今年は大物の戦力外通告、引退が相次いでいる。どこで線引きをするか難しいのだが、川上は外せないと思う。
97年、慶應の高橋由伸とともにドラフトの目玉として注目され、中日に入団。
1年目からエースとして活躍した。
キャリアSTATS

Kenshin-Kawakami2013-01


野口茂樹、山本昌、武田一浩らとともに中日投手陣の一角を担い、11年で112勝を挙げた。これはこの時代としては十分にエースと言える成績だ。
2009年のMLB挑戦、私は1年前の黒田博樹の影響をかなり受けていたと思う。
二人はこの時点までよく似た成績を挙げていた。

Kenshin-Kawakami2013-02


先発救援の分業が整いつつあった中日の川上は完投数こそ少なかったが、ほぼ同クラスの成績。
黒田が1年目31試合に先発して9勝したことが川上には大いに刺激になったと思われる。

1年目、川上は7勝12敗、ERA3.86は悪い数字ではないが勝ち星が上がらなかった。
2005年まで無敵だったブレーブスは再建モードにあり、打線はブライアン・マッキャンの21本塁打がトップ。援護に乏しかった。
川上は先発4番手だった。QSも13回記録していたが、9月に救援投手、それもロングリリーフに転向させられる。1セーブを挙げたものの不本意ではあっただろう。

翌年は先発に復帰。しかし6月末までに15先発で7QSを上げるものの1勝9敗と言う惨状。リリーフに転向させられファーム落ち。

2011年はマイナー契約のキャンプ招待選手。MLBには昇格できずAAからスタート。持病の右肩痛のために投げることができなくなった。



昨年中日に復帰したが、故障がちで満足に投げられなかった。
そして10月3日に戦力外通告と引退勧告。
旧来の中日なら、功績者に対してもう少し手厚かったかもしれないが、時代が変わったのか。またMLBに挑戦した選手には冷たいのかもしれない。

MLB挑戦は、こういうリスクも秘めている。MLB1年目の黒田と川上はほとんど同じ境遇だったと思う。MLBに適応して新しい可能性を開くのも、壁に当たって挫折するのも紙一重だと言うことだろう。

アトランタのポストシーズンの試合を見ながら、川上がこの顔ぶれに加わっていても決しておかしくなかったと思った。


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