【2009年3月19日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

韓国戦でかけられた呪縛をキューバ戦で解く、日本は再びこのパターンで、瓜二つの勝利を得た。キューバは、前の日本戦で目立たないが最も良い投球をしたマヤが先発、日本は岩隈。岩隈は全く危なげがなかったが、日本も最初は体が固く、マヤを攻めあぐねた。しかし、4回、青木、稲葉の連打を受けた小笠原の一打で呪縛が解けた。センターのセスペデスのエラーではあるが、ある意味で日本の執念が落球させたような当たりだった。昨日の試合では、左打者が3安打を打ったものの封じこまれた印象があったが、今日の8安打はすべて左打者だった。

ことに、イチローの9回の3塁打に思わず快哉を叫んだ人も多かっただろう。長かったという思いだ。

岩隈の今日の投球を、3/15の松坂と比較してみよう。

同じ6回無失点だが、松坂が球数を使いながら力押しに押したのに対し、岩隈は打たせることに徹していた。AIR(フライ、ライナー)のアウトが、1つしかなかったことにそれが表れている。岩隈は5安打されているが、すべて2死から。ランナーを置いての被安打も4回だけ。全く危なげがなかった。続く杉内は、3回をパーフェクト。9つのアウトのうち4つが三振、5つがAIR(フライ、ライナー)。こうもタイプが違う投手が出てきては、キューバは手も足も出ないという感じだった。

会心の試合。開き直るようだが、明日の韓国戦の勝敗はどちらでもよい。勢いのベネズエラ、目覚めたUSA、どちらも手ごわさに変わりはない。松坂を温存して、涌井や内海などを立てても良いのではないか。打線も思い切った積極策で、韓国戦の重い空気を打ち破ってほしい。

■後日談:岩隈の圧巻のピッチングが光った。モノが違うという感じだった。それからイチローが目覚めたことでも記憶される試合だった。