年前の日本シリーズでの8回までパーフェクトだろう。昨日の試合が無ければ、山井はそれだけで記憶される投手になったかもしれない。
キャリアSTATS

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時折ものすごい投球をするが、一度も二けた勝利がない。先発に固定されることもなく、さりとてクローザー、セットアッパーに専念するわけでもない。右ひじの故障持ちでもあり、シーズン通しての活躍が少ない。

昨年は救援投手として昭和の投手のような数字を残したが、今季は開幕から低迷。5/29から先発に転向している。
昨日の成績。

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DeNAはナイジャー・モーガンが6月に入って41打数15安打7四球4死球2本塁打10打点とにわかに打ち出した。
「水戸黄門」のテーマで登場し、「名月赤城山」のように、バットを垂直に立てる姿に、私はすっかりファンになってしまったが、このモーガンが3番に固定されたことで、やや下り坂のブランコの負担が軽減された。

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表に味方が先発井納から大量7点を取ったので、緊張感は一気に失せてしまった。
立ち上がり、もともと早打ちの石川がフルカウントまで粘るも二ゴロ。4シームがきわどいところに決まっている。

山井はスライダーが小さく、鋭く曲がっている。フォークも落ちている。2回、3回は三者凡退。

4回、石川がまたも粘って四球で歩く。しかし山崎がフォークをひっかけて併殺打。モーガンが歩く。しかしブランコは遊ゴロ。
この頃までは、安打が出るのは時間の問題かと思われた。

5回にも多村が歩く。しかし後続が出ず。

6回、またまた石川が四球で出塁。この日のDeNAは、ほとんどの打者が初球を見逃した。突如崩れることも多い山井をじっくりと見ていこうというところだが、この消極性が、山井に幸いしたと言えよう。
6回は制球が定まらず、苦しい登板だったが、7回以降はDeNA打線に粘りが無くなった。とりわけ5人の交代選手があっさりと凡退したこともあり、山井はノーヒッターを達成した。
115球は効率的だった。

もう山井は35歳。完封はキャリア3度目。急成長を求めるのは難しそうだが、6年前の呪縛から解放されて、活躍するかもしれない。注目したい。

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