【2009年6月29日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

打者のスランプの定義はいろいろあるだろうが、端的にいえば「ヒットが出ない」ということだろう。でも1試合や2試合出ないでスランプとはいい難い。3試合連続でヒットが出なければスランプだ、と定義してみる。

イチローの1300試合を超すMLBのSTATSを見ていく。印象では、スランプは結構あったように思ったのだが、

ICHIRO20090628

わずか9回しかなかった。無安打の最長は5。どんな強打者でもシーズンに1、2度は5試合くらい無安打の試合があるものだが、イチローは8シーズン半で1度だけである。いかに密度高く安打を打っているかがわかる。

さらにスランプの前後3試合の記録をとってみると、イチローのスランプからの立ち直りの早さもわかる。

昨年はイチローにとっては「裏年、不作の年」だったのだが、それでも3試合以上の無安打試合はなかった。固め打ちこそ少なかったが、コンスタントに安打を打っていたのだ。円熟の境地を感じる。

実は2試合連続無安打でさえも昨年の8月13、15日以来ない。しかも今期になってからは、無安打試合さえ5試合しかない。そのうち1、2試合で安打が出ていれば、とてつもない連続試合安打の記録が出ていたはずだ。

一昨日から始まったLAD戦、好調な投手との対戦が続くが、すごい勢いでヒットを量産している。ESPNのProjectedでも、今期の最終は253安打となっている。8試合欠場しているのに262安打に次ぐ記録である。

気がかりなのは、イチローの3試合連続無安打記録が最も多く出ているのは、4月とともに7月だということだ。ベテランの域に達しているから、コンディション調整は万全だろうが、息切れしないことを望む。

■後日談:2試合連続無安打なしと言う記録は、終盤に途絶えたが、今年のイチローは好調を維持した。