200922日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事 一部改稿】

これは、アナ両リーグの打者の2008年のランキングである。

RCRC27AN

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、チームの状況になるべく左右されず、打者の純粋な力を測定する基準はないのか、とずっと思ってきた。また、安打、本塁打だけでなく、盗塁や犠打、犠飛、死四球なども加味することはできないか、とも思った。何しろ、野球は塁に出て、一つでも先の塁をとることで勝てるゲームですから。

ただ、本塁打と犠打は、同じにはならない。それは、何らかの比率にすべきじゃないかと。

こういうことを、アメリカでも真剣に考えた人がいて、その人は私と違って数学ができて、おそらくは金融商品なんかの設計にもかかわっていたようで、そうしてできた新たな評価がRC(Run Create)という。つまり「走者を生み出す」ことにどれだけ貢献したか。ここには、安打、犠打、死四球が盛り込まれ、当然、盗塁刺や併殺など「走者を消した」数値もマイナスで加味されている。数式はいろいろあるようで、ESPNとWikiでは違うのだが導き出される数値はほぼ同じだ。一応Wikiの数式を紹介すると、

 

A = 安打 + 四球 + 死球 - 盗塁死 - 併殺打

B = 塁打 + 0.26 ×(四球 + 死球) + 0.53 ×(犠飛 + 犠打) + 0.64 × 盗塁 - 0.03 × 三振

C = 打数 + 四球 + 死球 + 犠飛 + 犠打

RC=((A+2.4C)(B+3C)/9C)-0.9C

 

なぜ、これで打者の力量が測れるのか?私に聞かないでほしい。わかりません。ただ、これで出てくる数値には、何か妥当性があるように思う。

アリーグでいえば、OPSであれば、下位に落ちてしまうイチローが12位にいるし、ユーキリスの評価も高い。A-RODより上なのだ。サイズモア1位なのは、本塁打と盗塁がともに高水準だからだ。

ナリーグは、プホルスのMVPが納得できる。今の記者はRCを重要視しているのがよくわかる。(MLBは公式に認めていないようだが)バークマンがそれに次ぎ、首位打者チッパーはそれほど高くない。

このRCは、積み上げ型のSTATSでより多くの試合に出て、塁に多く進めた方が数字が上がる。

しかし、それでは打数の多い選手が有利になる。ということで、RC27というSTATSが編み出された。

この数値もこれだけ数式がある。

 

TO = 打数 - 安打 + 犠打 + 犠飛 + 盗塁死 + 併殺打

 RC27=27RC/TO

 

この数値では、同じRCの打者が27回打席に立った時=1試合プレーしたとき、にいくら得点が入るかという数値だ。ボンズばっかりのチームなんて、もめごとだらけで試合にならないようにも思うが。

これで見ると、アはブラッドリー、ナはプホルスである。アナ両リーグを比較すると、アの方が打撃はやや小粒だったようにも思える。

RCは、素人が自分でデータを取って計算できるという点で、守備のプラスマイナスよりもオープンな感じで好きである。ただ、数学で何度も先生に「すまなかっただ」「これからは努力するだ」「許してくだせえ」

と言ってきた私には、なぜこの数値になるのか、をちゃんと説明できないのがつらい。

 

こういう野球の実力を測定する新しい数値をSabermetricというそうだ。

明日は、RCでNPBを測定してみよう。

 

■後日談:2009年STATSもRC、RC27で測定しています。