かなり気がかりな状態のままシーズンを終えた黒田博樹。2013年を振り返ろう。
今季の戦績。少し細かく。DRは登板間隔(日数)、RSは援護点。NPは投球数、Strはストライク。StLはストライクのうち見逃し、StSは空振り。ブルーはQS、濃いブルーはHQS。

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天候に例えるなら、快晴、晴れ、どしゃぶりというところ。

シーズン初戦は、素手でライナーを取るなど精神的な動揺も見られ、KOされた。2戦目もQSは取れなかったが、4/14の3戦目から7戦連続でQS。しかも6つはHQS。援護点は7戦で24点だったが、失点は8点。5/17の時点ではERAは1.99にまで伸びた。

以後、4試合で3失点したが、この間のRSはわずか2点。黒田もやや失点が多かったが安定感はあった。
さらに6/13からちょうど2か月間、11試合で9QS。5勝2敗。この時点では日本人3投手の中でもっとも安定感があった。

チームは主力選手がいない中、代役選手でつないできたが、オールスター明けくらいからこうした代役が息切れし、深刻な得点力不足にさいなまれた。またエースのCCサバシアが打ち込まれるようになり、ヤンキースは低迷した。
しかしそんな中で黒田は投げれば試合を作ってきた。「黒田こそエースだ」との声が上がったのもこの頃だ。



しかし8月17日の試合から成績は急落した。早い回に失点する。特に本塁打での失点が続いた。得点力が落ちているチームは、このために早々に試合をあきらめることに成った。8試合で6敗。

調子のよいときの黒田は、立ち上がりやや抑え気味の球速で、低めの制球力とスプリッターでゴロを打たせる。そして打順が3順目する頃から頼みの綱のシンカー(2シーム)の球速を93mph以上に上げて、パワーピッチで乗り切るのだ。

しかし、この時期から終幕までの黒田は、立ち上がりの制球が悪いため打ち込まれることが多かった。そのために、球数が嵩むうえに早い回から球速を上げざるを得なくなり、スタミナが続かなかった。
また、最終盤には早くて勢いのある球を投げられなくなっていた。

明らかなスタミナ切れ。これがシーズンの疲労によるものか、それとも年齢によるものか。実に気がかりである。
以下、次稿


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