【2009年3月23日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

USAの弱点は、一向に調子の上がらない先発投手陣だが、日本の打線は二巡目を過ぎた5回にオズワルトをとらえ、決定的な5点を奪った。米は3番ロリンズと7番デロ―サが当たっていたが、ここまで好調だったアダム・ダンとライトが戦意喪失したような打席を重ね、二人で6三振を喫した。ダンの守備は、今日も深刻だった。ライトへ少し速い打球が飛ぶとヒットである。

USAは、強力なセットアッパー陣を擁しているので、追加点は難しいかと思ったが、最終回にエラーがらみで決定的な3点を挙げた。

松坂は、よくMLB中継で見るような「普通の松坂」だった。(ゴロアウトがいつもより多かったが)悪いなりにゲームメイクをし、味方の援護を待つパターンである。イチローも、よくSEAで見るイチローのように、試合の流れとは無関係な存在だった。明日こそ主役になってほしい。

馬原とマッキャン、イチローとシールズなど、名勝負もあって、凡戦ではなかったが、アメリカベンチには「とてもかなわない」というあきらめムードが早々にただよっていた気がする。MLBプレーヤーは、この時期に全力でプレーすることはできないのではないか。

これで、明日、韓国が奉重根、柳賢振という左の2本柱を立てるのに対し、日本は岩隈、ダルビッシュと右の2本柱を対抗させることができる。ことに岩隈は、積極打法の韓国からゴロの山を築くことが期待できよう。

アメリカはプライドを傷つけられたと思う。セリグは次回のWBCを24カ国でやると発表したようだが、足元のMLBの球団、選手との利害調整をきっちりしないと、次回開催も危ういだろう。

■後日談:アメリカの選手の気持ちが切れた瞬間が分かった感じがした。アメリカの選手にとっても、口惜しいことではあったろう。