「やった、やった、またやった、大橋がやった、またやった!阪急電車ではよかえれ!」大阪球場で、阪急の名遊撃手大橋穣がエラーをすると、南海ファンはこんな風にはやし立てたものだ。立て続けにエラーが出たときは「あーあ」「あーあ」。野球は弱いくせに、南海ファンは底意地が悪かった。
昔の野球と今の野球、いちばん違うのは「失策数」だ。
シーズン最多失策の記録。

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柳 鶴震(やなぎつるじ)群馬県出身の遊撃手。のちに大塚鶴雄となる。この選手は1試合に1個弱失策していたことになる。

以下、50個以上の失策を記録しているのはほとんどが遊撃手だ。参考までに表の下にポジション別の最多失策を記した(試合数には他のポジションでの出場も含まれている)。

いちばん新しい年度で1955年。この当時のグランドの多くは今のように水を撒いた柔らかい内野ではなく、カチカチの土だった。またグラブは5本の指が独立した手袋型が多かった。

この当時は1試合に数個は失策が出るのが前提だったのだ。

ちなみに、21世紀(2001年以降)のシーズン失策数30傑。

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昔の野球とは別種の競技だという気さえする。現代の野球は失策は「あってはならないこと」になりつつあるのだ。

フェルナンデスという選手は今年も命を永らえたが、守備面では相当マイナス要素を持っている。

現代の野球でも失策数が多いのは遊撃手だが、今は他の野手と失策数は大差がない。ここ半世紀ほどに、遊撃手の守備が飛躍的に向上したことがうかがえる。

ちなみに大橋穣の最多失策は1979年の21(SS86試合出場)。通算では206失策だった。

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