2009314日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】 

昨日まででWBCのラウンド1が終わった。J-SPORTSの録画を今朝まで見とおした。正直言って凡戦も多くて、苦痛に近かった。何でこんなに守備が下手なんだ、コントロールが悪いんだと叫びたい試合もあった。また、ラウンド2進出が決まったチーム同士の試合は、明らかに調子を落としているケースもあった。

ともあれ、STATSが出そろった。以下は各チームの投打の成績。

WBC-1-1

衝劇的な数字だと思う。野球は投手によってきまるというが、防御率1位は敗退したドミニカなのだ。もちろん、オランダに連敗したから敗退したのだが、オランダの打率は出場16国のうちで最下位。実力は数字に如実に表れているのだが、勝敗は別だったということなのだ。

ドミニカの投手陣は、抑えても抑えても見方が点を取ってくれない中で投げ続けた。ペドロだけでなく、みんな頭に来ていただろう。オランダの投手陣は好投していたが、チャンスはなかったわけではない。16球団最多の30もの四球を提供しているのだから。ドミニカ打線は湿ってはいたが、それ以上に拙攻だったということだ。

日本は防御率でも打率でも良い位置につけている。堅実そのものだ。

キューバは打率で断トツの1位、本塁打2位、防御率も良いし、これは強そうだ、と思いがちだが、この数字は相当割り引く必要がある。

Pool別、つまり球場別のSTATSを見ると如実に分かる。

WBC-1-2

TV中継でも感じたことだが、4つの会場で行われていた野球は全く別物なのだ。Pool-Bのメキシコ、フォロソルは海抜2000mの高地にあり、空気が薄いために両翼100mのスタジアムをボールはどんどん超えていく。1試合平均4.7本の本塁打、平均のOPSが1点を超える超バッターズスタジアムだったのだ。キューバの打撃はこの球場の特性を生かして、素早いスイングでライナーを飛ばした結果だ。確かに投手陣は侮れないが。

反対に、ドミニカが悪夢を見たPool-Dのヒラムビソーンは、ピッチャーズスタジアムだったことが分かる。

こうしてみると、プエルトリコのバランスの良さが目に付く。わずか数試合ずつのSTATSだから、決定的なことは何も見えないが、これまでと異なった球場で、各チームがどんな戦術を取るかが大きなポイントになるだろう。

■後日談:キューバの成績が実力を反映していなかったのは後に証明された。