【2009年7月7日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

昨日のUSAチームに対する、ワールドチームのロースターである。

FG-02

まず気づくのは、ドラフト以外でMLB機構に入ってきている選手が大部分なこと。そして、USAチームよりも叩き上げ風の選手が多いこと。さらに言えば、参加国を多く見せたいために、多少無理目の選考が目立つこと。一言でいえば玉石混交の印象だ。この中では田澤のSTATSは堂々たるものだ。

投手のペレスは、昨年は独立リーグで投げていたが、再びマイナーから出直してフューチャーズに入った。ちなみに彼をスカウトしたのは、日本でもおなじみフリオ・フランコである。

もう一つ、投手で気がつくのはUSA,ワールドともに殆どが先発投手であること。たとえセットアッパーやクローザーとして名をなすとしても、最初は先発投手。これは日米ともに共通のようだ。

内野手(SS)のエスコバーは昨年9試合MLBでプレーしている。両チーム唯一の大リーガーである。

キリマンジャロの士さんご贔屓のSEAのリッディは、WBCではイタリア代表として8打数3安打だったが、驚異的な長打力でのし上がってきた。今年の1位アクリーの良いライバルになってほしい。キュラソー出身のスルバランもオランダ代表としてマウンドに立っている。小さなことのようだが、MLB機構はこのレベルでも世界戦略の視点を持っているのだと思う。

アメリカの野球には、学生時代からMLBの情報網にかかり、ひたすら頂点を目指すエリートと、海外から一攫千金を目指してやってくるたたき上げがいる。濃密の差こそあれ、その誰にもチャンスはある。そうした縮図がフューチャーズゲームなのだと思う。

■後日談:MLBには、プロスペクトをMLB登場前に演出する仕掛けがいろいろある。このゲームもそうだが、次々と注目をひく仕掛けを作っているのだ。