【2009年2月28日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

2月28日の西武:日本戦の所感、

まず、西武の意気込みやよし。ワズディンに岸、グラマンと今季を左右する投手をどんどんぶつけていき、さらにはスクイズを強行するなど、日本代表に全く臆することなく勝ちに行った。渡辺の手腕が光った。

遠慮していたのは日本の方じゃないかと思えた。深刻なのは、ここ3試合、本塁打が出ないこと。つなぐつなぐというが、つなぐばかりで誰が返すのだ、という感じ。サッカーの日本代表にも似た、決定力不足だ。

イチローは、自分で自分にプレッシャーをかけて鼓舞するつもりが、快音が聞かれないために、かえって萎縮しているように思えた。二塁ベースの何十センチも手前でアウトになるイチローなんて、初めて見た。

ダルビッシュも結局、一人相撲をとり続けている。抑制の利いた速球は威力十分だが、相手を考えていない。配球の考えがないという感じだ。小松もむきになって打たれていた。

さらに言えば、福留は2008年からの不調を引きずっているように思えた。

肩の力の抜けた、自分の仕事に徹するという田中の賢さが、投手の中では光っていた。

一言でいえば、互いにどんな役割をするのかが見えていないチーム。配役が決まってない劇団のようなものだ。実戦でまとまりを作っていくしかないが、もう、時間はない。

3/5のWBC第一戦、中国戦は、萎縮した代表に喝を与える一戦になるのではないか。よもや負けることはないだろうが、相当攻め込まれるように思う。

■後日談:まだ煮えていない鍋のように、最初は味も何もなかったが、最後は最高の妙味を出したのだ。