【2009年5月9日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

きのうはマニー・ラミレスが薬物事件で50試合欠場、今日はA-ROD復帰第一打席の第一球をレフトへホームランと、相変わらず派手なニュースが飛び交うMLBである。個人的にはオルティーズの不調とラミレスの今回の事件に関連がないのか気になるところだが、今日はこれらのニュースに隠れて発信された地味なニュースにちなんで、好きなSTATSを紹介したい。

Dimaggio

5/4、元BOSの中堅手だったドミニク・ディマジオが死去した。92歳。現役時代は強肩好打の外野手として、不動の存在だった。丸いメガネがトレードマークで、オールスターにも7度選ばれている。何よりこの選手はディマジオ3兄弟の一人として知られた存在だった。

プレーを見てみたいかつての名選手を1人あげろと言われれば、私は即座にジョー・ディマジオを挙げる。56試合連続安打、不滅の記録の持ち主。アメリカ文学で彼ほど多くの作家に取り上げられた存在はない。STATSだけでなく、外野手としての資質、何よりプレーの美しさで、まさに別格の選手だったようだ。若い頃はゲーリッグと3,4番を組んでいた。成績でいえば同時代のテッド・ウィリアムスには劣るのだが、評価は常に上だった。STATSではこの豪打にもかかわらず、三振数の少なさが才能を物語っている。

ディマジオはその兄と弟も優秀な外野手だったことでも知られている。3人ともセンターを守っていた。先日死んだドムは、兄ジョーの最大のライバル、テッド・ウィリアムスと外野陣を形成し、打線でも中核をなした。BOS記録の34試合連続安打の持ち主でもある。兄のビンセントは常に弟ジョーの後塵を拝したが、30歳を過ぎて頭角を現した選手である。

ディマジオ3兄弟の内ビンスをのぞく2人は兵役につき、それがキャリアSTATSを物足りないものにしている。チームメイトになったことはないし、ビンスはリーグが違ったので公式戦での対戦もない。しかもオールスターでも対戦しなかった。

何やらぎすぎすした話題が多いMLBだが、ディマジオ家の終焉は、彼らの時代が完全に歴史になってしまったことを表している。

 (それにしてもArialは美しい。STATSには最高の書体だな)

■後日談:クラシカルなSTATSは大好きなのだが、いかんせんその魅力がなかなか伝わらないのだ。もっと工夫したい。