2009318日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

9回裏、プエルトリコはUSAを2点をリードしてロメロをマウンドに送った。キャッチャーをモリーナに替え、レフトをボカチカからフェリシアーノにかえて、守備固めにも怠りはなかった。ロメロは2008年も81試合を投げているベテランだが、ビクトリーノ、ロバーツと連打されると、浮足立ち、ジーターは打ちとったもののビクトリーノが3進、ロバーツが盗塁して2、3塁。ここでロリンズを歩かせたところで投手交代。

この時点で、プエルトリコは投手が尽きかけていた。

かわったフェルナンド・カブレラは昨年BOSで22試合を投げているとはいえ、防御率は5点台、一線級とは言い難い。この投手にすべてをゆだねたのだ。次打者はユーキリス、次はライト、シュアな打者が続きに続く息の抜けない打線だ。

ユーキリスが歩いて、ライトがリオスの前に安打を落としてすべては終わった。

WBCは、2012年退任するバド・セリグが創設したが、不人気な上にここまでホスト国USAが弱いと、退任後の2013年に開かれる第三回は、中止される恐れがあったと思う。少し大袈裟にいえば、9回裏のライトの安打は、WBCを救った一打といっても良い。

USAは、追加招集された選手の活躍で首の皮一枚つながった。WBCの盛り上がりのためにも、ここから立て直してほしい。

■後日談:このWBCのハイライトのひとつ。MLBのスターたちが一瞬だけ目覚めた試合だった。一言でいえば、体を大事にしながら戦っていたのである。