2009328日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】



今日の大阪ゴールドビリケーンズと神戸9クルーズの開幕戦は、内野席は7割がた埋まった。そのかなりの部分は、選手の知り合いのようだったが、笛太鼓の組織だった応援はなくて、私好みのナチュラルな客席だった。四国アイランドリーグは、高校野球が盛んな土地柄のためか、1年目からうるさい応援団がいて閉口したのものだが。

四国の場合もそうだが、独立リーグの試合では、本塁打はめったに見ることがない。選手は、守備や走塁はまずまずなのだが、とにかく非力なのだ。今日も、先発の大阪・土肥、神戸・西川ともに最速140km/hそこそこだったが、ライナーで外野へ飛ぶ飛球はまれだった。玄人好みの投手戦(あるいは貧打戦)が多くて、派手な試合が少ないのが、独立リーグの悩みなのだ。それと、捕手のまずさが目についた。大阪、神戸ともに捕手が4番に座っているのだが、投手への返球が何度も横にそれた。粗雑なのだ。

ただ、試合はきびきびと進行して気持ちが良かった。どちらも安打で出塁はするものの勝機を逸していたが、神戸が6回にライト前に3安打をたたみかけ、2点を先取した。神戸の武田は、西濃運輸時代に都市対抗野球の花形選手だったが、打力でも走力でも一段抜けている印象だった。

 

さて、今日は非常に寒い一日だった。ドーム球場は暖房していないうえに、空調のために緩やかに風が通っていて肌寒かった。ビールは売っていたが、「ねえちゃん、熱燗ないんかい」などという親爺もいて、みんな肩を震わせながらの観戦だった。

中盤を過ぎる頃から、寒さに耐えかねてか、選手に向かって歓声をあげる客が増えだした。そして、いつしか音頭をとる酔っぱらいが現れ、それに引っ張られて「かっとばせー、碩野(い・し・の)」などという応援がはじまった。三塁側では神戸の投手に向けて手拍子の応援が始まっている。私は、応援団が自然発生的に生まれる瞬間を見たと思った。これはこれで悪くはない。和やかで、和気あいあいとした野球観戦だった。

 20090327-03

■後日談:プロ野球=NPBのまねをしてもうまくいかない。独立リーグは地元密着が必要だったのだが。