【2009年6月23日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

昨日、96本目のヒットを打って、イチローは再びギアがトップにかかったような感じである。ESPNには、ProjectedというSATSがある。このペースでいけばシーズン何安打するか、というものだが、これを見るとシーズン242安打するという計算になっている。200本は軽く超えそうである。

これとともに、地味な記録だが注目すべきものがある。それはシーズン単打記録である。イチロー、3度目の200単打なるか。

実はシングルヒットの世界では、イチローはすでに圧倒的なレコードホルダーである。

ICHIRO-SINGLE01

左側のシーズン最多単打の記録。イチローの周辺にいるのは、ほとんどが100年以上前の選手である。ウィリー・キーラーも、ロイド・ウエィナー(ビッグポイズン)も伝説の選手だ。そして、その中でもダントツの記録を積み上げているのだ。イチローのバッティングが、いかに特異なものかがわかる。

デビュー以来の記録でも、2003年を除き単打王の記録を保っている(2003年にイチローを破ったホアン・ピエールはイチローに次ぐシングルヒッターではある)。

現在は、OPSというSTATSが幅を利かせ、単打よりも長打が良いとされ、安打と同じくらい四球の価値があるとされる時代だが、ここまで単打を打てば、文句はないだろうという気がする。イチローの安打数は大部分の選手の安打数+四球よりも多いのだ。

今年はESPNのProjectedでは、190安打の予測だが、もう少し短いのも打ってほしい気がする。

■後日談:イチローなかりせば、ジーターが単打王と呼ばれただろう。