【2009年3月20日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

アジア野球ウォッチャーの佐々木さんが、韓国にはONとOFFのときがあると言っていた。日本戦はON=鬼となって、恐ろしい迫力で攻めるのが常だが、今日はついにスィッチは入らなかったのではないか。

スタメンも相当変えてきて、選手の虫干しをした感があるが、先頭の鄭根宇の速攻など、個々にはがんばりを示したものの、つながりは見られなかった。金泰均の打棒は下り坂のようだ。そして韓国投手陣は、層が薄いことが露呈された。張洹三、李在雨、呉昇桓、林泰勲という投手陣で日本打線に脅威を与えた投手はいなかった。金広鉉も打たれた。韓国打線は次回ステージを今日以外の投手を軸に戦っていくことになる。

日本の打線はここへきて、青木が絶好調となり、稲葉、小笠原、岩村と左がすべて目覚めた。これに城島、イチローが加わって流れができつつあったのだが、痛恨は村田の負傷だ。このシリーズだけでなく、シーズンまで影響するのではないか。栗原が急きょ呼ばれたが、この試合の位置づけを考えれば、痛すぎる。

この試合は韓国の実力を反映するものではない。韓国はベネズエラ戦で再びONとなって戦うだろう。問題は日本がUSAに勝てるかどうかだ。

■後日談:WBCって、こういう戦い方になるんだ、ということが理解できた。構造的には問題のある大会だった。両チームともに全力とは言い難い印象。